EMONSTER lite S12HT IME FSKAREN

FSKAREN は WindowsMobile 用の日本語入力&漢字変換ソフト (IME) です。
自作ソフトの関係で質問を頂いたので試しに使ってみました。

FSKAREN for Windows Mobile 富士ソフト

上記の公式ページを見ても、対応機種も載ってないし すっきりしない説明でかなり
わかりにくくなっています。
ダウンロード販売のページに飛ぶと、やっと対応機種一覧を見ることが出来ます。

・Windows Mobile 5.0/6 Standeard/6 Professional
・Softbank X01HT
・Softbank X02HT
・Softbank X03HT
・Softbank X01T
・NTT Docomo hTc Z
・EMOBILE EMONSTER S11HT
・EMOBILE EMONSTER lite S12HT

要は IME の一種で、ATOK 等と同じように WindowsMobile 端末にインストールして
MS-IME の代わりに使用することが可能です。
実際に購入してみると、対応機種にインストールすべき CAB ファイルが分かれていました。

FSKAREN_HT1100-S12HT.CAB
FSKAREN_hTcZ.CAB
FSKAREN_S11HT.CAB
FSKAREN_X01HT.CAB
FSKAREN_X01T.CAB
FSKAREN_X02HT.CAB
FSKAREN_X03HT.CAB

よく見ると対応機種一覧に載っていないはずの Docomo HT1100 があります。
pdf のマニュアルにも HT1100 としっかり書かれています。
HT1100 と S12HT は機能的に同じ端末と見なして良いのかもしれません。
(ctrlswapmini lite も HT1100 でそのまま動く可能性があります)

ニュース: 富士ソフト

上記ニュースリリースの段階では S12HT も対象機種に含まれていませんでしたし、
「※上記以外の端末も、今後順次ご提供予定」と書かれていますので、今後さらに
対象機種が増える可能性があります。

実際に EMONSTER lite S12HT に FSKAREN_HT1100-S12HT.CAB をインストールしてみました。
ちなみに S12HT は標準で Advanced Wnn が入っています。

現在の使用環境は下記の通りです。

・Today プラグイン無し、標準の HTC のプラグインも全部外してまっさらな状態
・常駐ソフトは em1key のみ
・SIP として touchkeysip + eckeyboardsip を組み込み

em1key はテンキーの文字入力と干渉するので、FSKAREN 利用時は外しました。
FSKAREN を使って、テンキーで文字入力できるようになりました。

設定は \Windows の FSKAREN.cfg に保存されているようです。

●FSKAREN によるテンキー文字入力

Advanced Wnn とほぼ同じキーアサインになっています。

・文字種切り替えは [*] キー
・[#] キーで逆トグル可能

文字入力の直後は [*] キーで濁点半濁点変換と大文字小文字変換になります。
標準の Advanced Wnn だと大文字小文字変換できなかったので、この点は FSKAREN
の方が優れています。
ctrlswapmini でいえば後変換キー相当で、au 系端末に近い操作です。

キー長押しはトグル操作のキーリピートになってしまい意味がありません。
文字種切り換えメニューも出ず、数字入力にもなりません。
この点は Advanced Wnn より劣ります。

同じキーの文字を連続入力する場合、[→] キーによる確定操作に補正がかかりません。
カーソルキーを左に戻してから、同じ文字を挿入しようとして [→] を押すと
カーソルが右に移動してしまいます。
この点は一般の携帯電話よりも操作性が劣ります。
Advanced Wnn も同じ問題を抱えています。

pdf のマニュアルは不完全で、テンキーを使った文字入力方法の説明が載って
いませんでした。

●外付け Bluetooth キーボードによる入力

Advanced Wnn と違い、スライドキーボードを開いた状態でも特に入力を取りこぼす
ことはなく普通に入力出来ました。
ただし数字入力に問題があります。
外付けキーボードの [0]~[9] のキーを押しても、テンキーと同じように文字の
トグル入力が行われてしまいます。

Advanced Wnn と違ってスライドキーボードを閉じても直りません。
外付けキーボード向けに、入力モードを変更する機能が欲しいところです。

●操作に限定した FSKAREN のメリット (Advanced Wnn との比較)

・[*] で大文字小文字変換が出来るようになる
 ただしトグル自体にも小文字を含むので、ショートトグルが好みなら合わないかも

●Advanced Wnn と同じ問題点

・テンキーだけで単独改行は出来ない。決定キーが必要なので、決定を改行以外の
 用途で使うソフトだと改行入力出来ないことがあります。

・[→]キーでトグル入力状態だけ解除したいのにカーソルも移動してしまう。

●FSKAREN の問題点

・長押しで数字入力出来ない。

・キーリピート速度を最速に設定していると、トグル入力のリピートが発生して
 入力ミスが起こりやすい。

・外付けキーボードから入力する場合に問題あり。
 数字キーがテンキーとして取られてしまう。

●ソフト

touchkeysip は一応動きますが文字種切り換えの問題が生じます。
IME が off になると入力モードが英字 [A] に戻ってしまいます。
キーボード側で文字種を切り換えなければなりません。
ただし数字入力は衝突せず、ソフトキーから [0]~[9] を入力しても文字トグルに
ならずに入力可能でした。

ctrlswapmini lite は一応動作しますが、ほぼ Advanced Wnn 同様の問題が
あります。文字種切り替えできず、高速に連続入力した場合に IME 切り替えを伴う
ケースで、判定タイミングのずれが発生します。
IME の種類が増えるとますます対応が困難になりそうです。

●変換その他

他の IME では必ず予測変換などの候補ウィンドウを off にして使っていました。
FSKAREN は確かに表示が速いようです。
今回はこのままデフォルトの設定で使ってみます。

要望点
・テンキーのキーリピートを無視して欲しい (長押しはできれば数字入力に)
・外付けキーボード用に、数字キーの判定モードを切り換えられるように
・IME のキーバインドを変更したい
・未確定バッファを確定するけど、未確定バッファが空でも改行しない操作が欲しい