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NetWalker PC-Z1 設定とキーの打ち方

Ubuntu のデスクトップ環境はよくできています。
設定とかウィンドウ上のダイアログだけで済んでしまうし、普通に使っている分には
Windows とあまり変わらない印象です。

もちろんコマンドシェルを使った方がやれることが多いだろうし、以前から Linux や Unix 系
OS を使っている方ならコマンドを打ち込んだ方が早いかもしれません。
そのため古くから使っている人だけでなく、ネット上に蓄積されている情報もコマンドで作業する
ものが多くなっています。
今後誰でも使える環境を目指すなら、コマンドに頼らない GUI だけで活用するノウハウも
必要になってくるのではないでしょうか。

● VPN の設定

通知スペースにある 無線LAN のアイコンをクリックすると「VPN 接続」という項目があります。
そのまま設定できそうですができませんでした。何らかのマネージャーを登録する必要があるようです。

ここでは PPTP を使っています。

・アプリケーションの追加と削除から PPTP で検索
・PPTP VPN Connection Manager が見つかったのでインストール
 (チェックボックスにチェックを入れて、変更の適用)

これで通知スペースのネットワークアイコンから「VPN 接続」を選べるようになりました。

・VPN の設定から [追加]
・VPN 接続タイプで PPTP を選択して [作成]
・必要な項目を書き込む

「VPN 接続」のメニューに書き込んだ項目が追加されました。
これでうまくいきそうに見えますがつながりません。

エラーが出ているようですが、右上の通知も一瞬で消えるので原因もよくわからないまま。
ログアウトして再ログインしてもだめでした。

しばらく悩んだものの、結局再起動したらあっさりつながりました。
ネットワークアイコンにもログイン状況を示すアニメーションや鍵マークが表示されて
VPN で繋がっています。

●クイックスタートボタンを無効化する

本体支える場所が少ないのでクイックスタートボタンをよく触ってしまいます。
下記の設定で無効化できることがわかりました。

設定 → キーボード・ショートカット → デスクトップ →「Run a defined commnd」

XF86HomePage, XF86WWW, XF86Mail, 0xca と書かれているのがそれぞれ
HOME, Web, Mail, ☆ ボタンに相当するようです。
個別に選択して [BS] キーを押すと「無効」になります。
設定を変更したら、いったんログアウトして再ログインし直すと反映されます。
元に戻すには、個別に選択して対応するキーを押せば OK です。

● Flash プラグイン

ブラウザが落ちやすくなったので結局無効にしてしまいました。
ツール → アドオン → プラグイン → Shockwave Flash 無効化

●片手だけタッチタイプで使う

(1) 両手とも5本指

テーブルに置いた状態では、両手でキーボードをたたいています。
パソコンと同じようにホームポジションに手を置きながら。
オプティカルポイントは人差し指で操作です。

(2) 親指のみ

電車の中など立って使う場合は、両手で持って親指でオプティカルポイントを操作しています。
この場合キーボードも親指打ちになります。

でもこれだと中央のキーを打ちづらいしあまり速く打てないので、文章を打つ場合は
右手だけ 5本指を使うようになりました。

(3) 親指+5本指

左手は本体のホールド兼用で、左側のキーを親指で打ちます。
右手はホームポジションに乗せて、そのまま (1) と同じようにタッチタイプします。
オプティカルポイントは人差し指や中指で。

この打ち方のメリットは右手側のキーだけ見なくても速く打てることと、左手の親指が届かない
真ん中のキーを右手でカバーできることです。
デメリットは本体を支える左手が疲れること。
左右逆でもよいかもしれません。

●NetWalker

個人的にはタッチタイプできる絶妙なサイズのキーボードで、予想に反して手放せないものと
なりつつあります。

親指打ちに特化されたキーボードだと、上のような組み合わせた持ち方&打ち方は出来ないし、
これ以上キーボードが大きくなるとおそらく本体も重くて片手で支えられなくなります。
複数の打ち方を使い分けられる別のジャンルと割り切ってよいのではないでしょうか。
Netbook が買える価格帯であることを考えると決して万人には勧められませんし、それぞれ
個別に見ていくと中途半端に見えるかもしれません。
だけど今まで無かったこの中途半端なサイズを求める人にはぴったりかもしれません。

