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UE5 5.8 MCP Server から画面キャプチャを取得できるようにする

UE5 の 5.8 で追加された MCP Server はまだ実験機能扱いで、特に画面キャプチャ系の命令に問題がありました。画像を正しく認識できないだけでなく、使用するとコンテキストウィンドウが溢れてツールが停止してしまいます。

本来画像型として返すべきデータを文字列で返していることが原因です。文字列化した画像データは非常に大きくトークンも消費します。詳しくは先日の記事で解説しています。

そこで、クライアントソフトと UE5 の MCP サーバーとの間に入って、キャプチャデータを認識可能な画像型に変換する MCP サーバーを作ってみました。(Claude が作りました)

ClaudeCode等  -->  UE5 mcp server

間に挟んで以下のようにします

ClaudeCode等  -->  mcp-filter-adapter  -->  UE5 mcp server

これで下の画像のように、Claude Code から画面キャプチャ系の MCP ツールを使って UE5 の Viewport や Editor 全体を認識できるようになります。AI が画面を見ながら操作できるわけです。もちろんこのツールもただの MCP サーバーなので、他のクライアントでも利用できます。

使い方

以下、すでに UE5 の MCP サーバー自体のセットアップは完了しているものとします。セットアップ手順はこちら。

  1. Python 実行用に uv をインストールしておきます
  2. GitHub のリポジトリから git clone します
    • git clone https://github.com/hiroog/mcp-filter-adapter.git
    • 仮に C:\mcp で clone したものとします。フォルダは C:\mcp\mcp-filter-adapter です
  3. クライアントに合わせて mcp.json 等の設定をします
    • 例えば Claude Code の場合は以下のようになります
{
  "mcpServers": {
    "unreal-mcp": {
      "command": "uv",
      "args": [
      	"run",
        "--directory", "C:\\mcp\\mcp-filter-adapter",
        "mcp-filter-adapter",
        "--upstream", "http://127.0.0.1:8000/mcp"
      ]
    }
  }
}
  • 既存の UE5 mcp server の設定を置き換える形で上書きしてください。UE5 の mcp server には必ず mcp-filter-adapter 経由でアクセスするようにします。
  • --directory 後ろのパラメータは mcp-filter-adapter を clone して出来た実際のパスに置き換えてください。
  • --upstream の後ろには UE5 mcp server の URL を指定します。デフォルトのまま利用している場合は書き換える必要ありません。

このあと Claude Code 等のクライアントを完全に終了して立ち上げ直すと、これまでと同じように UE5 の MCP サーバーの Tool が見えているはずです。さらに Tool を使って UE5 の画面のキャプチャを取得することが可能です。

UE5 5.8 MCPサーバーの EditorToolset.EditorAppToolset に含まれる画像系命令は以下のとおりです

Tool名機能
CaptureViewport ビューポートのキャプチャ
CaptureEditorImage エディタ全体のキャプチャ
CaptureAssetImage アセットのサムネイル取得

mcp-filter-adapter がやっていること

UE5 MCP Server のツール呼び出しが返してくる text に、画像と思われるデータが含まれている場合は json をデコードして画像型に変換します。

UE5 MCP Server は画像データの場合でも以下のように json 構造が文字列化されて type=”text” で返ります。

{ "content": [ { "type": "text", "text": "{\"returnValue\":{\"image\":{\"mimeType\":\"image/png\",\"data\":\"iVBORw0KG...\"}}}" } ] }

画像が含まれる場合のみこれを以下のように type = “image” の画像型に変換します。

{ "content": [
  { "type": "image", "mimeType": "image/png", "data": "iVBORw0KG..." },
  { "type": "text",  "text": "{\"returnValue\": {\"image\": \"<image #0>\", \"cameraFOV\": 90, ...}}" } ] }

画像が含まれていない場合は何も変換せずそのまま返します。

リポジトリ

関連ページ

UE5 5.8 MCP が思ったように動かない理由

UE5 は 5.8 から MCP 機能が実験機能として搭載されました。Engine 自体に Plugin として組み込まれているため、外部ツール等をインストールする必要もなく有効化するだけで使えます。ですが実験機能段階ということもあり、なかなか思うように動かないことがあります。今回はそのいくつかの理由を解説します。MCP 機能自体の使い方に関しては以前の解説を参照してください。

