浮動小数点演算も全体的にパフォーマンスが上がっています。
CPU core が Cortex-A9 でないことは間違いありません。
特に NEON は 4並列 (128bit) になっており、Cortex-A8/A9 の 2倍、
Qualcomm の Snapdragon 系 CPU core である Scorpion/Krait に
匹敵する速度が出ているようです。
特筆すべきは NEON 命令の out-of-order で、順番依存による
速度低下がほぼ発生していないように見えます。
この点は Scorpion より有利で、同じ 128bit 演算でも大きく差がつくと
思われます。
ただし Qualcomm の新 CPU core 、Krait でも同等の性能が出ている
可能性があります。残念ながらまだ Krait を手に入れておらず
評価できていません。
VFP も全体的に高速ですが、VFP だけ積和命令が苦手なようです。
fmacs は fmuls/fadds の 2倍かかっており、2命令に展開されるか
レイテンシが大きいのだと思われます。この命令は A9/Scorpion より
わずかに遅くなっています。
NEON の場合は特に差がなく、vmul/vadd も積和命令 vmla も全く同じ速度で
走っており高速です。そのためピーク FLOPS には影響ありません。
全体的に速度が出やすい CPU です。
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