今後キーの質が改良されるのは望むべきことですが、サイズとか他のところはあまり大きく
変えないで欲しいというのが今の感想です。

関連エントリ
NetWalker PC-Z1 と親指シフト入力
NetWalker PC-Z1 Bluetooth とキーカスタムその他
NetWalker PC-Z1 意外にいける
Netwalker PC-Z1 買いました

NetWalker PC-Z1 と親指シフト入力

コメントをいただきましたのでこちらにも書いておきます。
NetWalker は購入後、何のソフトを入れなくても最初から親指シフト入力が可能です。
もしかして富士通以外のメーカー PC で親指シフト入力に最初から対応しているのは、
これが初だったりするんでしょうか。
実は Anthy が親指シフト入力に対応しているおかげです。

設定から
 システム → 設定 → SCIM入力メソッドの設定 → IMエンジン → Anthy

入力方式: 親指シフト入力方式

に切り替えれば OK です。

以後デフォルトが「親指シフト入力」になりますし、この状態でも [Alt] + [ローマ字] を押せば

ローマ字入力 → かな入力 → 親指シフト入力

と順番に切り替わります。細かいカスタマイズも出来ます。

ただし難点もいくつかあります。

・NetWalker のキーの出来(つくり)が悪くてタッチタイプするにはかなり練習が必要
・キーボードの周囲がせり上がっていて、下段のキーを親指で押しづらい
・[ね,][ほ.] のキーが小さい
・カスタマイズしないと [ん;] のキーが遠い

幸いなことにキーの入れ替えは標準の機能で出来ます。親指シフト入力向け (?) の
キー入れ替えはこちら をどうぞ。
USB や Bluetooth の外付けキーボードを使えば問題ないかもしれません。

キーボードの周囲の縁はいつか削ろうと思ってます。

↓削りました
netwalker_01.jpg

関連エントリ
NetWalker PC-Z1 Bluetooth とキーカスタムその他
NetWalker PC-Z1 意外にいける
Netwalker PC-Z1 買いました

NetWalker PC-Z1 Atom と速度比較

Atom と比べてみました。
あくまで参考程度でお願いします。

  ALU    FPU    MEM1   MEM4
  9.32   5.17   4.24   3.20     (1)  Core i7 920 2.67GHz
 29.41  29.36  43.83  27.43     (2)  Atom Z540 1.86GHz
 68.68  68.73  46.70  36.45     (3)  Atom Z540 800MHz
 42.88  44.09  39.45  20.03     (4)  Atom N270 1.60GHz
 37.82 209.76  56.35  30.68     (5)  Cortex-A8 800MHz NEON
 37.84 209.79  58.17  30.69     (6)  Cortex-A8 800MHz VFP
 37.83 252.80  56.34  30.75     (7)  Cortex-A8 800MHz soft
 42.96 211.02  55.86  30.52     (8)  Cortex-A8 800MHz NEON + Thumb-2
 42.85 212.18  55.87  30.53     (9)  Cortex-A8 800MHz VFP + Thumb-2
 42.92 267.23  55.84  30.54     (10) Cortex-A8 800MHz soft + Thumb-2

単位は秒、値が小さい方が高速

テストは基本的にただのループかつシングルスレッドのみです。
数値は Real Time なので厳密なコードのみの実行速度ではないです。

ALU 全部キャッシュに収まる整数演算とループ
FPU スカラーの浮動小数演算を含んだループ
MEM1 8bit 単位のメモリアクセス
MEM4 32bit 単位のメモリアクセス

(5)~(10) が NetWalker です。
浮動小数演算以外はほぼ Atom と近い範囲で、クロック差があるにもかかわらずかなり
善戦しています。おそらく整数演算に関してはシングルスレッドかつキャッシュに入る場合、
同クロックの Atom よりも高速です。

