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February 2015 の記事

大幅に強化された CPU と違い、GPU 周りは Raspberry Pi 1 とほとんど変わっていないようです。
以前移植したコードが Raspberry Pi 2 でもそのまま動いています。

Raspberry Pi 2 の Desktop (Raspbian) から起動できる Minecraft は、
一見 Windows 内で動いているように見えますが他のウィンドウの下に隠れることができません。
3D Rendering 自体は別のレイヤーに描画されており、
スクリーンに対して Overlay で表示されているようです。

raspberry_pi_201.jpg

↑ 上のように半透明が描画されているシーンだけ下のウィンドウが透けて見えます。
フレームバッファに alpha 値が入るとレイヤー同士の合成とみなされてしまうため。


この辺りの挙動は Window 無しのフルスクリーン描画と違いがないようです。
自分が移植したプログラムでも最初は下記のようになっていました。

raspberry_pi_202.jpg

↑背景を alpha = 0.0f でクリアしていたため console と合成されてしまっています。
うっすら見えているのは alpha 値が入っているところだけです。

OpenGL で常に Alpha=1.0 を書き込んでも良いのですが、
VideoCore の API でも指定できるようです。
下記のように alpha に固定値 255 を指定することで layer が不透明になりました。

static VC_DISPMANX_ALPHA_T alpha= {
  DISPMANX_FLAGS_ALPHA_FIXED_ALL_PIXELS,
  255,
  NULL
};

dispman_element= vc_dispmanx_element_add(
  dispman_update,           // DISPMANX_UPDATE_HANDLE_T
  dispman_display,          // DISPMANX_DISPLAY_HANDLE_T
  0,                        // layer
  &dest_rect,               // VC_RECT_T*
  0,                        // DISPMANX_RESOURCE_HANDLE_T
  &src_rect,                // VC_RECT_T*
  DISPMANX_PROTECTION_NONE, // DISPMANX_PROTECTION_T
  &alpha,                   // VC_DISPMANX_ALPHA_T
  NULL,                     // DISPMANX_CLAMP_T*
  DISPMANX_NO_ROTATE        // DISPMANX_TRANSFORM_T
);

↓不透明になったもの

raspberry_pi_203.jpg

他にも位置の指定や拡縮、90度回転や反転等の指定もできるようです。

↓ ありもののケース(旧型)

raspberry_pi_1b.jpg


関連エントリ
Raspberry Pi 2 で速くなったコンパイル時間の比較


Raspberry Pi 2 を入手したので使ってみました。
ARM11 の Raspberry Pi と比べると格段に速くなっています。

VFP Benchmark の比較

               CPU       clock       single fp      double fp
----------------------------------------------------------------
Raspberry Pi B ARM1176   0.7GHz x1   0.674 GFLOPS   0.674 GFLOPS
Raspberry Pi 2 Cortex-A7 0.9GHz x4   7.087 GFLOPS   3.472 GFLOPS

ARM11 世代の VFP と比べると core あたり 2.6倍 (単精度時,クロック差含む)。

詳細な結果は下記に追加しました

VFP Benchmark Log

Cortex-A7 は big.LITTLE でも省電力 core として用いられており、
単体の性能はあまり高くありません。

それでもエントリークラスのスマートフォンやタブレットでは
同じ Cortex-A7 Quad core のデバイスが多数リリースされています。
Snapdraogn 400 MSM8926/8226 や MT8125/8389/6582 など、
それなりにバランスが良い構成なのだと思われます。

下記は手持ちライブラリ(flatlib3)のビルド時間の比較です。
36分から 5分半へと現実的な数値になりました。
SD Card の速度に依存するためあまり正確ではないですが、
およそ 6.6倍で公称値通りといえそうです。

                                Clock  core  ISA    RAM    gcc-4.8 clang-3.4
---------------------------------------------------------------------------
(1) Raspberry Pi B ARM1176JZF   0.7GHz x1    armv6l 0.5GB   36m18s
(2) Raspberry Pi 2 Cortex-A7    0.9GHz x4    armv7l   1GB    5m29s
(3) Nexus 7 2012   Cortex-A9    1.3GHz x4    armv7l   1GB    3m42s
(4) Atom Z540      Bonnell      1.8GHz x1+HT x86      2GB    6m23s   6m18s
(5) BayTrail-D J1900 Silvermont 2.0GHz x4    x86_64   8GB    1m30s   1m11s
(6) Athlon-5350    Jaguar       2.0GHz x4    x86_64   8GB    1m33s   1m10s
(7) Core i7-2720QM SandyBridge  2.2GHz x4+HT x86_64  16GB    0m31s   0m24s

・36m18s = 36分18秒
・値は実行時間(3回の平均)。数値が小さい方が高速

Raspberry Pi 2 でそのままビルドすると ARMv6 のバイナリが生成されるため、
gcc-4.8 -march=armv7-a mfpu=neon-vfpv4 のオプションでコンパイルしています。

