月別アーカイブ: 2006年12月

てくてくエンジェル DS日記 まじめレビュー

「てくてくエンジェル Pocket with DSてくてく日記」を買いました。
歩数計つき育てゲーム「てくてくエンジェル」にDSソフトがセットになった
健康管理&ダイエットソフトです。
万歩計マニア(?)としてこれは避けて通れません。
今回はあえてまじめに高機能歩数計としてレビューしてみたいと思います。
ハドソン 育成散歩計てくてくエンジェル with DSてくてく日記

「てくてくエンジェル Pocket with DSてくてく日記」は、
育て系ゲームの歩数計部分と DS 用のソフトがセットになっています。
DSのソフトとはいえ DS側にゲーム要素はなく、日々の記録のグラフ表示が中心です。
体重や体脂肪率の記録、1日に食べたカロリー量計算機能もあって、
ダイエットを意識したまじめな管理ソフトになっています。
残念ながら歩数計との連動は WiFi でも通信ケーブルでもなく、
ひらがな12文字の じゅもん を自分で入力するパスワード式です。

ちなみに最近の歩数計は加速度センサーを使った高機能タイプが人気です。
オムロンヘルスカウンタ Walking style HJ-710IT 37g (オープン価格 5170円?)
オムロンヘルスカウンタ Walking style HJ-113 32g (オープン価格 3070円?)
タニタ 3Dセンサー搭載 FB-722 27g 4725円
タニタ 3Dセンサー搭載 FB-721 25g 4725円
タニタ 3Dセンサー搭載 FB-720 25g 4200円
シチズン TW500 40g (オープン価格 2480円?)

加速度センサーは2~3軸のものが使われており、ポケットやかばんの中でも
計測できます。いちいち腰につける必要がありません。
またかばんやポケットに入れておくだけで1日にどれくらいあるいたか
1~2週間分勝手に記録してくれます。カウンタリセットは自動です。

ほぼ共通機能
◎加速度センサーでかばんやポケットでも計測OK
◎1日単位でカウンタを自動リセット。1~2週間分の歩数を記録できる。
◎消費カロリー表示機能あり。
◎時計、距離表示あり
HJ-710IT は USBを使ったPC連動可能

Nike + iPod を買うまでは、オムロンの HJ-113 を毎日身に付けていました。

てくてくエンジェル Pocket も、ちゃんと 2軸の加速度センサータイプに
なっておりポケットやかばんの中で計測 OK です。
遅延カウント機能もついているので、歩行でない不定期な振動は除外してくれます。

大きさはオムロン HJ-113 より きもち 大き目ですが、厚みも重さも一緒で
ほとんど変わりません。重さは実測電池込みで 31g でした。

大きさ比較 左 てくてくエンジェルPocket、右オムロンHJ-113

厚み 左HJ-113、真ん中 てくてく

ちなみに右にあるのはパナソニックRF-G900(歩数計つき通勤ラジオ) PDF

以下、てくてくエンジェルPocket単体をただの歩数計と見た場合の機能比較です。

●計測単位
・オムロンHJ-113 は夜中の12時でカウンタリセット&計測が切り替わるので、
 いつも終電で12時過ぎに帰宅する人や夜歩く人はちょっと不便でした。
 なので私は時計を 2時間遅らせて設定していました。

・てくてくエンジェルPocket には「夜型モード」があって、計測範囲を12時間
 シフトすることができます。この場合昼の12時にリセットされます。
 ただし通勤が午前中で深夜帰る時に歩く場合は別カウントされてしまい
 いまいちしっくりきません。6時間くらいのシフトの方がいい気がします。
 また夜型モードにすると記録は次の日分に計上されるので違和感があります。
 深夜歩いた分は前日扱いにして欲しいところです。

●履歴
・オム113 は時計はあるけどカレンダーはありません。1週間分の記録は
 「何日前」という表示なので少々わかりにくいです。
 記録は「歩数、しっかり歩数、しっかり時間、カロリー、脂肪燃焼量、距離」

・てくてくPocket はカレンダー機能があって最大120日分の記録を保持してくれる
 ようです。「何月何日」の記録なのか表示されて非常にわかりやすいです。
 記録は「歩数、カロリー、距離」

