日別アーカイブ: 2006年11月6日

今頃 C# と C++/CLI 使い始めました

C# は C言語系の新しい言語の一種です。C# を使ってアプリを作るのは簡単だし
便利だよとよく話を聞くのですが、この場合 .NET Framework まで含まれるので
少々混乱します。

まず .NET Framework というのは Windows の新しい API セット&ライブラリの
ことです。ツールキットであってクラスライブラリです。OS のさまざまなサービス
を提供しつつ、ユーザーインターフェースやらなにやら便利な機能をたくさん
取り揃えています。

.NET Framework を利用できるのは、MSIL と呼ばれる仮想コンピュータ用の
プログラムだけです。直接ネイティブな x86 等のバイトコードではありません。
これは .NET Framework に含まれる CLR と呼ばれるランタイムが、プログラムの
実行直前にネイティブなコードに変換します。

つまり、JIT コンパイラによって MSIL から x86 へのコンパイルが行われてから
プログラムが走るので、実行時はネイティブコードとしてのパフォーマンスが期待
できます。

このように面倒なのですが

・プログラムは仮想マシンのバイトコードなので完全に管理下に置くことができる。
 不正なコードやバグを除外できる。セキュリティ強化。

・仮想コードなのでプラットフォーム依存を無くすことができる。

等のメリットが考えられます。

仮想マシンや JIT コンパイラなど、動作の流れも特徴もほとんど Java と同じです。

ただし Java は完全に言語仕様と動作環境やクラスライブラリが一体化しているの
に対して、.NET Framework はオープンです。仮想マシンのバイトコード MSIL レベル
で仕様が統一されているので、そこから上のプログラミング言語は特に限定されて
いません。この仕様が CLI になります。

プログラミング言語としての「Java 言語」に相当するのが C# です。C/C++ 言語
における、バグの原因となりやすい部分を言語仕様として改良&拡張しています。

そのため C# による開発を語る場合は、言語としての便利さと、.NET Framework
における管理された安全性やライブラリの使いやすさとしての便利さと、開発環境
として整っているツールの便利さが含まれているようです。

今後 Vista にあわせて .NET Framework 3.0 としてさらに幅広いサービスが提供
されるらしく、ワークフローにまで及んでくるそうです。今後はネイティブコードが
消滅して Windows 自体、アプリケーションも全部 MSIL で動くようになるので
しょうか。
(続く)