下記はそれぞれの詳細です。

(1) Raspberry Pi model B
BMC2835 ARM1176JZF 0.7GHz x1
RAM 512MB, SD 16GB
Debian wheezy armv6l (console)


(2) Raspberry Pi 2 model B
BMC2836 Cortex-A7 0.9GHz x4
RAM 1GB DDR2, SD 16GB
Debian wheezy armv7l (console)
gcc-4.8 (-march=armv7-a mfpu=neon-vfpv4)


(3) Nexus 7 (2012)
Tegra 3 T30L Cortex-A9 1.3GHz x4
RAM 1GB DDR3L, 8GB
Ubuntu 13.04 armv7l (console)


(4) VAIO Type P
Atom Z540 Bonnell 1.86GHz x1+HT
RAM 2GB, SSD 64GB
Ubuntu 14.04LTS x86 (console)


(5) Desktop PC
BayTrail-D Celeron J1900 Silvermont 2.0GHz x4
RAM 8GB, HDD
Ubuntu 14.04LTS x86_64


(6) Desktop PC
Athlon-5350 Jaguar 2.0GHz x4
RAM 8GB, HDD
Ubuntu 14.04LTS x86_64


(7) Desktop PC
Core i7-2720QM SandyBridge 2.2GHz x4+HT
RAM 16GB, HDD
Ubuntu 14.04LTS x86_64

GPU 周りは変わっていないようです。下記ページに追加しました。

CPU/GPU OpenGL ES Extension (Mobile GPU)


Android 5.0 から 64bit CPU に対応しています。
Android で最初の 64bit device は Nexus 9 です。
もちろん上位互換性があり従来の 32bit ARM Native code も実行可能です。
32bit ARM には 2種類の ABI が存在していたので合計 3種類です。

ARMv8A AArch64  arm64-v8a
ARMv7A          armeabi-v7a
ARMV5TE         armeabi

Android 4.4 までは同時に 2種類の ABI に対応することが出来ました。
Android 5.0 以降は上記のように 3つ以上指定可能となっています。

同時に発表された Nexus Player は Nexus 初の Intel CPU (Atom Z35xx)
搭載端末となっています。
OS も Android 5.0 なのですが、残念ながら 64bit (x86_64) ではなく
32bit (x86) で動いているようです。

ro.product.cpu.abi=x86
ro.product.cpu.abi2=armeabi-v7a
ro.product.cpu.abilist=x86,armeabi-v7a,armeabi
ro.product.cpu.abilist32=x86,armeabi-v7a,armeabi
ro.product.cpu.abilist64=

以前調べたように、Android x86 端末は Binary Translator によって
ARM の Native code を実行することができます。
同じ x86 (32bit) でも 5.0 以降なら 3種類指定できるので、
Nexus Player の場合 armeabi も含まれていることがわかります。

Device       Android CPU           ABI
-------------------------------------------------------------------
Nexus 5         5.0  Krait 400                armeabi-v7a  armeabi
Nexus 9         5.0  Denver        arm64-v8a  armeabi-v7a  armeabi
Nexus Player    5.0  Silvermont    x86        armeabi-v7a  armeabi
MeMO Pad ME176  4.4  Silvermont    x86        armeabi-v7a

Android 5.0 からは、これまで x86 で動かなかったアプリも動くように
なるかもしれません。
将来 x64 (x86_64) 端末が登場したら x86_64 を含めた 4種類です。


関連エントリ
Nexus 9 Tegra K1 と ARM 64bit Denver
Android x86 Binary Translator を試してみる


Android Wear 向けの新しい音楽再生アプリ (v2) をリリースしました。
単体で音楽再生できる offline player で、Bluetooth ヘッドホンが必要です。

Music Player2 for Android Wear (Google Play)
Music Player2 for Android Wear (説明のページ)

以前の v1 では、音楽データ転送中はすべての転送が終わるまで曲の再生ができない
問題がありました。
いつ転送が終わるかわからないのに何も操作できないという、
少々不安になる仕様となっていましたが、新しいプレイヤーでは解消しています。

以前は一つの DataItem に複数の Asset を格納していたことが原因で、
Directory 相当である DataItem が転送中はロックされていました。
Music Player2 (v2) では複数の DataItem に分散して格納しています。

一度に大量にデータを登録しても、完了したものからすぐに再生できるようになります。
完了の確認は「表示の更新」ボタンを何回か押していれば OK です。

その代わりデータ構造が変わってしまい互換性がなくなっています。
転送したデータが無駄になってしまう可能性があるので v1 とは別アプリにしました。
従来のバージョン (v1) ですでにデータ転送が完了しており、
特に問題なく動いている場合はそのまま v1 の方をご利用いただけます。


関連エントリ
Android Wear 単体で音楽再生を行うアプリ
Android Wear 3D のアナログ時計 (Watch Face)
Android Wear の 3D 描画 と NDK r10
Android Wear にゲームを移植