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Netwalker PC-Z1 買いました

NetWalker は Linux 搭載ミニ PC です。
ARM 系 CPU に Ubuntu がそのまま入っています。
本体は小さいながらキーボードを搭載し、約 400g と軽量でバッテリーも長持ちします。

逆に欠点も多く、価格が高めであること、限られたフラッシュ容量や Bluetooth が無いなど
スペックも低め、なかなか言うことをきかないキーボードなど、思ったより使う人を選びます。

はじめて触ったのは2日前。
ホームポジションにぎりぎり指が乗るだけのキーピッチがあるのに、あまりにも思うように
タイプできなくて店頭で 30分くらい奮闘。力を入れて意識して打てば
何とか文字抜け無しに打てるといったところ。
一時は諦めたけど、ずっと気になっていて結局買ってしまいました。

●外観

実測で 401g ありました。見た目は電子辞書。
Netbook と比べても PC らしからぬ印象なのは、通風口がまったく無いせいかもしれません。
ファンレスは当然として側面も裏面もスリット無しです。

●電源

スマートフォンやかつての Handhed PC のように、電源切断 = サスペンド (スリープ) 推奨
と書かれています。シャットダウンとの違いは同梱のパンフレットにも説明があります。
3秒起動なのはサスペンドからの復帰のこと。スリープを使えば Windows PC でも同じ
ですが、サスペンドを常用できるくらい省電力だということなのでしょう。

シャットダウン状態からの起動はそれなりに時間がかかります。
バッテリー動作で実測 1分45秒 かかりました。
この数値は Windows7 + Atom Z540 + 高速 SSD の Netbook のおよそ 2倍です。
OS の起動自体はそれほど速くありません。

初起動後は若干遅めで、アプリ起動だけでなくメニューやホットキーの動作なども
ワンテンポ遅れる印象がありました。最初だけだったようで、しばらく使って落ち着いたら
それなりのレスポンス速度で動いています。

●画面

高密度できれいに見えます。
最初から太めで大きなフォントが使われているため見やすい画面です。

5インチ で 1024×600 なので この の計算式に当てはめると 約 237.4 ppi 。
LOOX U に負けるけど VAIO type P よりは高密度です。
KOHJINSHA PM は 4.8 インチなのでさらに細かく 247.3 ppi 。

● Ubuntu

本当にそのまま Ubuntu です。起動画面も desktop も見慣れたものです。
あくまで個人的な話ですが、vim も入っているしキーバインドも普段通りなので、買って
何のソフト導入もカスタマイズもせずにすぐ使用できたのは初めてかもしれません。

●ポインティングデバイス

キーボードの右上、ヒンジとの間に OPTICALPOINT が埋め込まれています。
きちんと設定して使ったら結構反応も良く使いやすそうです。

店頭でたまにカーソルが動かない端末がありましたがその原因も判明しました。
オプティカルポイントには「カーソルモード」と「ホイールモード」の2種類があって、
ホイールモードだとカーソルが動かずスクロール動作になる仕組みです。
「☆」マークまたは Fn +[9] で切り替わります。
おそらく店頭の端末もホイールモードに切り替わっていたため。
カーソルが出っぱなしだと固まったように見えるので少々分かりにくいところです。

PC-NJ70A で苦労させれた光センサー液晶パッドよりはレスポンスも良好です。

そういえば画面がタッチパネルであることをすっかり忘れていました。

●クイックスタートボタン

キーボードとヒンジの間、電源ボタンの隣に描かれているアイコンはタッチ式のボタンに
なっています。デフォルトで起動の遅いアプリが登録されているので、間違って触れてしまうと
ちょっとしたダメージが。
設定で無効にすることが出来なかったので「デスクトップの表示」にしておきました。

●通信

内蔵している通信手段は無線 LAN のみ。
Bluetooth が入ってないのは寂しいですが、おかげでまだ Bluetooth キーボードやマウスに
逃げることなく使っています。

UQ WiMAX の USB アダプタは、Windows でも x64 未対応だったりと期待できないので
必要な時はモバイルルータ URoad-5000 に頼るつもりです。

●キーボード

タッチタイピングによる入力は相変わらず敷居が高いです。
キーを打った後に定位置に吸い込むような感触が無く、むしろ球面を押し込むような反発
とぐらつきがあります。
キーを押したあとの指の位置が安定しないので、隣のキーを押してしまったりホーム
ポジションが徐々にずれたりします。指を離したときもわかりにくい。
まだあまり速く打てないけどだいぶ慣れてきました。

●用途

現状お勧めしづらいし、キーボードも配列以前のところでかなり使いづらい印象です。
それでもぎりぎり打てるサイズなので敢えて使いこなしてみたくなります。
正直割と気に入っています。
ネット接続よりも今のところは無謀にも文字入力用の端末として考えています。

