日別アーカイブ: 2009年6月5日

メビウス PC-NJ70A (6) ユーザーインターフェース

タッチパッドとか操作性とか、多少使いづらかったとしてもそれはそれ。
「これでしかできないことがある」のは確かです。
光センサー液晶パッドはまだまだ初物。

今後ソフトウエアの改良によって他の PC と同じ操作性へ近づけていくことは可能でしょう。
でもメビウス PC-NJ70A と同じことが他のパソコンで出来るわけではありません。

これまで書いてきたように、それ以外を割り切ったのが一番の特徴です。
普段持ち歩いているとついついただの普通のパソコンとして見てしまいがち。
あらためて光センサー液晶パッドについて考えてみます。

使っていてあまりわくわくしないのはなぜでしょう。
多少欠点があっても、何かしら今後良くなりそうな可能性の片鱗が見えれば
たいした問題ではないはずです。

従来のパソコンにない新しい部分が、現状だと他のデバイスでも出来ることの
寄せ集めでしかなく、しかも劣っていることが原因かもしれません。

他に良いものがあることをユーザーは知ってますし、自分も常時 iPod touch を
持ち歩いています。
ようするに今の光センサー液晶パッドでは、マルチタッチを使った操作は全く快適では
ないということ。

ではどうすればよいか考えてみました。

●苦手なこと

使っていると光センサー液晶パッドと比較的相性の良い操作、苦手な操作がわかってきます。

良い

 ・ペン操作
 ・ボタン

だめ

 ・ドラッグ系
 ・ジェスチャ入力
    二本指スクロール・拡大縮小・回転

手描きのペン入力は割と素直に使えます。
手書き文字入力も想像より快適でした。線を加える毎に即座に文字が絞り込まれていきます。
レスポンスも速く、自分が行った操作とフィードバックが直結しています。
でも純粋なタブレット PC と違い、キーボードがあるから使わなくても困らないのも事実。

電卓やピアノといったシンプルなボタンを活用するユーザーインターフェースも
不満が少なく相性が良いといえます。
感圧式と違って触った時点で反応するので、押した感触がわかりやすいようです。

逆にドラッグ操作でオブジェクトを動かすような操作は苦手です。
タッチ位置にオブジェクトがついてこないし、遅延が目立つし、見た目とずれが
あるため慣れるまで思うように操作出来ません。

ジェスチャ系も同様です。
たとえばズーム操作では、読み込みが間に合わなかったとしても画像を拡大表示して
ごまかし、見た目の反応速度を上げるテクニックが良く用いられます。
液晶パッドの場合はそれ以前の問題で、ただの拡大ですら更新エリアが大きいため
描画の負担となり現実的ではないのです。

●描画更新が遅いならただのボタンの方が良い

結局 描画の更新を減らす工夫が何より大切だといえそうです。

・できるだけボタンなどスタティックなユーザーインターフェースにする。
・ジェスチャ系は操作中ワイヤーフレームで表示してあとから更新する。

といったことを考え、ハードウエアの性能を考慮したユーザーインターフェースを
採用します。以下具体例。

・2本指のスクロール

初めてリスト一覧を見たとき、最初にスクロールバーを探してしまいました。
2本指のスクロールは いわれないと わからないし、描画が遅くて操作できているのか
出来ていないのか判断しづらくなっています。
なぜかスクロールバーも常時表示されていません。
そのせいでスライドしすぎて止まらなくなり、ますます戸惑うことに。

液晶パッドは画面が広いので、いっそ専用のスライド領域を設けてしまった方が
良いのではないでしょうか。見た目でわかりやすいし、スライドした量を描画すれば
操作出来ていると安心できます。

・ページ切り替えとボタン

広い面積のスクロールは苦手なので、直接ページを切り替えられるボタンがあった
方が迅速だしわかりやすいです。タブ切り替えのように。
フォトモードの秒数指定ボタンは最初ページ切り替えだと勘違いしました。

・ハードウエアボタン

触れただけで反応するタッチ面に対して、クリックボタンは少々力がいります。
ボタンの説明として「次ページ」「マウス操作へ」「前ページ」とわかりやすく表示
してありますが、むしろここの文字をタッチしたくなります。

・マッチ棒のパズル

マッチ棒をスライドで動かすのはたいへんです。
描画が遅くて思わぬところに落としてしまうことも。
しかも関係ない位置においてしまうと操作回数がカウントされて失敗扱いです。

ゲーム内容を考えると、動かしたいマッチ棒をタッチしてその後異動先をタッチ
するだけで十分だと思います。
ハードウエアスペックに応じた操作仕様にするだけで大幅に遊びやすくなるはずです。

・拡大縮小回転

個別にボタンを用意するか、タッチに合わせたワイヤーフレーム等の演出が
合っているように思います。

液晶パッド部の解像度はかなり高いです。
メインの液晶画面が 1024×600 ドットなのに対して 854×480 ドットもあります。
縦横ともにおよそ 20% 小さいだけ。
手書きイラストのキャプチャ選択も全体を 80% の縮小表示にして、ワイヤーで選択
範囲が表示されているだけで十分な気がします。

●まとめ

書き出してみたらあまりたいしたことではありませんでした。
操作ではなく描画の問題で、結論はハードウエアの能力を考慮したユーザー
インターフェースにするという一点のみです。

あとは画像取り込みとかスキャナ機能とか、何かしら光センサー液晶パッドでないと
出来ない使い方があると良いですね。

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