日本語の問題

以前の記事でも説明したように、MCP 利用時は UE5 Editor の言語設定を英語に変更しておくことを強くお勧めします。日本語設定のままだと BP ノード名などが部分的に日本語で渡されており AI がだいぶ混乱してしまうようです。以下は Blueprint Editor 上で、PrintString ノードを追加する場合の実際の Tool call の内容を表したものです。(多少簡略化しています)

日本語の場合

  1. ノードを「 Development|PrintString 」で作成しようとしてエラー
  2. ノードを検索して正しい名前を探す
  3. 正しい名前は「デベロップメント|PrintString」だったことが判明
  4. 「デベロップメント|PrintString」でノードを作成して成功

4ターン消費

role: assistant
  content: PrintStringノードをEventGraphに作成し、DoFireBallの`then`ピンに接続、文字列値を\"Fire\"に設定します。
  tool_calls: ue5__call_tool
     tool_name:    create_node
     toolset_name: editor_toolset.toolsets.blueprint.BlueprintTools
     type_id:      Development|PrintString


role: tool
  name: ue5__call_tool
  content: The node could not be created / Development|PrintString does not exist


role: assistant
  tool_calls: ue5__call_tool
     tool_name:      find_node_types
     toolset_name:   editor_toolset.toolsets.blueprint.BlueprintTools
     type_id_filter: PrintString


role: tool
  name: ue5__call_tool
  content: 


role: assistant
  name: ue5__call_tool
     tool_name:      find_node_types
     toolset_name:   editor_toolset.toolsets.blueprint.BlueprintTools
     type_id_filter: PrintString


role: tool
  name:  ue5__call_tool
  content: {"returnValue":["デベロップメント|PrintString","クラス|PCG出力要素設定|PrintStringを取得","クラス|PCG出力要素設定|SetPrintString"]}


role: assistant
  content: 日本語のtype_idが必要なようです。「デベロップメント|PrintString」でノードを作成します。
  tool_calls: ue5__call_tool
     tool_name:    create_node
     toolset_name: editor_toolset.toolsets.blueprint.BlueprintTools
     type_id:      デベロップメント|PrintString


role: tool
  name: ue5__call_tool
  content: {"returnValue": {"refPath":"/Game/ThirdPerson/Blueprints/BP_ThirdPersonCharacter.BP_ThirdPersonCharacter:EventGraph.K2Node_CallFunction_3"}}

英語の場合

  1. ノードを「 Development|PrintString 」で作成。成功

1ターンで完了

role: assistant
  content: PrintStringノードのtype_idを確認できました。次にPrintStringノードを作成し、DoFireBallの後に接続します。
  tool_calls: ue5__call_tool
     tool_name:    create_node
     toolset_name: editor_toolset.toolsets.blueprint.BlueprintTools
     type_id:      Development|PrintString


role: tool
  name: ue5__call_tool
  content: {"returnValue": {"refPath":"/Game/ThirdPerson/Blueprints/BP_ThirdPersonCharacter.BP_ThirdPersonCharacter:EventGraph.K2Node_CallFunction_4"}}

なぜ日本語設定なのに最初に「 Development|PrintString 」を使おうとするのかというと、LLM が参照している説明文 (tool の description) には英語のまま「Development|PrintString」と書かれている箇所があるからです。そのため初回の呼び出しに失敗し、何度か試行錯誤して正解を探すような挙動になってしまいます。動作効率も落ちますしその分時間もかかるので、最初に英語に設定しておくことをお勧めします。

スクリーンキャプチャ機能の問題

Editor の状態やビューポートの内容を把握するために、AI がスクリーンキャプチャ機能を自発的に使用する場合があります。最近のモデルは Vision 対応のものが殆どで、blender 用 mcp などでもキャプチャを使ってAI が実際の画面見ながら作業することができます。

ところが UE5 5.8 の MCP の場合はスクリーンキャプチャ命令は完全な地雷で、これが走るとコンテキストウィンドウを完全に使い果たしてツールがエラーで停止します。AI は自分からキャプチャを取りに行くことがあるので、スクリーンショット機能を使わないように最初に指示を追加しておくことをお勧めします。

