日別アーカイブ: 2006年11月7日

CLI(3) そういえば共通のバイナリといえば

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CPU 依存の無い共通のバイトコードといえば昔 WindowsCE にもありました。
WindowsCE は小規模な組み込み向けに使われる OS でプラットフォームを選びません。
HandheldPC や PocketPC など、PDA でも当初は SH3, SH4, MIPS などさまざまな
CPU が使われていました。プログラムを作る側も使う側も、同じ OS だけど CPU の
違いを意識しなければならずたいへんです。

そのため一時期 CEF と呼ばれる共通のバイナリ形式が登場しました。やはり仮想の
バイトコードの形にコンパイルされて、実行前にネイティブなコードに変換されます。
一度変換すると以後はネイティブコードのアプリケーションとして振舞います。

しかしながらあんまり使われることは無く、その後のバージョンで PocketPC は
ARM アーキテクチャに統一されてしまったので、CEF の意味もなくなってしまい
ました。ZERO3 も HTC の WindowsMobile 機も全部 ARM です。

WindowsCE 向けにも .NET Compact Framework が登場しています。やはり PC 版と
同じように共通のバイトコード MSIL を使うので、今だったら CPU の種類が多くて
もそんなに困らなかったのかも、、しれません。
(続く)

CLI(2) C++/CLI 面白そう

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CLI の仕様に沿っていれば、.NET Framework 用アプリケーション開発は特に言語を
選びません。C# だろうが VB だろうが。この辺が Java とは少々趣が違うところで
しょうか。

そしてもちろん C++ での開発もできます。C++ といえど CLI に従うので MSIL に
コンパイルされます。C++ なのにネイティブコードにならないのは何となく不思議
な感じがします。

CLI にさえ従っていれば他の言語でもかまわないし、さらにアセンブラを使って直接
MSIL のコードを書くこともできます。

C++/CLI で非常にユニークなのはネイティブコードとの共存ができることです。

言語仕様も拡張されており、C++ のルールにのっとりつつも C# のような言語拡張が
使えて管理された安全なコードを書くことができます。これはマネージドコードと
呼ばれるものです。MSIL です。

同時に従来の C系統のコードがそのままコンパイルできて、従来のライブラリも
リンクできます。こちらはネイティブな x86 等のバイトコードになります。

この両者が1つのバイナリに共存していることになります。

ネイティブコードの部分は .NET Framework 管理下に無いのでアンマネージドコード
と呼ばれます。

ちなみに C# でも、DLL など Win32 API 呼び出しができたりポインタを使った
メモリアクセスができるので、C++/CLI と同じように意図してアンマネージドな
プログラムを呼び出したり書いたりできるようになっています。ネイティブコード
に変換されるわけではないのですが。
(続く)