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ELECOM Bluetooth Keyboard TK-FBP013

小型ながらキー配列が素直で、Bluetooth Keyboard としては比較的安かったので
買ってみました。当初の動機はそれだけだったのですが、予想外に便利な機能を持った
キーボードでした。

ELECOM TK-FBP013
ELECOM TK-FB014

最大の特徴はのキーボード一つで複数の PC を同時に操作することができること。

複数の機器とペアリング状態を保持できる機器は他にもありますが、使えるのは基本的に
同時に一対一でした。ましてやキーボードの場合、つなぐ相手によっていちいちペアリング
し直さなければならないことがほとんどです。
複数の端末を使っていると USB ケーブルを抜き差しする方が簡単じゃないかとたまに
思うことがありました。

ところがこのキーボードはキー入力の相手をいつでも切り替えることが可能です。

操作も簡単でいつでも [Fn] + [1]~[9] のキーを押すだけ。
接続相手が 2台なら [Fn] + [Tab] で交互に切り替わります。

[1]~[9] の 9 台の PC を使い分けることが可能で、キーボード切替器を内蔵している
ようなものです。しかもワイヤレス。

あまり使わないサブマシンやゲーム機のキーボードを統合するのにぴったりです。

キーボード自体は SANWA SUPPLY の SKB-BT1 によく似ています。
LED の位置や裏面のスイッチの場所を見ても、ベースは同じではないかと思います。

キーボードの段にも左右のずれが無く、サイズが小さいけど割と自然にタイプできます。
まだ新品なせいもありますがタッチも良好な部類でしょう。

気になった点は間違って押しやすい位置に Num Lock があること。
気がついたらテンキーモードになっていたことが何度かありました。

逆にペアリングは表面の2キーを同時押ししたまま裏の小さいボタンをクリックします。
これが指で押せない構造なので最初は難易度高いです。

もう一つ残念な点は素早くタイプしているとキー抜けが結構あることです。
もしかしたら個体差か不良かもしれません。手持ちのキーボードだと特に [A] のキーが
入りにくいようです。
電波状況のせいなのか、シートスイッチの接触が悪いのか、またはキーの抜けが悪くて
ロールオーバーの制限に引っかかっているのかはわかりません。

常用は諦めたけど接続先の切り替えは便利なので、この機能を持ったまま確実に
タイプできる高級なキーボードが出てくれたら多分買っているでしょう。

Vuzix Wrap 310

Wrap 310 買ってみました。
ヘッドマウント型のディスプレイです。

Vuzix

2009年12月4日の発売直後に購入したものの、すぐに映像がうまく出ない状態に。
初期不良だったようで、直販で購入したおかげか手際よく交換してもらえました。
結局 12月半ばに使えるものが届きました。

Wrap 310 は一見サングラスに見える外観が特徴ですが、掛けた状態で外部が透けて
見えるわけではないようです。グラス部にはデバイス本体とモニタがあり、小さい窓から
映し出される映像をのぞき込みます。目との間隔は想像よりも大きく、隙間があるので
手元など周囲も結構よく見えます。逆に周囲からも目が見えていると思います。

この手のデバイスは以前から発売されていました。従来水平に配置されていたユニットを
そのまま 90度上に回転させた構造になっているようです。薄くしてめがね形状の中に
納めるためでしょう。
そのせいでユニットの最下部にミラーがあり、反射した映像を見る形になります。

このミラーが構造上一番下にあるので、目の位置もかなり下に位置します。
つまりサングラス型とはいえ、一般のめがねと比べるとかなり上の方に持って行か
ないと映像が見えないことになります。
個人差があるとは思いますが、ノーズパッドを思いっきりのばしてぎりぎりでした。

映像部は左右独立したピント調整が可能で、調整用の専用ドライバがコントロール
ボックスに取り付けられています。電池もボックス側。ディスプレイ部との接続は
ワイヤードです。

