HONEY BEE 101K PowerVR SGX543MP2 SH-Mobile APE5R

HONEY BEE 101K は Renesas SH-Mobile APE5R を搭載した
Android スマートフォンです。
CPU Core は ARM Cortex-A9 1.2GHz の dual、
GPU core は PowerVR SGX543MP2 と意外なほどパワフルです。

KYOCERA HONEY BEE 101K

GPU である PowerVR SGX543MP2 は iPhone 4S/iPad2 に使われており、
4core 版 SGX543MP4 は iPad 3 や PS Vita で有名です。

ところが Android ではほとんど見かけることがありませんでした。
触る機会があったので試してみました。

CPU info/GPU Caps/Extension 等

Android なので PVRTC だけでなく ETC1 もサポートされています。
テクスチャサイズが 4096 になっただけで、Extension 等それ以外の
機能は PowerVR SGX540 とほとんど同じです。
GL_EXT_shadow_samplers も無く iOS 5 になる前の iPad2 に
似ているかもしれません。

GPU ベンチマーク

速度はそこそこですが走らせるにあたりいくつか問題がありました。

(1) GL_OUT_OF_MEMORY が出やすい

glDrawElements() で GL_OUT_OF_MEMORY が発生することがあります。
CPU info/GPU Caps/Extension 等」のページに meminfo の値も追加してみました。
比べてみると GPU に割り当てられていると思われる領域が
101K の場合少ないようです。
ただしこれが本当に GPU memory に影響しているのか、
また GL_OUT_OF_MEMORY の原因なのかどうかはわかりません。

                        OS    RAM     MemTotal  (RAM-MemTotal)
--------------------------------------------------------------
ZEN Touch2              2.1   256MB   185.2MB     70.8MB
ZiiO 7                  2.1   512MB   408.3MB    103.7MB
LuvPad AD100            2.2   512MB   438.3MB     73.7MB
Desire X06HT            2.2   576MB   415.2MB    160.1MB
Galaxy S SC-02B         2.2   512MB   302.1MB    209.9MB
Xperial arc SO-01C      2.3   512MB   335.4MB    176.6MB
Xperial ray SO-03C      2.3   512MB   335.4MB    176.6MB
HONEY BEE 101K          2.3   512MB   478.1MB     33.9MB
Novo7 Paladin           4.0   512MB   334.9MB    177.0MB
SXZ-PD10                4.0   512MB   368.3MB    143.7MB
EVO 3D ISW12HT          2.3  1024MB   808.1MB    215.9MB
Galaxy S2 SC-02C        2.3  1024MB   836.9MB    187.1MB
Galaxy Nexus SC-04D     4.0  1024MB   631.2MB    392.8MB
Optimus Pad L-06C       3.1  1024MB   662.3MB    361.7MB
Galaxy Tab 10.1 SC-01D  3.2  1024MB   756.7MB    267.3MB
EeePad TF201            4.0  1024MB   983.2MB     40.8MB (*1)

*1: DirectMap4k/DirectMap2M

例えば Tegra3 である TF201 も少なくなっています。
その代わり他のデバイスには存在しない DirectMap4k/DirectMap2M という
エントリが存在しており、おそらく他のデバイスとは異なる方法で
GPU メモリを管理していると考えられます。

(2) 3D 描画しているのに CPU clock が低下する

画面を操作している間だけ描画フレームレートが上昇することに
気が付きました。
CPU clock をモニタリングしてみると、ベンチマークの 3D 描画中も
300MHz 程度まで clock が下がっているようです。
画面を連打していると 1.2GHz 近くまで上がるため、ユーザー操作が
ない場合は描画負荷が高くても cpu を寝かせる仕様なのかもしれません。

ハイエンド機ではないので当然かもしれませんが、RAM も少な目で
GPU をあまり活かしきれていないのが少々残念でした。