月別アーカイブ: 2008年12月

PSP / Eye-Fi と EMOBILE Touch Diamond S21HT をつなぐ (WMWifiRouter + LAN-PWG/APR)

PSP と Eye-Fi Share を EMOBILE 経由でネットにつないでみました。
WMWifiRouter + アクセスポイントでの接続は、EM・ONE (S01SH2) で試したときは
だめだったけど Touch Diamond だとうまくいきます。

EM・ONE の無線LAN は特殊なようで、WMWifiRouter で設定を変えると固まることがあります。
Touch Diamond (S21HT) の場合設定した通りに動くのでいろいろ実験できそうです。

試した機材は下記の通り。

・PSP-2000 (5.02)
・Logitec LAN-PWG/APR モバイルブロードバンドルータ (ファーム 1.03)
・HTC Touch Diamond (S21HT) + WMWifiRouter 1.25

Touch Diamond PSP

●設定手順

とにかくつながればよいのでさまざまな設定方法があります。
今回は PC を使わず、上記の機器だけで設定を行いました。
下記の手順で。

●ルータ LAN-PWG/APR の初期化

(1) 電源が入ってるときにリセットを長押しして工場出荷時の設定に戻す。
(2) 裏のスライドスイッチを AP にする (アクセスポイントモード)

●PSP でルータにつないで設定を行う

ルータの設定を変更するためにブラウザでアクセスします。
Touch Diamond を使っても構いませんが PSP でやってみます。

(1) 設定 → ネットワーク設定 → インフラストラクチャモード → [新しい接続の作成]
(2) ワイヤレスLAN設定の画面で「検索する」
(3) ルータのデフォルトSSID “LAN-PWG_APR” が見えるのでそれを選ぶ
(4) SSID は「 LAN-PWG_APR 」のまま
(5) ワイヤレスLANセキュリティ設定は初期設定なので「なし」のまま
(6) アドレス設定は「かんたん」 (初期状態では DHCP サーバーが有効)
(7) 接続名を適当につける
(8) 設定を保存 (テストは不要)

以後ブラウザから

(9) メニューからネットワーク→インターネットブラウザ
(10) 「利用する接続を選択してください。」のリストから (8) で保存した設定を選ぶ。
  DNS 等でエラーが出ても無視して構わない。

(11) (△) でメニューを出して十字キー [↑] で画面上の「アドレス」にカーソルを合わせる
(12) アドレスバーに「 http://192.168.1.200 」と入力
(13) ユーザーID とパスワードをきかれるので、両方とも「 admin 」といれる

以後設定画面

(14) ルータの設定画面が開くので「基本設定」のボタン
(15) 暗号化方式を WEP に変更し、WEPキー の入力形式を「ASCII」に切り替える
(16) WEPキーの 1番に、半角アルファベット 5文字で任意の文字列を入れる
(17) 「設定」ボタンを押して保存。再起動のため 80 秒ほど待つ。
  この間ルータが再起動するのでいったん接続が切れる。
  ブラウザを終了。

メニューで再びネットワーク設定へ

(18) 設定 → ネットワーク設定 → インフラストラクチャモード → (8)で保存した設定
(19) 「手動で入力する」を選ぶ
(20) SSID はそのまま
(21) ワイヤレスLANセキュリティ設定を「WEP」に変更
(22) WEPキーに (16) で登録した文字列を入れる
(23) アドレス設定「かんたん」のまま
(24) 保存し終了 (テスト不要)

再びブラウザへ

(25) メニューからネットワーク→インターネットブラウザ
(26) (11)~(13) と同じように入力して再び設定画面を開く (URL の入力履歴を使うと簡単)
(27) IPアドレス設定を選ぶ
(28) 無線側の「DHCPサーバー」が有効になっているので「無効」に変更する。
(29) 「設定」ボタンを押します。
  再びルータの再起動で接続が切れます。ブラウザを終了します。

● Touch Diamond (S21HT) 側の設定

あらかじめ WMWifiRouter をインストールしておきます。
また電源が勝手に切れないようにしておきます。
 設定→電源→詳細設定 から「次の時間経過後、電源を切る」のチェックを外す。

(31) WMWifiRouter を起動する。
(32) Options → Configuration → Wifi network…
   Dynamic (Safer) → None (advanced) に変更
(33) Options → Configuration → IP range…
   「192.168.1.x」に変更する。
(34) いったん WMWifiRouter を終了する。

(35) 設定 → 接続 → Wi-Fi のアイコン → ネットワークの検索
(36) LAN-PWG_APR がみつかったら、社内ネットワーク設定 → データ暗号化を WEP にする
  「自動的に提供されるキーを使用する」のチェックを外して
  PSP 上で設定した (16) の WEP キーを入れる
(37) “LAN-PWG_APR” が接続中のままになるけどそのまま

