日別アーカイブ: 2007年9月9日

Gamefest Japan 2007 (1) Direct3D 10 と Meltdown

Microsoft の Gamefest Japan 2007 に参加してきました。
Direct3D 10 に直接関連するセッションは 2つ。

2007/09/06
1. Windows Vista グラフィックス 開発の手ほどき: Direct3D 10 and 10.1
2. Windows to Reality : D3D10 グラフィックスのゲームへの投入

DirectX のイベントといえば Meltdown です。
ここしばらくの間、Meltdown は単独開催ではなく CEDEC 協賛
セッションとして行われてきた印象があります。
調べてみました。
実際に Meltdown という名前で CEDEC の中で行われたのは
2回だけだったようです。

●Meltdown Tokyo 1997
●Meltdown Tokyo 98 SUMMER
●Meltdown Tokyo 1999
●Meltdown Tokyo 2000
●Meltdown Tokyo 2001
●CEDEC 2002 DirectX Day
 http://www.microsoft.com/japan/msdn/directx/techarts_dx8.aspx
●Meltdown in CEDEC 2003
 http://www.microsoft.com/japan/msdn/directx/meltdown2003/default.aspx
●CEDEC Meltdown 2004
●Micrtosoft Game Developers Day CEDEC 2005
●2006 無し

Meltdown の初期のころは互換性テストが目的で、developer
は各社の新しいビデオカードにいち早く触れる良い機会でも
ありました。
初参加はたぶん 1997 頃だと思います。Mystique や
PERMEDIA2 など、DirectX にあわせた 2世代目 GPU が揃って
登場してきたあたりです。

開発中でまだドライバが不安定なものもありましたが、
それまで使ってきたビデオカードと比べると、どれも非常に
パフォーマンスがあがっています。
そして Direct3D との相性もよくなり、対応機能が増えている
ことに素直に感動してました。
が、それも最後のブースを見るまでのこと。

たまたま最後にスケジューリングしていたのは、当時はまだ
無名だった NVIDIA です。横倒しで机の上にむき出しのまま
組まれた PC に不安を覚えながら、プロトタイプの RIVA128 で
手持ちのプログラムを起動してびっくり。
口からでた感想は一言 「今までで一番速い」。

CEDEC と一緒になってからは、互換性よりも新しい概念である
shader をどう活用するのか、という点にフォーカスが変わります。
ちょうど shader によってリアルタイムCG は非常にホットな
時代を迎えています。
必然的に現行または将来可能となる技術的な内容が多く、
トレンドを反映した高度な shader 論と、急激に変化する
API や GPU 機能の解説が多くなります。
密度の高い内容となりました。

多少落ち着いてきた 2004 年あたりからは、また若干方向に
変化が見られます。急に高度化した内容に対するより戻しか、
開発者向けの救済路線が徐々に登場してきます。
XNA というキーワードが出たものの一体それは何なのか、
ミドルウエアなのか、リソースマネージャなのか、
グループウエアなのか。
「開発コストを下げるため」の1点以外良くわからない混乱の
時期でもありました。

XNA の路線が固まってからは現状のとおりです。
Gamefest Japan 2007 もこの流れを反映しており、おそらく
開催の中心は XNA にあったものと思われます。

最初にあげた Direct3D 10 の 2つのセッションに関しては、
未経験者に対する API や違いの紹介、Direct3D 9 から
移行する方への変化の説明、乗り換え時の注意点等といった、
ポイントを絞った最小限のものとなっていました。
表現など shader 技術的な話ではなく、まずは API の乗換えが
最重要課題なのかもしれません。

内容については次回でもう少し詳しく書いてみます。