現時点で Android Wear に使われている SoC 一覧です。
SoC | CPU | core | GPU | GL | Dev |
---|---|---|---|---|---|
TI OMAP 3630 | Cortex-A8 1.0GHz | 1 | PowerVR SGX530 | ES 2.0 | x1 |
MediaTek MT2601 | Cortex-A7 1.2GHz | 2 | Mali-400 | ES 2.0 | x1 |
Snapdragon 400 | Cortex-A7 1.2GHz | 1-4 | Adreno 305 | ES 3.0 | |
Snapdragon Wear 2100 | Cortex-A7 1.2GHz | 1-4 | Adreno 304 | ES 3.0 | |
Intel Atom T1000 | Silvermont 1.0GHz | 2 | PowerVR G6400 | ES 3.1 | x2 |
・Dev = 採用機種の数 (2016/12/29現在)
スマートウオッチの場合、記載されているスペックが必ずしも実際のパフォーマンスと一致していないので注意が必要です。例えば Snarpdragon 400 は Cortex-A7 の Quad core 搭載ですが、Android Wear の場合はそのうち 1~2 core しかアクティブになっていないようです。パフォーマンス面でも実質 1 ~ 2 core CPU と同等になります。
同じように動作クロックでも、仕様には 1.2GHz と表記されていても実際は 0.8GHz で頭打ちになっているものがありました。同じ SoC でも機種によってかなり性能にばらつきがあります。
下記は分かる範囲で実質スペックをまとめたものです。
SoC | CPU | core | Device |
---|---|---|---|
TI OMAP 3630 | Cortex-A8 1.0GHz | 1 | Moto 360 Gen1 |
Snapdragon 400 | Cortex-A7 0.8GHz | 1 | LG G Watch W100 |
Snapdragon 400 | Cortex-A7 1.2GHz | 2 | SmartWatch SWR50 |
Intel Atom T1000 | Silvermont 0.5GHz | 2 | Fossil Q Founder |
採用されている SoC の種類としては、Snapdragon 400/Wear 2100 が最も多くそれ以外は少数派となっています。Snapdragon が実質リファレンス相当であり反応速度も良好です。
TI OMAP 3630 は Android 2.x 時代の非常に古い SoC です。今となっていは描画も遅く性能面では見劣りしてしまいます。ですが採用している Moto 360 Gen1 は非常に人気があったので、アプリの互換性を考える場合は無視することができません。
Moto 360 の後継機は Snapdraogn 400 になりました。Snapdragon 400 はつい最近まで低価格帯の Smartphone に使われていたもので、OMAP 3630 と比べると性能差にはだいぶ開きがあります。
MT2601 を採用しているのは今のところ POLAR M600 だけです。こちらは新しい SoC なので今後採用例が増えてくるものと思われます。
Intel Atom を搭載しているのは TAG Heuer Connected と Fossil Q 初期型 Founder の 2機種になります。Fossil Q の後継機である Wander, Marshal は Snapdragon Wear 2100 になりました。
Intel はアーキテクチャが異なります。Smartphone や Tablet の場合 Atom 搭載機種には ARMv7A を x86 に変換する Binary Translator が乗っており、armeabi-v7a のバイナリがそのまま動くようになっています。Android Wear では、搭載メモリが少ないせいか Binary Translator が乗っていない可能性があります。対応 abi が x86 だけなので、NDK を使う場合は x86 の binary がおそらく必須となるでしょう。
なお TAG Heuer Connected は RAM が 1GB と倍増しており、かつ CPU も 1.6GHz と高性能がものが使われているので、こちらは Binary Translator に対応しているかもしれません。
Atom 機種の Smartwatch は SoC の詳細が伏せられていますが、GPU が PowerVR G6400 であることからおそらく Z34xx 相当の低クロック版に相当するものと思われます。性能が抑えてあるとは言え、PC 相当の x86 プロセッサが腕時計の中に収まる時代になっています。
下記ページも更新しています。
関連エントリ
・Apple Watch S2 の CPU と浮動小数点演算
・Android Wear Sony SmartWatch 3 SWR50 は速い
・Android x86 Binary Translator を試してみる
・Android Wear LG G Watch (LG-W100) の速度(実測)