CPU は Cortex-A8 だし、もし AMD Z430 の OpenGL ES 2.0 が使えるなら
また違う使い方が出来るでしょう。

関連エントリ
タッチタイプの境界
NetWalker PC-Z1
OpenGL ES 2.0
WiMAX ルータ URoad-5000 (4) 充電の仕方

キーピッチ一覧

昨日の表に仕様もいくつか追加してみました。

                 key pitch CPU                  RAM
KOHJINSHA PM       12.0mm  Atom Z510   1.1GHz 512MB  345g   7H  59800円
WILLCOM D4         12.2mm  Atom Z520   1.3GHz   1GB  460g 1.5H
HTC Shift          13.0mm  x86 A110    800MHz   1GB  800g   2H
Jornada680         13.2mm  SH3         133MHz  16MB  510g      138000円
Jornada720         13.2mm  StrongARM   206MHz  32MB  510g  10H  94800円
Libretto 20        13.5mm  DX4 75MHz    75MHz  20MB  840g   3H 178000円
NetWalker PC-Z1    14.0mm  Cortex-A8   800MHz 512MB  409g  10H  44800円
Loox U50X/V        14.0mm  x86 A110    800MHz   1GB  599g 3.8H 
Sigmarion II       14.1mm  MIPS VR4131 200MHz  32MB  500g  10H  
Sigmarion III      14.1mm  ARM PXA255  400MHz  64MB  455g  10H  
KOHJINSHA SK       14.2mm  Atom Z530   1.3GHz   1GB  720g 3.1H
Libretto 70        14.5mm  MMX Pentium 120MHz  32MB  850g   3H
Libretto 100       14.5mm  MMX Pentium 166MHz  64MB  950g   2H  
Loox U/C40         14.8mm  Atom Z530   1.6GHz   1GB  565g 4.2H
Libretto SS1000    15.0mm  MMX Pentium 166MHz  96MB  820g   3H
Libretto ff1100    15.0mm  MMX Pentium 266MHz 128MB  980g   3H
EeePC 901-X        15.5mm  Atom N270   1.6GHz   2GB 1100g 8.3H  59800円
VAIO type P 90     16.5mm  Atom Z540  1.86GHz   2GB  588g   4H
MobileGear MC/R530 16.5mm  MIPS VR4121 168MHz  32MB  770g  10H 110000円
MobileGear MC/R700 16.5mm  MIPS VR4121 131MHz  32MB 1100g   8H 155000円

RAM は搭載可能最大値、バッテリーは小または標準時。

関連エントリ
タッチタイプの境界

タッチタイプの境界

店頭で NetWalker PC-Z1 と KOHJINSHA PM (PM1WX16SA) を触ってきました。
タッチタイピング前提でどこまでキーを打てるか興味あったからです。

SHARP NetWalker
KOHJINSHA PM series

NetWalker はホームポジションに指を載せることが可能で、サイズの割にそこそこ
打てそうな印象でしたが予想以上に苦戦しました。なかなかタイピングのこつがつかめず
最初はキーの取りこぼしが多くてさんざんな結果に。
見かねた店員が 「両手でもって親指で打てばいいですよ」 とかアドバイスしてくれたほど。

キートップが不安定で、指先の感触だけでは入力出来たかどうか判断しづらいのが原因のようです。
文字を確実に打つには、指先の感触に頼らないで完全に底打ちするくらい押し込まなければ
なりません。

店頭の不安定な飾り台ではだめで、安定したテーブルの上に置いて指先に力を入れて強く
つぶし込む気持ちで打てば割と打てるようになりました。
ただこれだけ力を込めてタイプするなら、今まで敬遠しがちだった他のどのキーボードでも
使いこなす自信が付きそうです。

PM (mbook) はキーの感触が良く、NetWalker よりも軽く確実に打つことが出来ます。
問題はキーピッチの方で、ホームポジションにぎりぎり指を乗せられるか若干はみ出る感じです。
キー配列は PM の方が好みなのですが、やっぱり指が窮屈なのか速く打とうとすると
うまく文字を探せないことがありました。

キーピッチだけがすべてではないと思いますが、過去に使ったことがある端末および同系統の
機種を調べてみました。”*” は実際に所有して長時間使ったことがあるものです。

mbook M1/PM            12.0mm
Jornada680             13.2mm
Jornada720             13.2mm *
Libretto 20            13.5mm
NetWalker              14.0mm
Loox U50               14.0mm *
Sigmarion              14.1mm
Libretto 70            14.5mm
Libretto 100           14.5mm *
Loox U                 14.8mm
EeePC 901-X            15.5mm *
VAIO type P            16.5mm *
Mobile Gear II MC/R530 16.5mm *
Mobile Gear II MC/R700 16.5mm *
Let's Note R4          17.0mm *
PC Keyboard            19.0mm *

個人的に気に入っており、タッチタイプで打ちやすかったのが MC/R530 と Jornada 720。
当時はあまり意識しなかったけど Libretto 100 も普通に使っていた気がします。
今のところ 13mm 前後が境界線です。NetWalker のキーボードを確認するため、
長時間練習したことを考えれば 12mm も慣れたら何とかなるんでしょうか。