ただし実際の動作速度は CPU core の速度だけでなく、メモリや SSD 等他のデバイスの
影響が大きいので、これだけで判断することは出来ません。

また Atom は HT 前提のパイプライン設計なので、シングルスレッドではその性能を
出し切れていないともいえます。
同じように (1) の Core i7 も 8 スレッドのうち 1つだです。ちなみに (1) は
同時に VirtualBox の仮想 PC が動いていたりとかなりの悪条件で走らせました。

計測も Real 時間なので、バックグラウンドで動いているタスクの影響を少なからず
受けているといえます。この場合 HT を持っている Atom の方が若干有利に働くかも
しれません。

(3) は Z540 の電源設定を変更して、上限 800MHz で動かしたものです。
ALU FPU 時間はクロック数に比例して遅くなりました。MEM1/MEM4 はそれほど変化が
ないようです。この点から MEM1/4 の実行速度は CPU core の速度度よりも、メモリ
アクセス時間の割合の方が大きいと考えられます。

(2)/(3) と (4) はクロック比と速度が一致していません。これはおそらくコンパイラ
の差です。最適化の傾向が異なっており、ループ内の演算に無駄があり畳み込める
条件では gcc の方が高速でした。また VC は SSE 命令を使っており、gcc は
-msse4 をつけても FPU 命令に展開されています。

MEM1 は 1byte 単位で 32MByte を読み書きしています。
MEM4 は 4byte 単位で 64MByte アクセスしています。
よってループ回数は MEM4 が半分になります。
(4) の結果を見ると MEM4 は MEM1 のちょうど半分の時間で完了しているので、
このテストではデータサイズが速度に影響を与えていないようです。

浮動小数演算はただのスカラー演算です。遅すぎて、設定ミスとか例外が発生してるの
ではないかと疑いました。一応 vfp,neon,soft と 3通り試しています。
取りあえずエミュレーションよりは速いことがわかります。
きちんと SIMD を活用すれば、もう少しそれなりの速度が出るのかもしれません。

Thumb-2 の効果は確認できました。16/32bit 命令が混在しており、FP 命令呼び出しも
特に速度が落ちていないようです。

浮動小数演算以外は思ったよりも速いです。浮動小数演算が著しく遅いのは、
プログラムのミスなのかまだ良くわかっていません。

ARM の浮動小数演算に関しては下記ページを参考にさせていただきました。
ひまじめ 組み込みLInux

(2009/09/30 追記) 続き>> NetWalker PC-Z1 Cortex-A8 浮動小数演算の実行速度

(1) PC
Core i7 920 2.67GHz
Windows7 RTM x64, VC2008 x86 -arch:SSE2

(2) VAIO type P
Atom Z540 1.86GHz
Windows7 RC x86, VC2008 x86 -arch:SSE2

(3) VAIO type P
Atom Z540 1.86GHz (800MHz)
Windows7 RC x86, VC2008 x86 -arch:SSE2

(4) EeePC 901
Atom N270 1.6GHz
Ubuntu 9.04 x86, gcc-4.3.3 -mssse3

(5) NetWalker PC-Z1
i.MX515 Cortex-A8 800MHz NEON
Ubuntu 9.04 armel, gcc-4.3.3 -mfloat-abi=softfp -mfpu=neon

(6) NetWalker PC-Z1
i.MX515 Cortex-A8 800MHz VFP
Ubuntu 9.04 armel, gcc-4.3.3 -mfloat-abi=softfp -mfpu=vfp

(7) NetWalker PC-Z1
i.MX515 Cortex-A8 800MHz soft
Ubuntu 9.04 armel, gcc-4.3.3 -mfloat-abi=soft

(8) NetWalker PC-Z1
i.MX515 Cortex-A8 800MHz NEON + Thumb-2
Ubuntu 9.04 armel, gcc-4.3.3 -mfloat-abi=softfp -mfpu=neon -mthumb

(9) NetWalker PC-Z1
i.MX515 Cortex-A8 800MHz VFP + Thumb-2
Ubuntu 9.04 armel, gcc-4.3.3 -mfloat-abi=softfp -mfpu=vfp -mthumb

(10) NetWalker PC-Z1
i.MX515 Cortex-A8 800MHz soft + Thumb-2
Ubuntu 9.04 armel, gcc-4.3.3 -mfloat-abi=soft -mthumb

