月別アーカイブ: 2012年10月

iPhone 5 / iPod touch 5 の GPU 速度

追加しました。

Mobile GPU bench mark

OS も開発ツールも画面サイズもバラバラで厳密ではありませんが
いろいろと傾向は見えます。

iPhone 5 は iPad3 に匹敵する速度が出ており解像度の分だけ高速です。

iPod touch 5 は iPhone 5 と比べると半分くらいに落ちますが、
前世代 iPod touch 4 からは 5倍程度の性能が出ていることがわかります。

なおテスト内容は一応ゲームを想定した描画となっています。
ただし完全に FragmentShader (PielShader) 側で演算をこなしており、
非常にピクセル負荷が高くなっています。

一見フレームレートなどパフォーマンス的に低いように見えるかも
しれませんが、実際のゲームではもっと最適化をかけられるため
十分なパフォーマンスを出すことができます。
多くの処理は頂点や CPU 側に移動できますし、
総合的に見ても今のハイエンドスマートフォンの性能は
ゲーム専用機を大きく超えているといえます。

iPhone 5 と画面サイズ

本当に画面が広くなった、
というのが iPhone 5 をしばらく使った印象です。
アプリ側の対応が必要ですが、表示できる情報が増えています。

今までも解像度が 480×320 から 960×640 に上がったり、
Android でも機種変で 4.3inch が 4.7inch になって
ピクセル数は 960×540 から 1280×720 へと増えたりしてきました。
でも表示内容はほぼ変わっていません。

今度の iPhone 5 は画面のインチ数こそ増えたものの、
ピクセルの密度(dpi)も表示される文字やボタンの大きさも同一です。
PC のモニタのように、解像度(ピクセル数)の分だけ表示できる範囲が
広くなっています。

画面サイズといっても複数の意味を含んでいることがあります。

(1) 大きさ
(2) 広さ
(3) 密度

(1) 大きさは TV の 42 inch とか 50 inch の違いに相当します。
ピクセル数は上限 Full HD 1920×1080 で変わらず、
表示される内容も同一ですがディスプレイの大きさが違います。
1ピクセルの大きさは相対的に大きくなります。

(2) 広さは PC のモニタに例えることができます。
WXGA 1280×800 よりも WUXGA 1920×1200 の方が表示領域が広く、
より多くの情報や文字を表示できる余裕があります。
パソコンでは基準となる dpi がある程度決まっているため、
厳密ではありませんがインチ数が増えるほどピクセル数が増える傾向があります。

(3) 密度はプリンタの dpi やデジカメの画素数としてイメージできます。
ピクセルの密度が高い方が細部までくっきりと表現できて綺麗ですが
撮影範囲やプリント対象の用紙サイズは変わりません。

iPad や iPhone の Retina 化は、大きさと広さが同一で
密度だけ向上したことになります。

Android は大きさや密度がバラバラですが、
スマートフォンであれば同一の操作感で使えるようになっています。
同じカテゴリでは広さがほぼ一定となり、若干調整が入るものの
アプリの互換性が保たれています。

iPhone 5 の 4-inch (1136×640) 化はこれまでと違い、
大きさと密度が一定のまま画面が広くなりました。

大きさと密度の変更は互換性が取りやすいですが、
フルスクリーン前提のスマートフォンでは広さの変更は容易ではありません。
対応、未対応の線引が生じてしまうものの、この広さは魅力的だと感じました。

iPhone 5 / A6 の CPU 速度 その 3

下記の CPU ベンチに Apple A6 の結果を追加しました。

CPU benchmark

以下抜粋

              SoC/CPU core          実行時間  実行速度   1GHz時
----------------------------------------------------------------
iPhone 5      A6  ?                    1.87 (57.96 MB/s)  44.58?
iPad 3        A5X Cortex-A9 1.0GHz     4.60 (23.55 MB/s)  23.55
iPod touch 4  A4  Cortex-A8 800MHz     6.07 (17.85 MB/s)  17.92

実行時間が小さい方が高速。(実行速度が大きい方が速い)

こちらでも A6 は非常に良い結果となっています。

リンク先の説明にもある通りテストはデータの暗号化を行なっており、
処理の大半がメモリアクセスやテーブル参照と XOR です。
浮動小数点演算は含みません。
single thread なので単一 core だけの速度となっています。

またコンパイラとの相性があり、全体的に iOS よりも Android の方が
高速に実行される傾向があります。
比較する場合はコンパイラの違いにも注意してください。

必ずしもこの結果だけで判断できませんが、A6 はリストにある ARM の中では
最も速く、x86 でもネットブック向け Atom では全く相手にならないようです。

関連エントリ
iPhone 5 / A6 の CPU 速度 その 2
iPhone 5 / A6 の浮動小数点演算