これ手に入れました! PC-1417G
知り合いから譲っていただきました。
約20年前に発売された SHARP のポケットコンピュータです。
一見ボタンの多い電卓に見えますが、BASIC 言語搭載でプログラミングが可能。
さらに POKE、PEEK 命令を使ったメモリの直接操作、CALL 命令を使った
マシン語(機械語)サブルーチンの呼び出しも可能です。
一旦マシン語さえ動けばそれはそれ、ネイティブなアプリケーションと
同じなので、ハードウエアを駆使したプログラミングも可能でした。
たとえ BASIC 命令に無くても、RENUMBER したり、MML 指定による音楽
再生したり、5×7 のドットマトリクスに絵を描いたり、
I/O ポートを駆使して RS-232C で無理やり通信したり、
BASIC コンパイラを走らせたりなどなど、いくらでも応用できます。
メモリも少なくて CPU も遅かったし画面も小さいけれど、
今の PDA と同じように工夫したりプログラムを作ったりと、
使い方を制限されることなく自在に操れる懐の深さは
十分 「常に持ち歩ける小さいコンピュータ」 といえるものでした。
SHARP の BASIC 系ポケコンは PC-1211/10 で始まりました。
その後 8bit CPU 搭載でマシン語が使える PC-1250/51/55/45 や、
関数計算機能を強化した PC-1401 シリーズ、4行 LCD の PC-1350系、
高級タイプ PC-1500 系などさまざまなバリエーションが登場します。
この PC-1417G は CASL/COMET エミュレータを搭載した大学専用機です。
同等の市販バージョンは PC-1445 になります。
使ってみて驚くのは、今でも関数電卓として便利に使えること。
保存状態のよさもあるのでしょうが全くどこも劣化しておらず当時のまま。
製品として完成されたタフさを感じます。
タッチの軽いハードウエアキーもしっかりしており、当たり前だけど
PDA やパソコンの電卓アプリよりずっと使いやすいものです。
電池も 100時間規模で持つし、意外に小型で薄くて軽量です。
何をするにもじっと待つことに慣らされた今の PDA に比べると、
電源を入れて即使えるポケコンは新鮮です。
キー入力は先行入力がきかないので、ほんのわずかにレスポンスが悪く
感じますが必要十分でしょう。(PC-1350系はもっと遅かった)
CPU SC61860 は割り込みの概念が無いのでキーバッファがないからです。
(PC-E500 以降に使われた SC62015 にはきちんと割り込みがあります)
さすがに今から BASIC やマシン語で凝ったプログラムを書こうという
気にはなりませんが、RUN モードでできる計算だけでも、
プレイバックに変数やラストアンサー、カンマ式など便利な機能があります。
コレクションのつもりだったけど、パソコンの隣に置いて結構使ってます。
CPU は 8bit SC61860 768KHz 、RAM は 8Kbyte なので
今の PDA は 10000倍くらい速くて 10000倍以上メモリが多いことになりますね。