本来 LLM の API は、content の配列として画像やリソース専用の型を必要とします。書式は使用する LLM の API によって異なりますが、以下は説明のために用意した content 配列の一例です。

"content" : [
   { "type": "text", "text": "~" },
   { "type": "image", "data": "<b64>~", "format": "jpeg" },
   
]

ところが Unreal Engine 5 の MCP の場合は、構造化されたデータを返す場合にデコードせずに json の文字列をそのまま text で返してしまいます。

例えば画像を返す場合でも以下のように text として埋め込まれます。

"content" : [
   { "type": "text", "text": "{\"returnValue\":{\"image\":{\"mimeType\":\"image/png\",\"data\":\"<b64>~\"}}}"  },
]

ただのテキストなので、base64 エンコードされた巨大な文字列がそのまま文字トークンとして流し込まれます。キャプチャ画像の base64 文字列は数百 KB から M バイト単位になることもあるので、あっという間に Context Window の Token を使い果たしてしまうわけです。

画像として扱うためには、受け取った文字列を認識できる形に変換する必要があります。

おそらく Claude Code のような既製ツールの場合は、UE5 側の対応を待つか MCP の間に変換用のレイヤーを挟み込む必要があるかと思います。そのため対応が入るまでは、キャプチャツールを呼ばないように指示を追加しておくことをお勧めします。

2026/08/04 追記: 変換用のレイヤーツール作りました。Claude Code 等の既存クライアントでも UE5 MCP からキャプチャ画像を取得できます。「UE5 5.8 MCP Server から画面キャプチャを取得できるようにする」

私は自作の AI Agent Tool (ハーネス) を使用しているため、MCP の受け取り側で画像を変換するようにしてみました。この変換はうまくいき、UE5 でもビューポートのキャプチャを正しく画像として認識できるようになりました。画像なので Token 消費も常識的な範囲に収まるようになり、キャプチャツールが走ってしまったせいで Token を使い果たすこともなくなっています。

if getattr(content[0], 'type', None) == 'text':
    text_data= getattr(src_content[0], 'text', '')
    if len(text_data) >= 80*1024:
        if ('"returnValue"' in text_data) and ('"image"' in text_data) and ('"image/' in text_data):
            ue5_json= json.loads(text_data)
            data= ue5_json.get('returnValue',{}).get('image',{})
            cformat= data.get('mimeType','').replace('image/','')
            return  [ {'type': 'image', 'data': data.get('data'), 'format': cformat} ]

関連ページ

UE5 5.8 の MCP サーバー機能を使用する

UE5 5.8 では実験機能として MCP サーバー機能が追加されました。Plugin として組み込まれており、設定で有効化することができます。MCP を使うとさまざまな AI 用クライアントと接続することが可能で、AI エージェントが直接 Unreal Engine を操作できるようになります。

UE5 5.8 Preview 版との違い

5.8 Preview 版エンジンでも MCP 機能はあったのですが、いくつか問題がありました。5.8 Release 版ではそのあたりが改善されているようです。なお UE5 5.8 Release 版付属であっても MCP 機能自体は実験機能扱いです。今後仕様が変わる可能性があります。

Preview 付属版では load_toolset 命令を使って必要な Tool だけ有効化していく仕組みでした。ただし load すると各 Tool が直接 Function Calling 用のテーブルに組み込まれるため、仮に全部ロードしてしまうと 700 以上もの関数がアクティブになります。そんな使い方はしないと思いますが、この場合 Tool の定義だけで Context Window のおよそ 150K ほどを占有する計算です。またクライアントアプリ次第ですが、ロードした Tool はそのセッションでは有効にならない可能性があります。

他にも関数名に本来使えないはずのドット ‘.’ が含まれていたり、関数名だけで 64 文字を超えるなど Tool の仕様に沿っていないので、使用する LLM の API によってはエラーになっていました。

Release 付属版では直接 Tool として関数を公開せずに、call_tool 命令を使って間接的に呼び出す仕組みに変更されています。LLM に直接公開される関数は 3つだけです。

  • list_toolsets
  • describe_toolset
  • call_tool

list_toolsets, describe_toolset を使って存在する命令の使い方を調べつつ、call_tool に独自の “命令名” とパラメータを渡して実際の呼び出しを行うわけです。間接的にはなりますが、API 側の Tool とは別のネームスペースなるので関数名の制約を受けなくなります。また Tool 定義だけで Context Window を大量に消費することもなくなり効率化されます。