色の濃さや明るさなどは、画面上のメニューを見ながらコントロールボックスで操作
します。こちらは両眼ともいっしょで、独立した設定は出来ませんでした。

用途としてはビデオ出力経由で映像などを見ることになります。外出時など外から
のぞき込まれる心配はなくなりますが、逆に自分自身がよけい目立つかもしれません。

もう一つの用途は 3D 映像の視聴です。いくつかの 3D フォーマットに対応しており、
左右独立した映像を映すことが可能です。

使っていて気になったのは、左右の明るさが異なって見えること。個人差や個体差
かもしれませんが左側だけ暗部が落ち込んで暗めに映っているようです。
全体を明るめに設定したり、左側のユニットの明るく見える位置に調整すると
左右同じように映ります。

片方だけ明るさが異なっているとそこだけ立体に見えてしまいます。
PC の画面をビデオ出力して web ページを見ていただけなのに、なんで立体に見えるの
だろうと最初は不思議でした。左右独立した画質調整機能が欲しくなります。

画質はビデオ信号だし解像度も低いので過度に期待するほどのものでは無いようです。
持ち歩けるモニタとして使えますが、映像も iPhone 等メディアプレイヤーの画面を
そのまま見た方がおそらくきれいで手軽だと思います。

逆に Wrap 310 でしかできないメリットは、利用時に首の位置を固定されないことでしょう。
ビデオ出力で PC の操作をしてみましたが、リラックスして椅子にくつろいだ状態だろうと、
どの方向を向いていようと常に正面で画面を見ることが出来ます。
マウスにだけ手が届けばあとは自由。
解像度は低いけど、普段のモニタとは全然別の方を向いたまま操作できるのは新鮮です。

3D はコンテンツがないのであまり試せていませんが、サイドバイサイド形式などは
左右に分割するだけなので容易に作れそうです。使いこなすといろいろと面白いと
思います。

関連エントリ
ニコン UP300x/UP300 を体験してきた。ヘッドマウントディスプレイ

UP300 アプリ

いつの間にか、UP300x/UP300 がアプリ対応になってるようです。

UPLAB UPアプリとは
UPLAB UPアプリ開発ガイド

ネイティブではなく Flash でした。
もともと WindowsCE が使われており、ブラウザが動いていたのでその上で
動作させるようです。

関連エントリ
ニコン UP300x/UP300 を体験してきた。ヘッドマウントディスプレイ

タカラトミー Q-TRAIN 赤外線コマンドの 解析

PC-OP-RS1 (KURO-RS) を使って ROBO-Q と同じように調べてみました。
Q-TRAIN のコントローラの赤外線信号です。

TAKARA TOMY Q-TRAIN

●コマンドフォーマット

コマンドは 8bit 分
下記の順番で送信されています

先頭
  C C A 0 R L B F


 CC = BAND A~D (00,01,10,11)
 A = 自動移動の指定かどうか (左サイドのスイッチが on なら 1)
 0 = 常にゼロ
 R = 右ボタン (→)
 L = 左ボタン (←)
 B = 後退ボタン (↓)
 F = 前進ボタン (↑)

R L B F の各ボタンは同時押しが出来ます。
例えば前進+右旋回だと F + R が同時に ON になります。


コマンド組み合わせの例

BAND A 前進	00000001
BAND B 前進	01000001
BAND C 前進	10000001
BAND D 前進	11000001

BAND A 前進自動	00100001
BAND A 後退	00000010
BAND A 左	00000100
BAND A 右	00001000
BAND A 前進+左	00000101

●コマンドエンコード

ヘッダや 1bit 分の波形も長く取られており ROBO-Q とは異なっています。

ヘッダ常に H 6.3msec

bit
 0 = L 0.5msec + H 1.7msec
 1 = L 1.5msec + H 0.7msec

エンコードされた bit データは ROBO-Q と違い、0 でも 1 でも同じ長さになります。
よって 1コマンドはだいたい 23.9msec


例 BAND D 前進 + 左 で受け取った波形 (0.1msec 単位のサンプリング)

