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February 2019 の記事

Snapdragon 835 (MSM8998) のデータを追加しました。コンパイル時間と VFP Benchmark の結果を載せています。ついでに Oculus Go でもコンパイル時間を調べてみました。(前回1) (前回2)

●コンパイル時間の比較 (Termux+clang)

Smartphone SoC RAM Thread Time 速度比
Pixel 3 Snapdragon 845 4GB 8/8 32 4.2x
Essential Phone Snapdragon 835 4GB 8/8 38 3.6x
Galaxy S6 Edge Exynos 7420 3GB 8/8 77 1.8x
ZenFone AR Snapdragon 821 8GB 4/4 111 1.2x
Nexus 5X Snapdragon 808 2GB 6/6 135 1.0x
Oculus Go Snapdragon 821 3GB 4/4 275 0.5x

・Time (秒) が小さい方が高速。


●浮動小数点演算能力ピーク値 (VFPBenchmark)

Smartphone SoC RAM Thread big/L GFLOPS
Pixel 3 Snapdragon 845 4GB 8/8 84/55 139.3
Essential Phone Snapdragon 835 4GB 8/8 75/59 134.5
Galaxy S6 Edge Exynos 7420 3GB 8/8 56/47 102.6
Nexus 5X Snapdragon 808 2GB 6/6 29/45 74.0
ZenFone AR Snapdragon 821 8GB 4/4 37/25 62.7

・GFLOPS が大きい方が高速。


演算ユニットの数が同じなので浮動小数点演算ピーク値はクロック数に比例した結果となっています。特に Total 値では 835 と 845 の差が少なくほぼ同じくらいの数値です。

それと比べるとコンパイル時間の方には若干差が付きました。CPU 自体も 2 命令 decode の Out-of-order から 3 命令 decode Out-of-order に増えていますので、Snapdragon 845 は big core のクロック差だけでなく IPC も向上しています。ベースとなった CPU core は ARM によると 20% 以上速いとのこと。UserLAnd + Termux を使っていても VNC 経由なのに十分満足できるもので、過去に使った Nexus 7 (2012) や Nexus 5 の Linux とは別物です。

Oculus Go で動く UserLAnd や Termux はどこでも大画面で作業場が作れるので魅力的なのですが、ビルドは残念ながら低速です。同じ Snapdragon 821 の Zenfone AR と比べても 2.5 倍時間がかかりました。使用したのは Oculus TV + Termux です。VR 空間の描画にパフォーマンスが取られているのだと思われます。VR 描画は両眼分必要で、また処理落ちは酔いにつながるため VR 描画が優先されます。


●スマートフォン以外のデバイスを含めたコンパイル時間の比較

他のデバイスとの比較表も更新しました。835 も十分速いです。ただし条件が一定ではないので参考程度にお願いします。特に Windows 10 PC は仮想環境を使っています。

Device SoC/CPU RAM Thread Time
Desktop W10+VMware Ryzen 7 1800X 16GB 16/8 24
Desktop W10+WSL Ryzen 7 1800X 32GB 16/8 26
Desktop W10+VMware Core i7-6700K 16GB 8/4 29
Pixel 3 Snapdragon 845 4GB 8/8 32
Desktop W10+VMware Core i7-4790K 8GB 8/4 35
Essential Phone Snapdragon 835 4GB 8/8 38
Desktop W10+VMware Core i7-4770 8GB 8/4 39
MacMini 2012 Core i7-3615QM 16GB 8/4 43
Galaxy S6 Edge Exynos 7420 3GB 8/8 77
Desktop Linux A10-7870K 8GB 4/2 82
Chromebook C101PA RK3399 4GB 6/6 87
MacBook Pro 2013 Core i5-3210M 8GB 4/2 97
Desktop Linux Celeron J1900 8GB 4/4 108
ZenFone AR Snapdragon 821 8GB 4/4 111
Nexus 5X Snapdragon 808 2GB 6/6 135
Tegra Note 7 Tegra 4 1GB 4/4 148
Note W10+WSL Atom x7-Z8700 4GB 4/4 200
Chromebook C720 Celeron 2955U 4GB 2/2 222
Nexus 9 Tegra K1 2GB 2/2 272
Nexus 7 2013 Snapdragon S4 Pro 2GB 4/4 275
Oculus Go Snapdragon 821 3GB 4/4 275
MeMO Pad 7 ME176C Atom Z3745 1GB 4/4 312