ちなみに Release 付属版でも Editor Preferences → “Model Context Protocol” の “Enable Tool Search” を false にすると Tool として全部ロードされるので注意してください。

他にも Preview だと Python script で例外などのエラーが呼び出し元に返っておらず、何が原因でエラーになったのか AI 側で判断できずにはまってしまうことがありました。Release 付属版ではそういった問題も解消されているようです。

MCP 機能を有効化する

以下何らかのサンプルプロジェクトを作成して Editor が開いてる状態を想定しています。

(1) Editor の言語を英語にします (重要)

  1. メニューの「編集」→「エディタの環境設定」→左側一般の中にある「地域&言語」
  2. 「エディタの言語」を “日本語” から “英語” に変更
  3. Unreal Editor を一旦閉じて起動し直す

日本語設定のままだと、Blueprint (BP) のノード名やピン名が日本語のまま AI に渡されます。この場合 AI が混乱してしまうようで、うまく BP ノードの編集ができないことがあります。英語に切り替えておくことをお勧めします。

(2) プラグインを有効化します

  1. メニューの「Edit」→「Plugins」
  2. 一番上の検索欄に「mcp」を入力
  3. 候補に出てきた「Unreal MCP」にチェックを入れる
    • “MCP Client Toolset” の方は不要です
  4. 同じように検索欄で「toolset」を入力
    • ここに出てきた候補が MCP 用の命令郡になります
  5. 候補に出てきた「Editor Toolset」にチェックを入れる
    • 他にも必要なものがあればチェックを入れます
    • ちなみに “All Toolset” にチェックを入れると、大半のツールが自動的に有効になります
  6. Unreal Editor を起動し直す

あまり多くのツールを有効化してしまうと効率が悪くなるので、最初は最小限にしておくことをお勧めします。

(3) MCP サーバーを起動します

  1. メニューの「Edit」→「Editor Preferences…」→ 左側 General の中にある「Model Context Protocol」
  2. 「Auto Start Server」にチェックを入れておく
    • 注意: “Enable Tool Search” には必ずチェックを入れた状態にしてください
  3. Unreal Editor を起動し直す

Editor を起動し直す代わりにコンソールコマンド「ModelContextProtocol.StartServer」を実行しても構いません。

クライアント (AI エージェント) から接続する

Claude Code や Codex 等、各種ツールに合わせて設定します。設定方法はクライアントアプリごとに異なるのでそちらに従ってください。

設定ファイルの自動生成を使う場合

メジャーなツールに関しては自動的に設定ファイルを生成する機能があるようです。コンソールコマンドで「ModelContextProtocol.GenerateClientConfig All」を実行すると、プロジェクトフォルダに “.mcp.json” 等の設定ファイルが作られます。詳しくはドキュメントを参照してください。

手動で設定する場合

mcp.json 等への設定例は以下のとおりです。

{
  "mcpServers": {
    "ue5": {
      "type": "http",
      "url": "http://127.0.0.1:8000/mcp"
    }
  }
}

Streamable HTTP に対応していないクライアントの場合は以下のような設定が必要かもしれません。

{
  "mcpServers": {
    "ue5": {
      "command": "cmd",
      "args": [
        "/c",
        "npx",
        "-y",
        "mcp-remote",
        "http://127.0.0.1:8000/mcp"
      ]
    }
  }
}

接続確認

先に UE5 Unreal Editor を起動した状態にしてから、コーディング AI エージェント (MCP クライアント) を立ち上げます。「UE5の現在のレベル名は?」など簡単な質問をしてみてください。

使ってみる

MCP で UE5 に接続した AI エージェントから指示を出すと人間の代わりに操作してくれます。Actor の作成や BP の編集もできますが結構時間がかかります。学習による事前知識ゼロなので、説明を見てひとつひとつ確認しながらノードやピンを繋いで構築していく感じです。DSL を使ってまとめて BP コードを編集することもできますが、エラーを出しながら AI もだいぶ試行錯誤しているようです。

