メビウス PC-NJ70A 液晶センサータッチパッド

●タッチパッドのところに iPhone が埋まってるやつ

iPhone / iPod touch を使っていると、マウス代わりにこれでそのまま PC操作
できたらいいんじゃないかな、と思うことがあります。
タッチパッドの感触はなめらかでレスポンスも速いし、マルチタッチもわかりやすく、
スクロールなどの操作も心地よく動いてくれるからです。
(実際に iPhone をタッチパッド代わりにできるアプリもあるようです)

本当にそれを実現しようとしたのかどうかわかりませんが、
SHARP メビウス PC-NJ70A の見た目はまさにそれ。
センサーの仕組みはともかくマルチタッチ対応のパッドに液晶画面もついていて
独自のアプリも動くという。なんか埋まってます。

そのメビウスがようやく手元に届いたので使ってみました。

現実はそう甘くはないようです。

●光センサー液晶パッドのモード

・マウス操作モード
・タッチ操作モード

●マウスモード

mebius pc-nj70a

通常はマウスモードで、ノートパソコンの一般的なタッチパッドとして機能します。
特徴的なのは以下の点

・表面がつるつる
・パームレストと一体型
・サイズ大きい、幅が広い
・ボタンが 3つあるけど 2ボタンマウス相当
・マルチタッチ
・多少のビジュアルエフェクトがある

つるつるなのはおそらく光学式センサーの光を通す必要があるため。
光が透過しさえすれば透明な素材で全体を覆ってしまっても構わないのでしょう。

ボタンは残念なことに 2ボタンでした。
VAIO type P は中ボタンがついていて 3ボタン。
液晶パッドの真ん中のボタンは「マウス操作」と「タッチ操作」の切り替えです。

マルチタッチの活用として二本指スクロールがあります。
EeePC 901 等と同じです。

液晶パッドの画面には、タッチ位置に遅れてついてくる光のカーソル演出があります。
この辺は設定で変更できるようです。

●タッチ操作モード

mebius pc-nj70a

真ん中ボタンでタッチ操作モードに切り替えると、液晶パッドにメニューが出てきます。

ここでタッチを活用した独自のアプリケーションを走らせることが出来るようです。
マウスカーソルを使うウィンドウズアプリと違って、こちらは直接触って操作
できるのが特徴。

しかも光学センサー液晶パッドは他の方式と違い

・マルチタッチ対応 (何点でも?)
・静電容量式のように指が触れただけで反応する
・ペン操作もできる

等と利点も多数あります。
しかしながら画面の呼び出しや表示切り替えは決して速いとはいえず
なめらかなアニメーション演出も期待できません。

例えば電子ブックリーダーでは本のタイトル一覧が表示されるのに、タッチ操作では
上下にスクロールできません。マウスの左右ボタンで上下のページ切り替えだと
気がつくのに若干時間を要しました。(一応二本指スクロールは出来るけど描画が
ついてこない)

アプリケーションの作り込みの甘さや描画速度の遅さ、反応の悪さなど、可能性の
あるセンサーやデバイスをまだまだ使いこなせていないようにみえます。

サブ画面用に描画アクセラレータが乗っていないのか、メインメモリからの描画
転送がボトルネックなのかはまだわかりません。

センサー自体は大変ユニークで、例えば「エンターテイメント」に入っている
ピアノのアプリはマルチタッチを実感できます。
とりあえず指 4本のタッチ座標が取れているのは確認できました。

HP TouchSmart PC IQ800 のマルチタッチは 2点までだったので、今後 SDK が公開
されたり Windows7 用ドライバが出てくれば、さまざまな活用が考えられます。
今後に期待ですが、「iPhone / iPod touch が埋まっている」の域まで達するには
まだまだかかりそうです。

なおタッチ操作モードではマウスカーソルが動かないので PC の操作ができません。
外付けのマウスをつないでおけばタッチモードでも普通に使えました。

●まとめ

ネットブックなど多くのノートパソコンがあふれる中で、普通じゃない機能を持った
PC であることは確かです。
実用性よりもまずはこの点をおもしろいと思えるかどうかが評価の境目となるでしょう。
これからしばらく実際に持ち歩いて使いつつ、まずは普通の PC としてセットアップ
してみます。

関連エントリ
メビウス PC-NJ70A 画面解像度とタッチ
Windows7 とマルチタッチ / HP TouchSmart PC IQ800

メビウス PC-NJ70A 液晶センサータッチパッド」への2件のフィードバック

  1. かみやん

    なるほど~。遅いのか~。描画はやっぱりハードウェアアクセラレートされてないと駄目ですね。
    マルチタッチ&ペン対応ってのはすごいですね。iPhoneは爪が長い女の子には不向きってのもあるし。

  2. oga 投稿作成者

    画面切り替えでも描画転送がやっと、て感じです。
    アクセラレータ欲しいですね。
    描画デバイスのスペックはわかりませんが 854×480 dot は広すぎるんでしょう。
    フォトモードもサムネイルを指ではじいたりしたくなるのですが無理そう。

    描画だけでなくマウスモードのタッチセンサーも遅延があるので
    全体的にパワー不足なのかもしれません。
    考えられるのは

    ・描画処理が負担になっている
    ・入力データから座標を割り出す画像処理が重い
    ・サブプロセッサの処理能力不足

    結局センサーからメインプロセッサへの入力の遅延があって、
    それを元にサブプロセッサに画像転送して描画更新でさらに遅延
    といった印象。

    比較的追従性の良いボウリング アプリは描画が点滅しているので、
    内部で仮想フレームバッファを持っていて、フレームレートが低いの
    かもしれません。
    部分だけ更新すると比較的速いけど、以前の重ね合わせを消すために
    ちらついてしまうのでしょう。

    タッチ&ペンは、光学式だと両方使えるのが多いようですね。
    手書き認識とかペン操作は比較的反応が良いです。
    付属のペンも触れただけで反応します。
    でもつい WindowsMobile のくせで強めに書いてしまいます。

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