(38) WMWifiRouter を起動する。
(39) 3G → Wifi ボタン (Cellular to Wifi) で接続を開始する。
(40) Wifi に「Network: LAN-PWG_APR」と表示されたら完了。
  もし再び WEP キーをきかれたら (36) と同じように入れる。

これで終わりです。

●PSP から利用する

これで PSP から EMOBILE 経由でネットにつながるようになります。
(8) で保存した設定でつなぎます。
一応試したもの。

・インターネットブラウザ
・PlayStation Store でまいにちいっしょの 12/15 更新をダウンロード
・まいにちいっしょポータブル の トロステ更新
・インターネットラジオの再生 64kbps のもの

一通りできますがレスポンスが遅いので、設定をもう少し吟味した方がよいかもしれません。
以前 ZEROProxy を使用したときはブラウザだけでしたが、WMWifiRouter だとブラウザ以外も
使用できます。
どこでも まいにちいっしょ が見れます。

●Eye-Fi

Eey-Fi も PSP 同様に無線 LAN の設定さえしておけば、EMOBILE (Touch Diamond) 経由で
アップロードできました。
それなりに時間がかかるので、上りが高速な HSUPA 対応端末の方が良いかもしれません。

関連エントリ
Eye-Fi Share 無線LAN内蔵 SDカード(2) 実験など、簡単な解析
Eye-Fi 無線LAN内蔵 SDカード
EMOBILE 経由で PSP ブラウザ

WbalanceGE 2008年 窓の杜大賞 にノミネートされていました

1年ほど前に作った WbalanceGE が窓の杜対象にノミネートされていました。
Balance Board を使って Google Earth 上を歩くソフトです。

窓の杜 2008年 ノミネート一覧 作品部門

結果はごらんの通り

窓の杜 2008年 窓の杜大賞 結果発表

入賞していないのでどれだけ票が入ったのか、入っていないのかわかりませんが
投票してくださった方がいましたらお礼申し上げます。
ありがとうございました。

プログラムを書いたのは自分ですが、アイデア出したのは HYPERでんち
トップにあるモデルを作ったアクリルさんです。

関連エントリ
バランスWiiボード で地球を歩く WbalanceGE v1.10
地球上を歩き回る GoogleEarth 対応 WbalanceGE v1.00

ニコン UP300x/UP300 を体験してきた。ヘッドマウントディスプレイ

試してきました。メディアポート UP300
Nikon MEDIA PORT UP 300x

ただの単眼式のヘッドマウントディスプレイかと思ったら違いました。
iPod など最近の「多機能メディアプレイヤーにヘッドホンとモニタが一体化しているもの」
といった方が正しいようです。

単体でメモリを 4~8GB 内蔵しており、音楽、画像、ムービーといった各種プレイヤー
機能が含まれています。
特に安い方のモデルには外部入力端子がなく、ディスプレイとして利用することが
できないあたりにこの商品の狙う位置が見えます。

本体は意外に軽く普通のヘッドホン感覚で使えます。
最初に行うのはディスプレイ部の位置あわせとピント調整です。

ダイヤルを回しきってもなかなかうまくあわなかったけれど、目よりも若干下で
ぴったり合う位置を発見。アームはかなり柔軟に動きます。

画面は思ったほど大きいものではなく、視界の中に PinP の小画面が浮いている感じ。
カタログの表現を借りると「1m 先に 17インチ相当」です。

単眼式なので、大迫力というよりは他のことしながら情報ウィンドウが片側に開いている
イメージでしょうか。解像度は VGA。

最初は片目の方が見やすいですが、設定がうまくいって慣れてくると両目をあけたままで
見えるようになりました。

WiFi も内蔵しており、ストリームでメディアを再生したり内蔵ブラウザで web 閲覧も可能。

ブラウザの操作はヘッドホン横のスクロールホイール+カーソルキーで行います。
解像度は 640×480 ながらサイズが小さいためフォントも大きめ。
制限されたボタン操作かつ描画や転送が重いので、残念ながら快適というほどでは
ありません。一応赤外線リモコンが用意されているようです。

たぶん携帯電話の方が速くて快適でしょう。
もし携帯電話の出力を表示できるならば、ワイヤレスキーパッド のようなワイヤレスの
Bluetooth キーボードも使って携帯メールなども快適に書けるだろうなと。

