日別アーカイブ: 2015年8月12日

AEP を取り込んだ OpenGL ES 3.2 は機能面で Desktop に並ぶ, Android は Vulkan へ

OpenGL ES 3.2 が登場しました。OpenGL ES 3.1 AEP (Android Extension Pack) の機能が取り込まれています。これまで ES にはなかった GeometryShader や Tessellator などに対応しており、機能面では OpenGL 4.x/Direct3D 11 と完全に並ぶことになります。

おそらく AEP 対応 GPU がそのまま OpenGL ES 3.2 になるのではないかと思われます。
現在発売されている端末で AEP (GL_ANDROID_extension_pack_es31a) が含まれている GPU は下記の通り。

Tegra K1  Keper (192)     SHIELD Tablet / Nexus 9
Tegra X1  Maxwell (256)   SHIELD
Adreno 4xx                Snapdragon 805/808/810 等

Intel HD Graphics Gen8 も対応しているので、Cherry Trail 搭載 Android 端末が出ればこの一覧に入ることになるでしょう。

シェーダーのバージョンも 3.2 (320 es) です。Version 番号の空きを使い尽くしたので、もし次があるなら番号が飛ぶことになるかもしれません。(GLSL Version 一覧)

NVIDIA の Beta Driver がすでに使えるようになっているので試してみました。
GL_ARB_ES3_2_compatibility で実際に Context を作ることができます。

GL_VERSION: OpenGL ES 3.2 NVIDIA 355.58
GL_RENDERER: GeForce GTX 760/PCIe/SSE2
GL_VENDOR: NVIDIA Corporation
GL_SHADING_LANGUAGE_VERSION: OpenGL ES GLSL ES 3.20

↓詳細はこちら

Desktop GPU Extensions

OpenGL ES 3.2 は ASTC 対応ですが、やはり OpenGL 4.5 context のまま Texture を読むとパフォーマンスの警告が出るようです。

また OpenGL 4.5 の方にはかなり気になる Extension が増えています。スレッドを使ったシェーダーのコンパイルが可能になるとのこと。

GL_ARB_parallel_shader_compile

なお Android もついに低レベル API である Vulkan 対応を発表しています。予想されてきたことではありますが、低レベル API はプラットフォームごとに完全に分かれることになりました。

API             Platform
------------------------------------------
Direct3D 12     Windows Desktop / Mobile
Metal           iOS / Mac OS X
Vulkan          Android

パフォーマンスだけでなく Mobile / Desktop API の統合や、レガシーな OpenGL API からの脱却などさまざまなメリットもありますが、開発者にとっては悩ましいところです。

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