マウスの感度を示す単位はミッキーというらしい。
じゃあどうやってミッキーを測るんだろう、ということで簡単に試してみました。
マウスの入力値の取得には DirectInput を使用します。
DirectInput の Buffer モードを使って移動量の変化を取り出します。そのままだと
DInput の取得値にも速度に応じて加速がついてしまうので設定が必要です。
・コントロールパネルのマウスから
ポインタオプションのタブ→速度のグループで
「ポインタの精度を高める」のチェックを外す
これで加速補正が無くなります。
「ポインタの速度」は DirectInput の値に影響しません。
マウス付属のドライバやユーティリティは使わず、Windows 標準のドライバのみ
使用しています。
こんな感じでマウスにガイドを付けます。
出来るだけ水平、または垂直に移動できるように。
カウンタをリセットしてだいたい 1インチ分だけ移動して得られた値を調べます。
精度が高いため手で試してもかなり誤差が入り厳密な値はとれません。
以下数値はかなりいい加減です。
だいたい 800~1000 くらいの範囲の値を返します。
おそらくこれがマウスセンサーのカウント値です。
1インチ移動する間に何回センサーの On/Off をカウントできるのか、どれだけ細かく
動きを読み取れるのか表す単位として cpi (count per inch ) があります。
メーカーによっては dpi (dot per inch) と表現されているものもありますがおそらく
同じものです。
テストしたマウス
(1) BlueTrack
Microsoft Explorer Mini Mouse
1000dpi/8000fps
結果
・800~1025 (8~10.2ミッキー)
(2) Laser
SIGMA APO SLATWRF
800,1600cpi/6600fps
結果
・800cpi モードで 800~900 (8~9ミッキー)
・1600cpi モードで 950~1450 (9.5~14.5ミッキー)
◎速く動かした方が値が小さい
センサーの読み取りエラーが発生しやすくなるためと思われます。速く動かした場合の
耐性を表す目安が、マウススペックに記載されている fps となるようです。
◎精度を切り替え可能な場合
低い cpi モードの方がほぼ期待通り、安定した数値になっています。
高い cpi モードの場合、全体的に数値は増えますがスペック通りの上限には達しま
せんでした。材質の相性や速度の影響を受けやすくなっているためと思われます。
精度は上がるがよりノイズを含んでいる状態といった感じでしょうか。
◎相性
机やマウスパッドの材質とセンサーの相性でかなり変わります。
反応が悪いと半分くらいの値になることも。
カタログスペック通りと想定するなら、800cpi(dpi) のマウスは 8ミッキーでカウント
値からマウスの移動量がわかります。もし正確ならば、マウスを使って長さを測る
こともできるでしょう。
でも実際は机やマウスパッドとの相性と速度の影響が大きく、頻繁に読み取りエラーが
発生していることがわかります。平均ミッキーはこれらの条件によって変わります。
特に速度は重要なパラメータで、cpi だけでなくマウスの性能として fps も併記
されているのはそのためでしょう。
きちんとツール化して調べれば、最もエラーの少ないマウスパッドの組み合わせを
探し出すなど活用できそうです。
参考にさせていただいたページ
・その37.Windows標準のポインタ(カーソル)速度の変遷
・Windows XP でマウス ポインタの加速を調節する方法
// DirectInput DWORD elems= 32; DIDEVICEOBJECTDATA data[32]; HRESULT hr= iDevice->GetDeviceData( sizeof(DIDEVICEOBJECTDATA), data, &elems, 0 ); if( FAILED( hr ) ){ return; } DWORD ac= elems; for( DWORD i= 0 ; i< ac ; i++ ){ switch( data[i].dwOfs ){ case DIMOFS_X: PositionX-= *(int*)(&data[i].dwData); break; case DIMOFS_Y: PositionY-= *(int*)(&data[i].dwData); break; } }