(2009/09/30 追記) 続き>> NetWalker PC-Z1 Cortex-A8 浮動小数演算の実行速度

関連エントリ
NetWalker PC-Z1 Bluetooth とキーカスタムその他
NetWalker PC-Z1 意外にいける
Netwalker PC-Z1 買いました
タッチタイプの境界
NetWalker PC-Z1

NetWalker PC-Z1 Bluetooth とキーカスタムその他

●Bluetooth

Bluetooth アダプタ Princeton PTM-UBT3S, PLANEX BT-Mini2EDR を使ってみました。

・システム → システム管理 → Synaptic パッケージマネージャー
・gnome-bluetooth をインストール指定 → 適用
・いったんログアウトして再ログイン

アダプタを接続すると通知スペースに Bluetooth のアイコンが表示されるので
そこからペアリング等を行います。または システム → 設定 → Bluetooth 。

ペアリングしたもの。
マウス SONY VGP-BMS33, キーボード REUDO RBK-2100BTJ

二回ほどサスペンド後にアダプタを認識してないことがありましたが、
電源入れ直し等で復活。以降は今のところ動いています。

●キーボード

購入時からキーボードの配列のカスタマイズを考えていました。
本当は uinput を使いたいのですが module uinput.ko が無かったので取りあえず
xmodmap を使います。

$ xmodmap -pke > $HOME/.Xmodmap

以降 .Xmodmap の書き換えでキー配列の入れ替えができます。
書き換えた内容はログインし直しで適用されるはずです。
その場で確認するなら

$ xmdomap $HOME/.Xmodmap

上のコマンド実行だけだとサスペンド後に配列が戻ってしまいます。
再ログインしておけばサスペンド後も有効となります。
$HOME に .Xmodmap で始まるファイルが複数ある場合、ログイン時にどれを用いるか
選択画面が出ます。

実際に設定してみます。
例えば [/?] (61) と [;+] (47) を入れ替えるなら 61 と 47 を交換します。

!keycode  47 = semicolon plus semicolon plus semicolon plus
keycode  61 = semicolon plus semicolon plus semicolon plus

!keycode  61 = slash question slash question slash question
keycode  47 = slash question slash question slash question

Shift や Control キーを入れ替える場合はモディファイヤの再登録が必要です。

[ J ][ K ][ L ][/? ][Ent]
 [ M ][<,][>.][ ↑ ][Sft]

  ↓

[ J ][ K ][ L ][;+ ][Ent]
 [ M ][<,][>.][ /? ][ ↑]

例えば内蔵キーボードの右下部分を上記のように並べ替えるには

! ファイル先頭で remove
remove shift = Shift_R

!keycode  47 = semicolon plus semicolon plus semicolon plus
keycode  61 = semicolon plus semicolon plus semicolon plus

!keycode  61 = slash question slash question slash question
keycode  111 = slash question slash question slash question

!keycode  62 = Shift_R NoSymbol Shift_R NoSymbol Shift_R
keycode  47 = Shift_R NoSymbol Shift_R NoSymbol Shift_R

!keycode 111 = Up NoSymbol Up NoSymbol Up
keycode 62 = Up NoSymbol Up NoSymbol Up

! ファイル最後で add し直し
add shift = Shift_R

●キーボードカスタマイズ uinput

User Input を利用するとプログラムでキーの挙動をカスタマイズすることが可能です。
下記のページを参考にさせていただきました。

Linux Input Subsystemの使い方

x86 PC の Ubuntu 上で試してみました。
入力を遅延判定させた場合のバッファリングとかそのフラッシュなど、Windows /
WindowsMobile 上で ctrlswapminiem1key を作っていたときとほとんど同じ感覚です。
おそらく同等のプログラムの移植も可能だと思います。
日本語入力の状態が取得できれば親指シフト入力も対応できるでしょう。

(2009/10/03 追記: 親指シフトについてはこちらをどうぞ)