きっと歩きながら下を見て携帯の画面を注視し続けるよりも、
こんな感じで視界に浮いている方がまだ安全だと思います。見た目はともかく。

ヘッドホン内側には WindowsCE 5.0 のシールが貼られていました。
CE5 は WindowsMobile5~6 等にも使われているものです。

無線 LAN 内蔵で WindowsCE を採用したメディアプレイヤーといえば
Toshiba Gigabeat や Microsoft の Zune があります。
でも WindowsMobile のロゴではなかったことと、独自のメニュー構造に見えたので
これらと同じプラットフォームを利用しているわけではなさそうです。
アプリが作れたり XNA が動いたりしたら楽しいのですが無理っぽい。

あくまで多機能メディアプレイヤーであって、モニタとしての用途は限られています。
1万円高い UP300x にしか外部入力端子が無く、用意されているケーブルは iPod 用
などミニジャックのものだけ。

コネクタさえあわせればビデオ入力(コンポジット)は可能と思われますが、
他にどんな入力が可能かは明記されていませんでした。
(本体側はマルチコネクター端子という特殊なもの)
例えば S端子入力に対応しているかなど、ショールームのスタッフも問い合わせた
サポートの方も、わからないという以前に質問の意味や意図を理解していない様子でした。

PSP もインターレースに対応した PSP-3000 ならつながるとは思いますが、
反応速度等がわからないのでどこまでゲームに使えるかどうかは不明です。
携帯電話も以前は TV出力機能付きがありましたが今もあるかどうかわかりません。

メディア再生よりも、歩行ナビのような情報表示とかメール着信表示とか、
いつでも取れるテキストメモやメールとか、
ツールとしての活用の方がおもしろそうに見えました。

内蔵ブラウザではくっきりしたデジタル表示なのに、入力がもしビデオ端子のみ
だとしたら少々残念なところです。

またモーションセンサーも入っていますがあまり活用されていないようです。
スタッフの方も機能を知りませんでした。
頭の動きを感知できるので、情報を取り出してコントローラにしたりとかできたら
おもしろそう。(でもおそらくできない)

商品コンセプトもターゲットもメディアプレイヤーとして一般向けを狙っているようです。
でも一発目だし値段を考えても、もう少し新しい物好きの人に向けた深いところも
用意した方が良かったのではないかと感じます。
何でもやってくれる機能ではなく 何かできそうな機能が欲しい。

おもしろいし かなり欲しかったので 今後に期待します。

Eye-Fi Share 無線LAN内蔵 SDカード(2) 実験など、簡単な解析

●普通の SD カードリーダーが使える

Eye-Fi 付属の USB カードリーダーではなく、他のカードリーダーを使ってもソフトウエアの
インストールや無線 LAN 設定ができます。
実際に GREEN HOUSE の GH-CRHC35-U2 や ELECOM MR-C11BK で
インストールと設定変更ができました。
(ファームウエアの更新は未確認)

無線設定など Eye-Fi カードの機能アクセスのために、専用の USB アダプタを使用
しているわけではないようです。

ただしノート PC 内蔵のカードリーダーを使うと、PC 内蔵の無線 LAN アダプタと
電波が干渉するのかネット接続が切断されました。外付けのカードリーダーを使って
できるだけ本体から離した方が良いようです。

●マネージャー

Eye-Fi Manager は複数の PC にインストールできます。
同じアカウントでログインしておけば OK。
カードを差し込んで設定変更できますし、転送先 PC を切り替えながら使えます。

●転送の組み合わせ

転送先の組み合わせは次の 3種類です。

(1) Eye-Fi カード ==> インターネット共有サイト
(2) Eye-Fi カード ==> パソコンの指定フォルダ
(3) Eye-Fi カード ==> インターネット共有サイト + パソコンの指定フォルダ

一見ネットと関係ない (2) の場合でも、インターネットに接続してログイン
できなければ転送が行われませんでした。

純粋に認証のためかもしれないし他に理由があるのかもしれません。
例えば USB カードリーダーを使った Eye-Fi カードへのアクセスは無線 LAN 設定
だけであって、それ以外の設定はサーバーを経由している可能性があります。
つまり

 1. PC 設定をサーバーに書き込む
 2. Eye-Fi カードはサーバーから設定情報を受け取って動作を決定する

といった仕組み考えられます。
実際に複数の PC で無線 LAN 以外の設定は共有されていました。
メール通知のためかもしれません。

●隠しフォルダ

Eye-Fi カードのルートには EyeFi というフォルダがあり、中に

REQC
REQM
RSPC
RSPM

と 4つのファイルがあります。すべて 16KB 固定です。
このうち RSPM ファイルは直前の操作によって中身が上書きされています。
ログ取得を行った直後はログファイルの一部が書き込まれているし、無線LAN 一覧が
列挙されていることもあります。
カード内部にアクセスするための I/O ファイルのような感じ。