●別計測機能
・オム113 は1日単位で歩数を自動記録してリセットしてくれますが、その代わり
 手動リセットがありません。例えば駅から家までなど、距離の目安を測りたくても
 そういう用途には向きませんでした。

・てくてくPocket は別計測できる「おさんぽモード」があります。
 (B)ボタンの長押しで開始やリセットできて、通常の1日単位計測と併用できます。
 旅行期間中の歩数など複数日にわたる累計の計測や、目的地までの距離の計測用
 等に使えるでしょう。

●スリープモード
・オム113 は自動記録のみで、電車など乗り物の揺れも一定リズムで続けば
 カウントする可能性があります。

・てくてくPocket はスリープモードがあり、乗り物に乗る場合など計測結果を
 カウントしないように一時的に止めることができます。

●時計&表示
・オム113 は数字も大きくコントラストが高くて見やすい液晶です。
 時刻と歩数が常に表示されていて何かと便利です。

・てくてくPocket は時計モードにすると「月日、時分秒」を一度に確認できます。
 月日と秒があるのがなかなか良いです。ただし液晶はドットマトリクスで
 コントラストも低く、見易さではオムロンに負けます。
 また一定時間たつとバッテリーセーフのために表示が消えるので、時刻確認には
 数ステップの操作が必要です。

●オムロンHJ-113のみの機能や良い点
・10分以上連続して歩いた場合だけ計測する「しっかり歩数」機能がある
・液晶が常にONで視認性が良い
・脂肪燃焼量(g)表示機能あり
・不要な機能が無くシンプルでわかりやすい

●てくてくPocketのみの機能や良い点
・日付表記の長期間履歴 (最大120日)
・別計測できる「おさんぽモード」
・スリープ指定で計測を一時的に止めることができる
・1日の歩数ノルマを設定できる、ノルマ達成かどうかを毎日判定し、
 達成日数が記録される。
・アラーム機能付 (2つ)
・「じぇる」や「さぼてん」の育成とメッセージ表示
・おまけのスロットゲーム
・パスワードによる DSソフトとの連動
・動作確認音あり(音量調節あり)

基本的な歩数計としてみても意外に高機能で、DSソフトの単なるおまけでは
ないことがわかります。特に月日表示の長期履歴&別計測機能&アラームは、
他の機種には無い特徴になっています。

値段は比較的高め(5229円)ですが、歩数計+DS用の管理ソフトがついてくることを
考えるとこんなものなのでしょう。

それに比べると DS側の管理ソフトは機能的にシンプルです。
任天堂の脳トレ系ソフトと比較すると作りこみの荒さが結構目立ちます。

●DS側でできること

・日記形式で毎日の記録を入力できる。歩数以外は自分で入力します。
  歩数 (てくてくPocketからのパスワードによる連動可能)
  体脂肪率
  体重
  カロリー (朝、昼、夕、その他 の4種類)

・記録のグラフ化表示

・履歴の確認

・カロリー計算機能
  分類された食品リストから選択してカロリー計算してくれる

・体重と身長による BMI 判定

・選択したマップ上を仮想的に歩くモード

・ダイエットに関する豆知識
など

食品をリストから選んで食べたカロリー量を計算してくれるのは便利です。
ただ一覧がアイコン表示のみで名前がリストに出ないので選択に結構困ります。
また数値の直接入力がなぜかできません。
結局近い数字の食品を適当に探して、代わりに入れたりしてます。

食品リストに自分でデータを追加できるのは非常に良いです。
よく食べるもののカロリー量を設定しておけば選択が簡単になります。
しかも最大500件まで登録可能!