NetWalker 向けのプログラムも作ったのですが uinput が使えずまだ試しておりません。
実際のプログラム例は下記の通りです。
これは [A] と [B] を交換するだけです。サンプルにあった hook_main.c/.h をそのまま
使わせていただきました。hook_main.c をリンクするだけで動作します。

// swap_AB.c
// swap_AB /dev/input/event*
#include  
#include  
#include  
#include  
#include  "hook_main.h"

const char*  name= "swap_AB";
const char*  version_information= "swap_AB";
const char*  description= "swap_AB";

static int   keyboard_fd= 0;

void* init_event_handler( int number_of_event_device_files, int* event_fds )
{
    ioctl( keyboard_fd= *event_fds, EVIOCGRAB, 1 );
    return  NULL;
}

void finalize_event_hander( void* user_data )
{
    ioctl( keyboard_fd, EVIOCGRAB, 0 );
}

void handle_event( int fd, struct input_event event, void* user_data )
{
    int	vk= event.code;
    if( event.type == EV_KEY ){
        switch( vk ){
        case KEY_A:
            vk= KEY_B;
            break;
        case KEY_B:
            vk= KEY_A;
            break;
        }
    }
    send_event( event.type, vk, event.value );
}

void set_event_bits( int ui_fd )
{
    int	i;
    ioctl( ui_fd, UI_SET_EVBIT, EV_KEY );
    for( i= 0 ; i< 256 ; i++ ){
        ioctl( ui_fd, UI_SET_KEYBIT, i );
    }
}

●その他気がついたことなど

最初すぐにバッテリーが減ったように見えるけど、ステータスでは「バッテリー容量:中」。
容量とアイコンの見た目が合っていません。

フラッシュメモリの容量は 4GB ですが、初期状態の空きはおよそ 2.7GB でした。
カタログには「ユーザーエリア 2GB」と書かれているので若干余裕があります。

RAM 容量は 512MB、利用可能な空間は 480MB。
Firefox、ドキュメントビューア、コンソールを起動して消費メモリは 200MB くらい。
ページを複数開いてもまだまだ大丈夫です。

「パネルへ追加」から「CPU 周波数の計測モニタ」を追加してみました。
CPU クロックはピーク時 800MHz で、アイドル時は 160MHz まで落ちているようです。

上パネルの時計の設定から都市を登録しておくと天気や温度も表示されます。

[Fn]+[8] で画面のバックライトだけ消すことが可能です。

黒い色を買ったせいか汚れは結構目立ちます。
ストラップをつけられるのは便利です。手でもって使う場合も安心。

仕様一覧によるとフレームバッファは 16bit 65536色です。

関連エントリ
NetWalker PC-Z1 意外にいける
Netwalker PC-Z1 買いました
タッチタイプの境界
NetWalker PC-Z1

NetWalker PC-Z1 意外にいける

二日ほど使った感想は「結構良い」です。
意外といったら失礼かもしれませんが、いろいろな面で見直しました。

●両手で持つ

前回書いたとおりネット接続はあまり考えてなかったのですが、使ってみたらこれが快適でした。
無線 LAN さえあれば立っていても横になった状態でも楽にブラウズできます。

・両手持ちしたときちょうど良い位置にあるオプティカルポイント。ほぼこれだけで操作できる。
・ちょっとした検索文字列の入力なら十分役に立つキーボード。
・小さいけど十分な解像度の液晶画面もあるしフォントも見やすい。
・NetBook より軽量で持ち上げられる。
・熱も持たずにバッテリーの持ちも良い。
・中断も DS のようにふたを閉じるだけ。電源を入れるとすぐに復帰する。

電車内でもモバイルルータ併用で立ったまま使ってみました。これも思いのほか使いやすい。
Firefox でネットを見たり、電波の届かない地下鉄区間もメモ打ちしたりと便利に使えます。

以前使っていたスマートフォンで、親指タイプには苦手意識がありました。
W-ZERO3[es] や EM・ONE は、クリック感はあるものの小さくて堅い QWERTY キーで、
爪で押す必要があったり、ボタンが浅いので隣のキーを押してしまうことも多かったからです。
逆に W-ZERO3[es] のテンキー部分は指で押せる大きさで打ちやすいものでした。

