Windows7 beta の PC でリモートデスクトップを使ってみました。
接続時に、リモートデスクトップの オプション → エクスペリエンス から
パフォーマンスのオプション画面でとりあえず全部チェックを入れておきます。
これで普通に Aero Glass が出ています。
↑LOOX U50 (Win7βクライアント) から EeePC901(Win7β) に接続
リモートデスクトップを使うためには、あらかじめホスト側の設定が必要です。
コントロールパネル → システム → リモートの設定 →
リモートデスクトップを実行しているコンピュータからの接続を許可するを選ぶ
Vista が相手だと Aero Glass になりません。
Aero Glass
○ Win7β Client → Win7β Server
× Win7β Client → VistaSP1 Server
× VistaSP1 Client → Win7β Server
どの PC もローカルで Aero Glass が動くだけのスペックがあります。
(LooxU50 は Atom ではなく A110 の古いタイプです)
Aero Glass が出るなら Direct3D はどうだろう、ということで試しました。
あっさり動きました。
↑LOOX U50 (Win7βクライアント) から EeePC901(Win7β) に接続
ところが Vista でも動きました。
↑LOOX U50 (Win7βクライアント) から Desktop PC (VistaSP1) に接続
Aero は出ていませんが D3D アプリは動いています。
自分が知らなかっただけで Vista ですでに対応していたのかもしれません。
動作するアプリケーションはサーバー(ホスト)側の GPU に依存しています。
下記の通り認識されているデバイスが異なります。
HAL(sw vp): RDPDD Chained DD (チップセット内蔵 GMA950 EeePC901 Win7)
HARDWARE: RDPDD Chained DD (GeForce GTX260 Desktop Vista)
サーバーが EeePC の場合 GeometryShader を使った D3D10 アプリは動きませんが、
GTX260 の Vista では動きます。よってサーバー側の GPU でレンダリングした結果の
画像を RDP で転送しているのだと考えられます。
もともと Vista 同士でも D3D アプリが動作していたのかもしれません。
Windows7 ではさらに、Direct3D のコマンドレベルのリモート描画に対応しているようです。
以前 masafumi さんのところで紹介されていた DXGI 1.1 beta のドキュメントによると、
Windows7 の DXGI1.1 だと RDP7 によって Remote PC の Adapter を取得できるとのこと。
詳しいドキュメント(White Paper)がこちらにありました。
・Microsoft Developer White Papers: PDC08
より一番下の 「Direct3D 10.1 Command Remoting 」
Command Remoting の違いは下記の通り
・Vista
サーバーの GPU でレンダリングした結果を bitmap でクライアントに転送。
・Windows7 DXGI1.1 対応アプリ
描画コマンドを送ってアプリではクライアント側でレンダリングできる
ただし既存の(未対応) Direct3D10.1 アプリはビットマップ転送
よって最初に紹介したキャプチャなど、現在描画されている Direct3D の画面はただの Vista の機能でした。
Command Remoting を使うには対応したアプリケーションを作成し、Windows7 上で
走らせる必要があります。
Full Screen Mode が使えないなど若干制限があり、また実際は通信帯域を考慮した
描画コマンドの最適化が必要となるようです。
コマンドレベルの転送+クライアントレンダリングによって帯域を減らせるので、
リモートで走らせているアプリケーションでも描画レスポンスが向上すると思われます。
また未対応だったり不要なものは従来通り bitmap 転送なので、サーバーとクライアントで
レンダリング処理を分散させるなど応用できるかもしれません。
残念ながら 10.1 なので D3D11 アプリは当分未対応だと思われます。
WARP といい、とりあえず Windows の描画に必要な 10.1 が 1つの目標になっているようです。