iPhone 5s が発売されて OpenGL ES 3.0 対応端末が増えました。
OpenGL ES 3.0 に対応している入手可能な端末としては 3 種類目の GPU になります。
・Nexus 10 ( Android 4.3 + Mali-T604 )
・Nexus 7(2013)/Nexus 4 ( Android 4.3 + Adreno 320 )
・iPhone 5s ( iOS 7 + Apple A7 GPU )
Nexus 10 用に作成していた OpenGL ES 3.0 の描画コードも
iPhone 5s であっさりと動作しました。
やはり Adreno 320 にはまだ少々問題があるように思います。
● sRGB
OpenGL ES 3.0 を利用できるのは Apple A7 を搭載した iPhone 5s だけですが、
iOS 7.0 に更新することで従来の端末でも機能拡張が行われているようです。
その一つが前回の記事で触れている sRGB 対応です。
iPhone 5s の OpenGL ES 3.0 で sRGB を扱えるのは当然ですが、
iPad 4 や iPhone 5 など PowerVR SGX554MP/543MP でも extension で
同等の相互変換がサポートされました。(下記ページも更新)
・OpenGL ES Extension (Mobile GPU)
例えば PVRTC でも GL_EXT_pvrtc_sRGB によって sRGB からリニアへの変換が
行われるようになっています。
・GL_COMPRESSED_SRGB_PVRTC_2BPPV1_EXT
・GL_COMPRESSED_SRGB_PVRTC_4BPPV1_EXT
・GL_COMPRESSED_SRGB_ALPHA_PVRTC_2BPPV1_EXT
・GL_COMPRESSED_SRGB_ALPHA_PVRTC_4BPPV1_EXT
前回の表↓を更新しました。
OpenGL ES 3.0 での sRGB 対応 ----------------------------------------- ETC1 あり(ETC2) ETC2 あり PVRTC (v1) あり (PowerVR のみ) PVRTC2 (v2) あり (PowerVR のみ) ATITC 無し (Adreno のみ) ASTC あり S3TC(DXT1) あり
iOS が対応しているフォーマットは PVRTC (v1) だけで PVRTC2 (v2) は
含まれていないようです。
またフレームバッファに対するリニアからの変換 (GL_EXT_sRGB) も
サポートしています。
iOS はもともと Renderbuffer を直接作っていたので、EGL/WGL のような
機能選択が不要です。
さらに GLK (GLKit) なら 1行変えるだけで対応できてしまい、
Android での苦労が嘘のように簡単でした。
PowerVR SGX535 (iPhone4) は未確認ですが、SGX543MP/554MP では
iOS 7.0 で Apple A7 GPU と同じように動作していることを確認しています。
●テクスチャフォーマット
iOS でも OpenGL ES 3.0 では Android 同様 ETC2/EAC が利用できるように
なっています。
Android など他の環境と互換性を保ちやすくなりました。
ETC1 ETC2/EAC DXT(S3TC) PVRTC(v1) ATITC ---------------------------------------------------------------------- iOS PowerVR ES 2.0 -- -- -- ◎ -- iOS PowerVR? ES 3.0 ◎ ◎ -- ◎ -- Android PowerVR ES 2.0 ◎ -- -- ◎ -- Android Tegra2/3/4 ES 2.0 ◎ -- ◎ -- -- Android Adreno200 ES 2.0 ◎ -- -- -- ◎ Android Adreno300 ES 3.0 ◎ ◎ -- -- ◎ Android Mali400 ES 2.0 ◎ -- -- -- -- Android Mali600 ES 3.0 ◎ ◎ -- -- --
Android のすべての端末と iOS ES 3.0 以降は ETC1 の読み出しができます。
Android/iOS 区別なく OpenGL ES 3.0 デバイスでは、
いまのところすべて ETC2/EAC を使うことが出来ます。
関連エントリ
・OpenGL と sRGB