UE5 5.8 で ThirdPersonTemplate (C++) のサンプルプロジェクトを作成し、簡単な BP 処理を実装してもらいました。

「Pキーでキャラクタから前方に球を発射するようにして。球は物理で転がるようにしたい」

マテリアルを割り当てたり調整もしてもらいました。

使用したコーディングエージェントは自作のもので、ローカル LLM を使っています。使ったモデルは Qwen3.6 27b (MTP) です。Context Window の消費量は 90~100K になりました。GPU は Radeon AI PRO R9700 32GB で、10分ほどかかっています。

CPURyzen 7 9700X
RAMDDR5-5600 128GB
GPURadeon AI PRO R9700 32GB
ModelQwen3.6 27b MTP (UD-Q4_K_XL)
AI Agent自作

他のモデルでも試してみました。

Qwen3.5 系 (Qwen3.5 27b / 122b-a10b) は一発で実装できず何度かやり取りが必要で、かつ手動での作業を求めてきました。

ローカルではなく Cloud のオープンモデルですが、DeepSeek-V4 Flash や GLM-5.2 はきちんと動作するものができました。

逆に Cloud の Gemma 4 31b (gemma4:31b-cloud) は途中で停止し、何度か継続したもののうまく実装できませんでした。ローカルでの Gemma 4 は未確認です。

Python とサンドボックス

各 Tool は直接呼び出すだけでなく、python スクリプトを使うことができます。繰り返し処理などは python を使ってくれるので効率が上がります。ただし使用できる命令は基本的に Toolset で有効にしたものと同じです。直接 UE5 の Python API (unreal module) を使うことはできず、また多くの外部モジュールは使用禁止となっています。これはサンドボックス化のためです。

クライアントの AI エージェント側をサンドボックス化したり情報へのアクセスを制限したとしても、mcp 経由で任意の python code を実行できると制限の意味がなくなってしまいます。python の標準の機能を使えばほぼ制限無くなんでもできるからです。よって安全のために Python の実行は多くの機能が制限されており、サンドボックス化されています。

BP の DSL 編集機能

BP の編集は Tool を使ってノードのピンをつなぎ、直接グラフを構築していくことができます。ただし大きなグラフの構築だと効率が悪いので、BP 自体をまとめてテキストで編集する機能があります。

  • read_graph_dsl
  • write_graph_dsl

試しに ThirdPersonTemplate (BP) の BP_ThirdPersonCharacter から EventGraph を取得してみるとこんな感じになりました。Lisp 風の表現となっています。

(event EnhancedInputActionIA_Move (ActionValue_X ActionValue_Y ElapsedSeconds TriggeredSeconds InputAction))

(event EnhancedInputActionIA_Look (ActionValue_X ActionValue_Y ElapsedSeconds TriggeredSeconds InputAction))

(event Touch|EventPrimaryThumbstick (Axis_X Axis_Y)
  (CallFunction|Move Axis_X Axis_Y))

(event Touch|EventSecondaryThumbstick (Axis_X Axis_Y)
  (CallFunction|Aim Axis_X Axis_Y))

(event EnhancedInputActionIA_MouseLook (ActionValue_X ActionValue_Y ElapsedSeconds TriggeredSeconds InputAction))

(event EnhancedInputActionIA_Jump (ActionValue ElapsedSeconds TriggeredSeconds InputAction))

(event Touch|EventTouchJumpStart
  (Character|Jump))

(event Touch|EventTouchJumpEnd
  (Character|StopJumping))

Move 関数はこのように定義されています。

(fn Move (X Axis Y Axis)
  (Pawn|Input|AddMovementInput
    (Math|Vector|GetRightVector (Pawn|GetControlRotation) 0.0 (Pawn|GetControlRotation)) X Axis)
  (Pawn|Input|AddMovementInput
    (Math|Vector|GetForwardVector 0.0 0.0 (Pawn|GetControlRotation)) Y Axis))

複雑な BP の構築でも、大量の Tool Call を使って力技で作っているわけではないことがわかります。

使ってみて

BP 編集は使い方を確認したり、試行錯誤がある分だけ時間がかかってトークンも消費します。知識にある汎用言語を使ってコード生成するのと比べると、どうしても効率は落ちていると思います。できるだけ性能が高いモデルを使った方が良いのかもしれません。BP ではなく C++ と Live Coding Toolset を使う方法もありますが、コードに問題があるとすぐ Editor が落ちますので今のところはどちらが良いとも言えません。UE6 でテキスト言語に回帰する理由もわかる気がします。もちろんまだ登場したばかりの新機能なので、今後改良が進んで使いやすくなっていくものと思われます。