なのに、選べるアイコンが内蔵の物を流用しなければならず、
一覧にはアイコンしか出てこないのでどれが登録したデータなのかさっぱり
区別つきません。

この手の歩数計とか健康管理ソフトはいつか自分で作りたいです。
ぜひ作らせてください。

ちなみに連動はパスワード式なので、パスワードさえ解析すれば他のソフトでも
使えそうです。というか携帯電話版とかすぐにでも出てきそうですね。

あれ?よく考えたらパスワードのひらがな12文字を打つよりも、
歩数や日付を直接数字で入れた方がずっと楽ですね。

GeForce8800用ドライバ 続

88用ドライバが徐々に増えています。
今日は UNIX 用ドライバが追加されました。
Linux x86/x64 /Solaris/FreeBSD
http://www.nvidia.com/content/drivers/drivers.asp

Vista はまだ
毎日チェック中

PS3 Linux を仕事に使ってみる

会社で PS3 Linux を LAN につないでどこまで使えるか試してみます。
ただ自分はもともと UNIX あがりで、Windows でも普段から UNIX 系エディタ(Vim)
やコマンドシェルを使っているのであまり一般的ではないかもしれません。

●一般

・ネット系
 Xbox360 だと社内の LAN につないでも Live にアクセスできませんでしたが、
 PS3 では普通に使えています。環境依存だとは思いますが、本体のブラウザも
 Linux からのアクセスも一般の PC と全く同じように使うことができました。

・ブラウザ、共有ツール
 Fedora Core 5 を install すると Firefox が入るので、ブラウザベースの
 グループウエアやツールはあたりまえだけど問題無しです。
 社内の Wiki とか mantis とか、普段と変わらず PS3 から書き込みです。

・excel
 社内のさまざまな書類等は excel でやり取りされることがあります。
 Fedora Core5 に入っていた Spreadsheet で開けました。
 でも最初に起動するまで結構またされます。
 全体的にアプリケーションのロードが遅いようです。

・エディタ
 とりあえず vim/gvim は普段 Windows でも使っているのでそのまんまです。
 svn でチェックアウトしてコード編集してなどなど、テキスト系の作業は
 それほど重くもなく扱えます。漢字コードの扱いさえ注意すれば日本語も大丈夫。

・ファイル共有
 Windows の共有サーバー(Samba)にアクセスできました。explorer のように
 デスクトップから区別無く使えています。

多数ウィンドウを開くと、他のアプリ呼び出しや切り替えで結構重いですが
さまざまなデスクトップアプリケーションが最初からそろっていて
意外に十分な感じです。

●市販アプリ

・Maya8
 市販アプリの Linux 版が動くかどうか、だめもとで探してみました。
 Maya8 は Linux 用も rpm で用意されているのですが、やっぱり intel 系のみで
 PPC 版はありませんでした。

●その他カスタマイズとか

・メッセンジャー
 仕事と関係ないけど個人環境のセットアップということで。最初から入ってる
 gaim 使って、PS3 から MSN Messenger につないでます。

さすがに無茶してるのでアプリケーションを複数開くと切り替えが重いのだけど、
メール書いたりドキュメント作ったり資料を見たりコードを書いたりと、
普段仕事でやってることが PS3 でも割と何とかなってしまうのが不思議な感じです。
デスクトップ系アプリを複数起動すると重いですが。

PS3 Linux の画面を広く使う

現在 PC 用のモニタに VGA でつないで 720p で使用しています。
(つなぐまでのあれこれ http://ch09144.kitaguni.tv/e326105.html)
(画面写真 http://ch09144.kitaguni.tv/e326652.html)
でも、なんか解像度の割りに画面が狭いなあと思っていました。
ウィンドウを立ち上げて

 デスクトップ → 設定 → 画面の解像度

をみるとなんと「1124×644」になっています。

もしかしたら TV に合わせてオーバースキャンを考慮して
有効画素数を減らしているのかもしれません。

ps3videomode コマンドのヘルプを良く見ると full screen mode なるものがあります。

X を落としてから試してみました。

 $ ps3videomode -f -v 3

この状態で startx すると、以前よりずっと広い画面になりました。
解像度を調べると 1280×720 で、今度はきちんと 720p です。
面積で 1.27倍、体感ではかなり広さの差を感じます。