同じように NetWalker のキーも指の腹で押せるし、親指ならぐらつくキートップでも確実に
打てるため、それなりに使いやすいことがわかりました。
キーを押し下げた場合の感触はいまいちで引っかかりがあるけれど、親指打ちも結構いけるんだと、
今更ながら気がついたというのが本音です。

ただ両手持ちの親指打ちだと、中央付近のキーは少々遠く感じます。
端ぎりぎりまでキーがあるし Fn や Ctrl を併用する操作は慣れがいるかもしれません。
親指タイプとタッチタイプの両用を欲張ったための弊害でしょう。

この辺の操作は今後のカスタマイズで何とでもなると思います。
むしろ変にメーカー固有のカスタマイズが入ってない素のパソコンキーボード状態なのは
好ましいことです。

●オプティカルポイント

マウス代わりに用いるデバイスです。
タッチパッドのように指でスライドしてカーソルをコントロールします。
反応が良くてきびきび動いてくれます。

PC-NJ70A の光センサー液晶パッドは反応が悪くて使いづらかったので、なおさらそう感じる
のかもしれません。また比較対象があれですが、PS3 ワイヤレスキーパッドのタッチパッド
モードより思い通りに動かせます。

デフォルト状態では少々カーソルの動きが速すぎる感じがします。ウィンドウの切り替えや
ダイアログのボタン、ブラウザの操作は快適なのですが、小さいアイコンやスクロールバーに
正確にあわせるのは苦手です。
使うアプリケーションや用途次第だと思いますが、個人的にはブラウザの操作だけなら
これで十分でした。

設定でマウスの速度や感度を多少いじっています。間違って「☆」マークに触れてしまうと
誤動作するので、スクロールモードに切り替わらないようこちらも封印しています。

●アプリケーション

開発環境を用意したり、アプリストアを設けたり、最近そういう試みが増えた気がします。
携帯 OS に限らずありとあらゆるプラットフォームで。
開発側、使う側、両方の敷居を下げる意味があるのでしょう。
iPhone のような盛り上がりをどこか期待している反面、専用アプリを用意しなければいけない
と言う現実問題がそこにあるのかもしれません。
結局開発者に投げてしまっているわけで、実際にアプリケーションがどれだけ充実するのか未知数です。

NetWalker は普通の Linux を採用したおかげで最初から豊富なアプリケーションが揃っています。
インストールも一覧から選択するだけで簡単です。
以前 WindowsCE の Handheld PC を使っていた頃も使えるアプリケーションソフトが限られて
いました。Desktop 向け Windows がそのまま動くなら何の心配もないのですが。

もう1つの利点は削除された機能がないことです。
モバイル向けの移植ではないので、操作や機能が簡略化されていたり、削られているような
ことがありません。

MID としてみたら上記 2点はメリットですが、UMPC としてみたらこれらはごく当たり前の
ことかもしれません。
そういう意味では NetWalker は MID のカテゴリとして売られているけど、
実質 ARM を使った UMPC の一種だと言えます。

●キーボード

個性だと割り切っています。

●最後に

NetBook が流行し多くの機種が販売されていますが、どれも EeePC に倣ったかのような
画一的なスペックで意外に個性がないように見えます。おそらくコストの事情もあるのでしょう。
本当なら用途を特定したような、もっとユニークなデバイスが登場しても良さそうです。
ASUS のキーボード一体型みたいな。

MID / UMPC にはまだお手本となる大ヒット機種がないせいか、比較的個性を出しやすいようです。

NetWalker を店頭で熱心に見ていると、店員が「おすすめしづらい」製品だと漏らしていました。
過去の経験に当てはまらず具体的な用途を想像しづらいのかもしれません。
「今まで無かった新しいもの」 かまたは 「本当に用途がわからないもの」 のどちらかでしょう。
うまく説明できないものこそ新しいジャンルを切り開く可能性もありますが
果たして NetWalker はどちらになるでしょうか。

個人的にはスマートフォンの機動性を確保しつつ十分使えるパソコンだと認識しました。

関連エントリ
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NetWalker PC-Z1