・Time (秒) が小さい方が高速。


関連ページ
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コンパイル時間の比較 BayTrail
Atom vs Core i7


root 無しで簡単に Linux を起動できる UserLAndXSDL (X11 Server) との連携に対応しました。SSH, VNC 同様メニューから選べるようになったので試してみました。スマートフォンは ZenFone AR (ZS571KL) Android 7.0 を使っています。

Google Play ストアから UserLAnd をインストール。起動すると Linux Distribution を選択できます。今回の手順は Debian を選択しています。

UserLAnd

Distribution を選択すると共有ストレージへのパーミッションを求めてきますが、これは /sdcard をマウントするため。

ユーザー名とパスワードの設定をします。

UserLAnd

新しく XSDL が選択できるようになっています。

UserLAnd

XServer XSDL をインストールしていない場合はここで Play Store に飛びます。先にインストールしておいた方が良いかもしれません。Bluetooth Keyboard と Bluetooth Mouse も先にペアリングしておくことをお勧めします。

インストールしたらもう一度 UserLAnd から Debian を選択。XSDL が起動し、一瞬切り替わったあと↓この画面で止まったように見えますがそのまま待ってください。

XSDL

暫く待つと起動が終わり、左上に小さいターミナルウィンドウが出ます。止まったように見えたのは背景画像が残ってしまっているため。

XSDL

xterm のウィンドウが小さいのは Native 解像度 (上の例は 2560x1440) で起動しているからです。


● XSDL の解像度変更方法

解像度の変更は XSDL 起動時の下記の画面で、カウントダウン中に画面をタップします。

null

↓選択画面になるので 1280x720 あたりを選択。

null

↓次にフォントスケールの選択。潰れて読めないけど X0.7~X0.4 あたりを選択。いろいろ試して見やすいように調整してください。

null

↓ウィンドウが大きくなりました。

null


● lxde を使う方法

UserLAnd から起動すると twm + xterm の最小限で立ち上がります。Desktop を使うには Script の書き換えが必要でした。

Desktop lxde の install 手順

一旦 SSH でログインしておきます。(Distribution 名長押し→ App Stop → App Info)

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
$ sudo apt install lxde

下記のファイルを編集します。

/support/startXSDLServer.sh

元の内容
#! /bin/bash

if [[ -z "${DISPLAY}" ]]; then
  DISPLAY=:4721
fi

if [[ -z "${PULSE_SERVER}" ]]; then
  PULSE_SERVER=localhost:4721
fi

if [[ -z "${INITIAL_USERNAME}" ]]; then
  INITIAL_USERNAME="user"
fi

until env DISPLAY=:4721 ; do sleep 1 ; done

nohup twm & echo $! > /tmp/xsdl.pidfile

while [ ! -f /tmp/xsdl.pidfile ]
do
  sleep 1
done

su $INITIAL_USERNAME -c 'xterm -geometry 80x24+0+0 -e /bin/bash --login &'

下記のように書き換える

#! /bin/bash

if [[ -z "${DISPLAY}" ]]; then
  DISPLAY=:4721
fi

if [[ -z "${PULSE_SERVER}" ]]; then
  PULSE_SERVER=localhost:4721
fi

if [[ -z "${INITIAL_USERNAME}" ]]; then
  INITIAL_USERNAME="user"
fi

until env DISPLAY=:4721 ; do sleep 1 ; done

# ここから下を改変
sleep 20

su $INITIAL_USERNAME -c 'startlxde &'
su $INITIAL_USERNAME -c 'xterm -geometry 80x24+0+0 -e /bin/bash --login &'

sleep の部分は適当に調節してください。これで XSDL に切り替えて起動すると、しばらく待ったあとに青い画面から下記のような desktop 画面になります。起動は気長に待ってください。

null

日本語化等の情報はこちらを参照してください。

Hyperでんち: UserLAnd


●いくつかの問題点

・XSDL が Android 9 で動かない。
・lxde 起動には script 書き換えが必要
・Android で物理キーボードのレイアウトに日本語配列を選択していると一部のキーが入力できない

Android 9 Pie では XSDL が restart を繰り返してしまい起動しないので、UserLAnd 上でも選択できないようになっています。


関連ページ
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