・設定された無線LANの列挙
・検出された無線LANの列挙(電波強度などの情報付き)
・テキストログ

アップロード履歴はログを元に Eye-Fi Manager で生成しているだけかもしれません。

●DHCP エラー

やはり自分の環境だと DHCP のエラーでつながらないことが多いようです。
つながるときもあります。今のところもう 1つのルータなら大丈夫。
回避用に固定 IP の設定も欲しいところです。

関連エントリ
Eye-Fi 無線LAN内蔵 SDカード 設定や感想やらはこちら

Eye-Fi 無線LAN内蔵 SDカード

無線LANによる自動アップロード機能付き SD カード、Eye-Fi を手に入れました。
Eye-Fi

容量は 2GB。
デジカメでこのカードを使用すれば、写真を撮るとすぐにパソコンに転送してくれます。

データ転送のためにいちいちカメラからメモリカードを抜かなくてもいいし、
専用の USB ケーブルでつながなくてもいい。
それどころかカメラを専用の通信モードに切り替える必要すらなく、撮影状態のままでも
手間無く転送が行われます。

利用するにはパソコンが必須で、まずは Eye-Fi カードのセットアップを行います。
無線 LAN の設定など。

初期設定は非常に丁寧に作り込まれていますが、ウィザードに従い一通りの手順を
体験しなければなりません。

パッケージには Eye-Fi カード本体と、専用の USB カードリーダーがセットになっています。
親切にも最初からカードリーダーに差し込まれた状態です。そのまま PC へ。
必要なソフトウエアもカードに書き込まれており、ドライバ CD 等はありません。
表示される指示に従うだけで準備は完了します。

(1) 最初にアカウントを作ります。PC側の通信でサーバーに登録されるようです。

(2) ファームウエアの更新が行われます。

(3) 次にカード側の無線 LAN でネットにつながるか確認します。
  DHCP が必須で、IP アドレス等の手動設定はありません。
  実際にインターネットにつながっているかどうか、Eye-Fi のサーバーまで
  到達できるかどうかもチェックします。

(4) オンラインの共有サービスに自動でアップロードするか設定します。
  PC への転送だけが目的なら設定しなくても構いません。

(5) PC の保存フォルダの確認など。

(6) カードを抜いてデジカメへ。実際に最初のアップロードが行われるかテストします。

これらを全部クリアして初めて完了します。
使用した PC は WindowsVista x64。

(3) の無線 LAN 設定ではまりました。無線はつながるものの DHCP でタイムアウトし、
アドレスを受け取れない状態が続きました。

構築してあるルータの設定を変更したくはないし、
先に他の設定だけ済ませてからゆっくり原因を探すこともできないし、
手動で IP 設定することもできないし、
親切なウィザードがあだとなる何もできない状態。

別のルータを用意してセキュリティを落としてテストするとつながったので、
一通り初期化を済ませてまずは登録。
それから設定を何度か変更しつつ本来の無線 LAN アクセスポイントにも接続できました。

●気がついたことなど

一度転送した写真は再転送しない。
最後に転送したファイルのタイムスタンプか撮影日をチェックしているように見えます。

転送してもデータの削除は行われません。
カードが勝手にファイルを削除すると本来のホスト(デジカメなど)と同期が
取れなくなるのでおそらく無理。

データの転送確認はデジカメでなくてもできます。初期化をこれで済ませました。
他のノート PC にカードを挿して DCIM フォルダを作成。さらにその中に適当な
フォルダを作って jpg ファイルをコピーします。
しばらくたつと勝手に転送が始まるはず。

例えば

  \DCIM\A

の中に拡張子 .jpg で画像を保存するだけ。

4文字拡張子 .jpeg はだめ。
ファイルの中身が別のフォーマットだったりすると、最初転送しようとしますが
受け取る PC 側ではじかれます。

付属のカードリーダーは普通の SD カードリーダーとして使えます。
16G SDHC もいけました。

逆に普通の SD カードリーダーに Eye-Fi を入れてもマネージャーが認識します。
ただし設定やファーム更新の安定性を考えると純正のものを使った方が良いと思われます。

●使用感

使い始めたばかりですが非常に快適です。
完全なワイヤレスであり、さらにモードレスでもあります。

添付ソフトや設定もわかりやすいので、本来ならトラブルもなく完了するはず。

外では直接インターネットへアップロードすることを想定しているようですが、
ポータブルのルータがあればノートPC にその場で保存することもできそうです。