// ヘッダ
11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111
// 1
000000000000000 1111111
// 1
000000000000000 111111
// 0
00000 11111111111111111
// 0
00000 11111111111111111
// 0
00000 11111111111111111
// 1 (左ボタン)
000000000000000 1111111
// 0
00000 11111111111111111
// 1 (前進ボタン)
0000000000000000 111111

使用したツールは ROBO-Q 同様「スーの道具箱/分解してみよう/PC-OP-RS1」の
IrReceiver です。

関連エントリ
タカラトミー ROBO-Q (3) PC から操作する実験
タカラトミー ROBO-Q (2) 赤外線コマンドの解析
タカラトミー ROBO-Q

タカラトミー ROBO-Q (3) PC から操作する実験

少々時間が無かったので昨日の解析結果が正しいかどうか確認するだけ。
BAND A/D の ROBO-Q も調達できたので 4バンド分の信号を確認できました。

実際にコマンド送信プログラムを作ってみます。
スーの道具箱/分解してみよう/PC-OP-RS1
のページを参考にさせていただきました。そのままです。

初期化

hPort= CreateFile(
		"COM4",
		GENERIC_WRITE|GENERIC_READ,
		FILE_SHARE_READ|FILE_SHARE_WRITE,
		NULL,
		OPEN_EXISTING,
		0,
		NULL
	);
if( hPort == INVALID_HANDLE_VALUE ){
	// ERROR
	return;
}
DCB	dcb;
dcb.DCBlength= sizeof(DCB);
dcb.BaudRate= CBR_115200;
dcb.fBinary= TRUE;
dcb.fParity= FALSE;
dcb.fOutxCtsFlow= FALSE;
dcb.fOutxDsrFlow= FALSE;
dcb.fDtrControl= DTR_CONTROL_DISABLE;
dcb.fDsrSensitivity= FALSE;
dcb.fTXContinueOnXoff= FALSE;
dcb.fOutX= FALSE;
dcb.fInX= FALSE;
dcb.fErrorChar= FALSE;
dcb.fNull= FALSE;
dcb.fRtsControl= RTS_CONTROL_DISABLE;
dcb.fAbortOnError= FALSE;
dcb.fDummy2= 0;
dcb.wReserved= 0;
dcb.XonLim= 0;
dcb.XoffLim= 0;
dcb.ByteSize= 8;
dcb.Parity= NOPARITY;
dcb.StopBits= ONESTOPBIT;
dcb.XonChar= 0;
dcb.XoffChar= 0;
dcb.ErrorChar= 0;
dcb.EofChar= 0;
dcb.EvtChar= 0;
dcb.wReserved1= 0;
SetCommState( hPort, &dcb );

送受信は WriteFile()/ReadFile() です。

PC-OP-RS1 用の送信データを組み立てます。
赤外線の On/Off 情報をビット列で指定。あくまで動作確認用なのでべたで。

int pushbit( char* ptr, int index, int flag, int length )
{
	if( flag ){
		for( int i= 0 ; i< length ; i++ ){
			int	byteoffset= index >> 3;
			int	bitoffset= index & 7;
			ptr[byteoffset] |=  (1<

データ送信

void SendIR( const char* command )
{
    iPort->Send( "t", 1 );
    iPort->Recv( rdata, 1 );	// 'Y'
    iPort->Send( "1", 1 );		// ch1
    iPort->Recv( rdata, 1 );	// 'Y'
    iPort->Send( command, 240 );
    iPort->Recv( rdata, 1 );	// 'E'
}

昨日のデータ通りです。すんなり動作しました。
PC で ROBO-Q を操作できます。

SendCommand( 1, 2, 0 ); // BAND B で中速(M)前進
SendCommand( 1, 1, 1 ); // BAND B で低速(L)右回転

でもデータ送信まで思ったより時間がかかるので、細かい制御をリアルタイムに
行うには少々厳しいです。要検討。

修正 2009/3/5 4:27 勘違いでした。十分な速度で操作できます。

きちんと使うなら 192ms 分複数のコマンドをパックして送る必要あります。

関連エントリ
タカラトミー ROBO-Q (2) 赤外線コマンドの解析
タカラトミー ROBO-Q