関連ページ

MCP Server の仕組みを少し調べてみる

LLM をチャットの応答だけでなく、Agent として使うために直接外部アプリケーションを呼び出せるような拡張が行われています。特に MCP と呼ばれるプロトコルではツールとのインターフェースが標準化されており、SDK を使うと簡単に追加機能を作成することが可能です。

PC 上で動いているクライアントアプリケーションは、人間の入力を LLM が動いているサーバーに送信して返答を受け取ります。Agent ではその一連のやり取りにツールが割り込みます。LLM からの要請に応じてクライアント側がツールのソフトウエアを呼び出し、人間の代わりに LLM に対して返答するわけです。これらの Function Calling と呼ばれる機能拡張の仕組みを標準化したものが MCP に相当します。

MCP に対応したツールはサーバーと呼ばれるため、クラウド上に用意したり、LLM サーバー側が直接通信しているような印象を受けますが実際は異なります。簡単に言えば PC 上で動いている LLM アプリケーションに追加するプラグインのことです。

Claude Desktop や Cline などのソフトウエアは、プラグインのロードと同じように組み込まれている MCP のソフトウエアを別プロセスとして起動します。このときプロセス間通信として、PIPE (標準入出力) もしくは TCP (HTTP/SSE) が使われています。

MCP サーバーはクライアント毎に別プロセスが立ち上がります。例えば Claude Desktop と Cline のどちらも同じ MCP のツールを参照していた場合、それぞれが別プロセスとして MCP サーバーを起動します。サーバーは共有されません。やはり構造的にプラグインの方がイメージしやすいように思います。

Python SDK MCP コマンド

PIPE や TCP で渡されるデータは Json です。Python SDK で使われている mcp コマンドは、この Json と Python Script の関数呼び出しの相互変換を行っています。

例えば以下の例では mcp コマンド (mcp.exe) が標準入力から json フォーマットの文字列を受け取り、関数呼び出しの形に変換して server.py 内部の関数呼び出します。また関数の戻り値を json 化して標準出力に出力します。

{
  "mcpServers": {
    "demo-app": {
      "command": "mcp",
      "args": [
        "run",
        "C:\\mcptest\\server.py"
      ]
    },
  }
}

mcp.exe は Python の実行ファイルで、引数で渡されている server.py を内部で import しています。

実際にやり取りされているデータ

本当に標準入出力が使われているのかどうか、間に別のプロセスを挟み込んで通信内容をキャプチャしてみました。引数で渡した mcp サーバーを起動し、標準入出力をそのまま渡します。同時にログファイルに記録します。このコマンド (command-capture.py) は Calude 3.7 Sonnet が作りました。

{
  "mcpServers": {
    "demo-app": {
      "command": "C:\\mcptest\\venv\\Scripts\\python.exe",
      "args": [
        "C:\\mcptest\\command-capture.py",
            "--quiet",
            "--log-dir",
                "C:/mcptest/logs",
            "C:\\mcptest\\venv\\Scripts\\mcp.exe",
                "run",
                "C:\\mcptest\\server.py"
      ]
    }
  }
}