以下はキーピッチを調べる上で参考にしたページです。

PC watch Libretto 新機種
TOSHIBA Libretto 100 の発売について
製品マニュアル HP Jornada 720 ハンドヘルド PC
VAIO type P スペック
NECインフロンティア Mobile Gear Age
Wikipedia モバイルギア
Eee PC 1000H-X速攻レビュー
Panasonic レッツノートラインナップ比較表
工人舎「PM」~ワイシャツのポケットに入る超小型Windows PC
LOOX U カタログモデル仕様
Atom搭載「LOOX U」の進化ぶりを写真でじっくり解説する

iPhone アプリが瞬間的に落ちる心地よさ

iPhone 3GS 使っていて久しぶりに Safari が落ちました。
iPhone の偉いところは、一切ためらわずにアプリが即時落ちること。
この潔さは心地よいとすらいえます。

これが WindowsMobile や PocketPC だと…

・なんだかアプリが重くなってくる
・反応が鈍いなと思いつつ粘ろうとする
・しばらく円グラフがぐるぐる回って操作できなくなる
・さらにしばらく待って完全に固まったことを確認
・諦めてリセットボタンを押す
・起動するまでじっと待つ。1分以上かかる。

この間、実に数分間を無駄にすることになります。

iPhone では問題が発生したアプリが即時終了してくれるおかげで

・待たせない

  ユーザーが操作を選択できる状態に戻ります。
  すぐに同じアプリを立ち上げてページを開き直すことも出来ます。
  また落ちる可能性はありますが、不安定な状態で我慢して使い続けるよりは
  起動し直した方がましなはずです。
  もしくは、別の同等のアプリに切り替えるという選択も出来ます。
  何らかの対策ができるということ。

・システムを巻き込まない

  とりあえずすぐに電話受けられる状態に戻ってくれます。
  無限ループのようなリセットしなければならない状態は回避されます。

もちろん落ちないのが一番良いわけで根本的な解決はなっていませんが、
リセットするくらいの困った状況はほとんど無くなりました。

回復不可能なのに下手にエラーメッセージが出て待たせたり、固まったりするのは
一番避けるべきことだったのだと思い知らされました。

NetWalker PC-Z1

SHARP から新しい端末 NetWalker PC-Z1 が出ます。
小型のノート PC の外観とスマートフォン向け CPU を組み合わせたもの。
かつて似たようなデバイスがあったことを思い出します。

ARM や MIPS など組み込み向けの CPU を搭載し、小型でバッテリー寿命長くて
キーボードを搭載した Handheld PC。WindowsCE H/PC Pro や H/PC 2000 のことです。
ポケットに入る小型なものから 9インチ 800×600 の液晶を持ったノート PC クラスまで、
結構いろんなタイプのハードが揃っていました。
普通の PC との違いは HDD が無く軽量の専用 OS を載せていること。
タッチを用いるなど操作性も違うし、動くソフトウエアも限られるけど、
普段からサスペンド状態ですぐ電源が入るなどそれなりに使う意味がありました。

今回の NetWalker が昔の WindowsCE を搭載した H/PC と違うのは
一般の Desktop / Notebook PC 向けにリリースされている Linux 環境を乗せていることです。
Linux ディストリビューションの一つ Ubuntu をそのまま採用しています。

実際ハード的にも ARM Cortex-A8 800MHz に RAM 512MB + SSD。
最初の Netbook もこれくらいの中身だったし、スペック的にも本当に Netbook に
近いことになります。

・初期の Netbook と同等のスペックを持つ
・デスクトップ向けの汎用 OS を使っている

これらが昔のハンドヘルド PC との大きな違いといえるでしょうか。
そこで今回はあえて NetWalker を ARM を使ったノート PC であると定義することにします。

ここで問題となるのは、Atom を使った 小型の PC とほとんど変わらなくなってくるということ。
例えば同じ Linux を動かすにしても、x86 の方が選択肢が多いし情報も多いし、ハードや
ソフトの対応状況を考えても有利ではないかと言うことです。x86 の小型の UMPC とか
Netbook とかに Linux を入れてもほぼ同じように使えるのではないかと考えられます。

それじゃ NetWalker の立場はどうなるのかといえば、それはおそらく
日本のメーカーがはじめて Linux (Ubuntu) だけ に対応した PC を売ろうとしている事実。
(すでに過去に存在していたらごめんなさい)

選択肢として Linux も選べるのではなく最初から Ubuntu だけ。
家電や携帯電話のように内部で利用しているわけではなく、デスクトップとして載せています。
x86 でないからこそできた決断だし x86 だったらメーカーもユーザーもここまで
割り切れなかったのではないでしょうか。

ARM シリーズの性能向上と Atom の省電力化により使われ方も近づいています。
そんな中、ARM を使った PC の特徴となり得るのは Windows を入れたくならないこと
ではないかと、NetWalker を見て思いました。

今後どのような展開になるか興味あるところです。