Oculus Go は VR ができる新しい携帯ゲーム機

Oculus Go は VR アプリの専用機であることと、23800円 (32GBモデル) という価格から考えると Vita や 3DS のような携帯ゲーム機の一種と言えるのかもしれません。それだけ手軽に楽しめるようになっています。気軽に持ち出して人に見せたり、勧めたくなるような魅力があります。

とはいえ Oculus Go はモバイル VR の範疇なのでそれなりに限界があります。興味が出てきたら、より性能が高い VR を体験してみるのも良いのではないでしょうか。一番良い体験ができるのはやはり VR ZONE などのアーケードでも使われている HTC Vive でしょう。

Oculus Go とハイエンド系 VR との大きい違いは、ヘッドセットやコントローラが回転しかできず、位置の特定に対応していないことです。360度周囲を見渡すことができますが、頭を前後左右に動かしても VR 空間内では動いたことになりません。頭の位置に合わせて周囲の空間の方が引きずられてついてくるような動きになります。脳の予測と差異が生じるため仮想空間の現実度がどうしても弱くなってしまいます。

落ち着いた場所でじっくり楽しむハイエンド VR と、どこでも手軽に体験できるモバイル VR とのプレイスタイルの違いと言えるかもしれません。

ただしコンテンツの作り方次第ではあるのですが、回転だけの 3DoF では酔いやすいコンテンツに注意が必要かもしれません。自分では VR 空間内で動くことができないので、Teleport や一般の 3D ゲームのような何らかの移動操作が必要になります。この移動操作によるカメラの動きは特に酔いの原因になりがちです。他に全く酔わない VR の手法としてルームスケールがあるのですが、ルームスケールの実現には位置判定 (6DoF) への対応が必要となります。

現在体験できる VR デバイスをいくつかのグループに分けてみました。上に行くほど高性能で、仮想空間の現実感が増します。下に行くほど仮想空間の嘘がばれやすくなります。

◎ ハイエンド VR (6DoF + 6DoF)

・PC の Desktop GPU によるレンダリング
・6DoF の移動ができるヘッドセット
・6DoF の移動ができるモーションコントローラ 2個以上
・ルームスケール対応
・PC が必要でケーブルがじゃま

頭を動かしても違和感がありません。手の位置が仮想空間内でも正確に反映されます。VR 酔いしないで歩き回れるルームスケールを実現することができます。外部センサーなどの設置が必要になることがあります。同じ括りにしていますがプラットフォーム毎に性能差がそれなりにあります。

Device RoomScale Motion Controller
HTC Vive 3個以上利用可能
Oculus Rift 2個
Windows MR 2個 範囲制限あり
PSVR 2個 範囲制限あり

◎ モバイル VR (3DoF + 3DoF)

・Mobile 向け GPU によるレンダリング
・3DoF の回転のみのヘッドセット
・3DoF の回転のみのモーションコントローラ 1個
・ケーブルが無く取り回ししやすい

PC 不要でコードがなく、気軽に楽しめるのが特徴です。コントローラの制限は変わりませんが、HMD だけ 6DoF になった Mirage Solo や Vive Focus も登場しています。

HMD Motion Controller
HTC Focus 6DoF 3DoF 1個
Mirage Solo 6DoF 3DoF 1個
Oculus Go 3DoF 3DoF 1個
GearVR 3DoF 3DoF 1個
Daydream 3DoF 3DoF 1個

◎ 簡易 VR (3DoF)

CardBoard のように一般のスマートフォンをそのまま利用するものがあります。専用ハードではないので視界の端が歪んでいたり描画遅延が大きかったりします。360度ビューアに近いと言えるかもしれません。

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Oculus Go と VR デバイスの種類