以下は Claude Desktop による実際の入出力を記録したものです。tool/list など method の呼び出しが行われている様子がわかります。

[2025-04-06 15:09:35.419] IN: {"method":"initialize","params":{"protocolVersion":"2024-11-05","capabilities":{},"clientInfo":{"name":"claude-ai","version":"0.1.0"}},"jsonrpc":"2.0","id":0}
[2025-04-06 15:09:36.981] OUT: {"jsonrpc":"2.0","id":0,"result":{"protocolVersion":"2024-11-05","capabilities":{"experimental":{},"prompts":{"listChanged":false},"resources":{"subscribe":false,"listChanged":false},"tools":{"listChanged":false}},"serverInfo":{"name":"demo-app","version":"1.5.0"}}}
[2025-04-06 15:09:36.988] IN: {"method":"notifications/initialized","jsonrpc":"2.0"}
[2025-04-06 15:09:36.989] IN: {"method":"resources/list","params":{},"jsonrpc":"2.0","id":1}
[2025-04-06 15:09:36.990] IN: {"method":"tools/list","params":{},"jsonrpc":"2.0","id":2}
[2025-04-06 15:09:36.992] OUT: {"jsonrpc":"2.0","id":1,"result":{"resources":[]}}
[2025-04-06 15:09:36.992] OUT: {"jsonrpc":"2.0","id":2,"result":{"tools":[{"name":"calc_add","description":"Add two numbers","inputSchema":{"properties":{"a":{"title":"a","type":"string"},"b":{"title":"b","type":"string"}},"required":["a","b"],"title":"calc_addArguments","type":"object"}},{"name":"exec_shell_command","description":"Execute a command in the bash shell","inputSchema":{"properties":{"command":{"title":"command","type":"string"}},"required":["command"],"title":"exec_shell_commandArguments","type":"object"}}]}}

[2025-04-06 15:10:53.116] IN: {"method":"tools/call","params":{"name":"calc_add","arguments":{"a":"2838414","b":"8294241"}},"jsonrpc":"2.0","id":36}
[2025-04-06 15:10:53.118] OUT: {"jsonrpc":"2.0","id":36,"result":{"content":[{"type":"text","text":"11132655"}],"isError":false}}

なおアプリケーション側でも同様のログが記録されているため、デバッグに利用する場合はこのようなツールは不要です。Claude Desktop の Windows 版の場合 AppData\Roaming\Claude\logs にあります。

Json 部分を整形すると以下のようになります。

[2025-04-06 15:09:35.419] IN: {
    "method": "initialize",
    "params": {
      "protocolVersion": "2024-11-05",
      "capabilities": {},
      "clientInfo": {
        "name": "claude-ai",
        "version": "0.1.0"
      }
    },
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 0
  }
[2025-04-06 15:09:36.981] OUT: {
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 0,
    "result": {
      "protocolVersion": "2024-11-05",
      "capabilities": {
        "experimental": {},
        "prompts": {
          "listChanged": false
        },
        "resources": {
          "subscribe": false,
          "listChanged": false
        },
        "tools": {
          "listChanged": false
        }
      },
      "serverInfo": {
        "name": "demo-app",
        "version": "1.5.0"
      }
    }
  }
[2025-04-06 15:09:36.988] IN: {
    "method": "notifications/initialized",
    "jsonrpc": "2.0"
  }
[2025-04-06 15:09:36.989] IN: {
    "method": "resources/list",
    "params": {},
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 1
  }
[2025-04-06 15:09:36.990] IN: {
    "method": "tools/list",
    "params": {},
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 2
  }
[2025-04-06 15:09:36.992] OUT: {
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 1,
    "result": {
      "resources": []
    }
  }
[2025-04-06 15:09:36.992] OUT: {
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 2,
    "result": {
      "tools": [
        {
          "name": "calc_add",
          "description": "Add two numbers",
          "inputSchema": {
            "properties": {
              "a": {
                "title": "a",
                "type": "string"
              },
              "b": {
                "title": "b",
                "type": "string"
              }
            },
            "required": [
              "a",
              "b"
            ],
            "title": "calc_addArguments",
            "type": "object"
          }
        },
        {
          "name": "exec_shell_command",
          "description": "Execute a command in the bash shell",
          "inputSchema": {
            "properties": {
              "command": {
                "title": "command",
                "type": "string"
              }
            },
            "required": [
              "command"
            ],
            "title": "exec_shell_commandArguments",
            "type": "object"
          }
        }
      ]
    }
  }



[2025-04-06 15:10:53.116] IN: {
    "method": "tools/call",
    "params": {
      "name": "calc_add",
      "arguments": {
        "a": "2838414",
        "b": "8294241"
      }
    },
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 36
  }
[2025-04-06 15:10:53.118] OUT: {
    "jsonrpc": "2.0",
    "id": 36,
    "result": {
      "content": [
        {
          "type": "text",
          "text": "11132655"
        }
      ],
      "isError": false
    }
  }

標準入出力ができれば良いだけなので、SDK やライブラリがない他の言語でも比較的容易に作ることができる仕組みです。