起動時から fullscreen 指定するには /etc/kboot.conf を書き換える必要が
あります。

前回の記事(PS3 Linux で最初に行う設定 http://ch09144.kitaguni.tv/e327238.html)
では次のように数値指定しました。

linux=”/boot/vmlinux-2.6.16 initrd=/boot/initrd.img video=ps3fb:mode:3″

1=480i
2=480p
3=720p
4=1080i
5=1080p

ps3videomode のヘルプによると、-f 指定だけでなくモードの数値に +128
しても fullscreen 指定になるようです。
mode 3 + 128 = 131 ということで、モード番号を 131 に書き換えます。

linux=”/boot/vmlinux-2.6.16 initrd=/boot/initrd.img video=ps3fb:mode:131″

これで起動時から 720p の fullscreen 画面になりました。

PS3 の Cell 開発環境を入れてみる

PS3 をクライアントとしても使えて、
サーバーとしてもアクセスできるようになりました。
次は PS3 ならではの使い方として Cell の開発環境を install してみます。

インストール手順同様、こちらのページを参考にさせていただきました
http://cell.fixstars.com/ps3linux/index.php

従来のゲーム機は単なるターゲットとみなしてクロス開発するのが普通でしたが、
PS3 は HDD 搭載で Linux の動く PC として使えるため、自分自身でアプリ
開発を行うことができます。

(1) SPU 用コンパイラ

せっかくなので出たばかりの新しいバージョン CellSDK 2.0 を入れてみました。

http://www.bsc.es/plantillaH.php?cat_id=252

ここから PowerPC で動く SPU 向けの各種ツールをダウンロードします。
表のうち PowerPC の方の SPU と書かれている一式です。

●3.3-72
GNU Binutils
GNU GCC Compiler
GNU GCC C++ Compiler
GNU GDB
GNU newlib C library
GNU Toolchain debuginfo

ダウンロードした *.rpm を PS3 Linux に転送してインストールします。
パッケージのインストールなので、ファイルはどこにおいても構いません。

# rpm -i spu-binutils-3.3-72.ppc.rpm
# rpm -i spu-gcc-3.3-72.ppc.rpm
# rpm -i spu-gcc-c++-3.3-72.ppc.rpm
# rpm -i spu-gdb-3.3-72.ppc.rpm
# rpm -i spu-newlib-3.3-72.ppc.rpm
# rpm -i spu-toolchain-debuginfo-3.3-72.ppc.rpm

インストールは上記の順番で行います。

(2) SPU を使うためのライブラリ

PS3 に Linux を入れるまでの手順
http://ch09144.kitaguni.tv/e327222.html
で作った ADDON CD の Q:\spu の中にある次のファイルを PS3 Linux に
転送します。

libspe2-2.0.1-be0647.3.20061130.1.ps3pf.ppc.rpm
libspe2-2.0.1-be0647.3.20061130.1.ps3pf.ppc64.rpm
libspe2-devel-2.0.1-be0647.3.20061130.1.ps3pf.ppc.rpm
libspe2-devel-2.0.1-be0647.3.20061130.1.ps3pf.ppc64.rpm
elfspe2-2.0.1-be0647.3.20061130.1.ps3pf.ppc.rpm

これらも順番に rpm -i で install します。

(3) Hello World

http://cell.fixstars.com/ps3linux/index.php/PS3%E3%81%A7Hello%2C_World%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
こちらから Hw-samples-all.tar.gz をダウンロードします。

PS3 Linux に転送してアーカイブを展開します。下記の操作は home に転送したと
仮定しています。

 $ cd
 $ mkdir src
 $ cd src
 $ tar -zxvf ../Hw-samples-all.tar.gz
 $ cd hw-samples-all
 $ make

libspe1 を install していないのでエラーが出ますが無視します。

 $ cd spe
 $ ./spe-main
[SPE] Hello, World!

SPEでコンパイルしたプログラムが動きました。

(4) SPE 用の C/C++ 言語拡張について

SPU_language_extensions_v21_j.pdf

こちらからダウンロードできます。
http://cell.scei.co.jp/

これをみると vector 型が拡張されているのがわかります。
例えば float 4 要素の 128bit 変数は

vector float v1;

のように宣言できます。
残念ながら、HLSL のように自由自在に各ベクトル要素にアクセスできるわけでは
無いようです。(例えば v1.x 等は使えない)

vector 系の演算には組み込みの intrinsics 命令を使うようです。
あとでもう少し詳しくしらべてみます。