月別アーカイブ: 2010年2月

Dirct3D Mobile DeviceCaps 更新

Hybrid W-ZERO3 (WS027SH) と SC-01B の d3dmcaps 情報を送っていただいたので
更新しました。

Direct3D Mobile DeviceCaps 一覧

SHARP Hybrid W-ZORO3 (WS027SH) は Qualcomm MSM7200A を搭載しており ATI 製
GPU core によるアクセラレータが有効となっていました。

WILLCOM HYBRID W-ZERO3

機能も TouchDiamond 等、MSM7201A 内蔵 GPU に非常によく似ていることがわかります。
CPU も同じ ARM11 だしほぼ同等の機能&性能ではないかと考えられます。
特筆すべき点としては ZERO3 系で初めて 3Dアクセラレータを搭載したということ。
Qualcomm の MSM 系は採用機種も多く珍しい存在ではありませんが、3G 機能のおかげで
ZERO3 も 3D や GPS など他のスマートフォンと同等の機能が使えるようになりました。

docomo の SC-01B は d3dmcpas を見る限りハードウエアアクセラレータが無効と
なっているようです。ところが調べてみると、搭載されている S3C6410 自体は
高機能なことがわかります。

SAMSUNG SC-01B

3D アクセラレータが載っており、OpenGL ES 2.0 対応なのでおそらく Shader も
使えるはずです。Direct3D Mobile に対応していないのは残念ですが、OpenGL ES なら
ハードウエアアクセラレータが使えるかもしれません。
CPU 自体も ARM11 core ながら 1176ZJF なので VFP がついています。
さすがに最新の Snapdragon 等 ARM v7+GL ES 2.0 系と比較するのは酷ですが
VFP や OpenGL ES 2.0 対応など全体的に Qualcomm MSM7~ 系より上だと感じました。
S3C6410 は SmartQ5 にも使われているようです。

NetWalker PC-Z1 のその後と OpenGL ES 2.0 Emulator

NetWalker は OpenGL ES 2.0 テスト機として活躍しています。
解像度が高いのでフルスクリーンだと遅いけどシェーダーもきちんと動くし、
コンパイルは遅いけど自分でビルドできるのですっかり開発用になってしまいました。
GPU だけでなく ARM Cortex-A8 のテストにも良い感じで使えます。

NetWalker に使われている Freescale i.MX515 の GPU は AMD (ATI) Z430 です。
未確認ですが、おそらく Snapdragon 系 (QSD8250等) に使われているものと同じだと
思われます。ただし CPU core は同じ ARM v7 世代ですが異なるものです。

       NetWalker     iPhone 3GS    Nexus One他
       i.MX515        S5PC100       QSD8250 (Snapdragon)
GPU    ATI Z430      PVR SGX535     ATI Z430
CPU    Cortex-A8     Cortex-A8      Scorpion

どれも ARM v7 で OpenGL ES 2.0 対応です。
Cortex-A8 は VFP が低速なので、速度を優先する場合はたとえスカラーであっても
積極的に NEON 命令を用いる必要があります。(参考)
Scorpion の VFP/NEON の場合は、果たしてどのような特性を示すでしょうか。

ほぼ 2択となった Desktop と違い、Mobile 向け GPU はまだまだ種類が豊富です。
それぞれ GPU 毎に各社から OpenGL ES 2.0 Emulator が提供されているようです。
ARM 製, NVIDIA 製のものもありました。

AMD OpenGL ES Emulator
Imagination POWERVR Insider
ARM mali Developer Center OpenGL ES 2.0 Emualtor
NVIDIA Developer Zone Tegra 250 Developer SDK

関連エントリ
ARM Cortex-A8 の NEON と浮動小数演算最適化
OpenGL ES 2.0 Emulator
Direct3D Mobile と T-01A の Snapdragon

DirectX SDK February 2010

DirectX SDK Feb10 がリリースされました。

DirectX SDK February 2010

前回 August 2009 で Direct3D 11 が RTM したためあまり大きな変更が無いようです。
Direct3D の core 部分はもちろん変更なし。
D3D 周りはライブラリやツール更新が中心で DLL 番号も変わっていませんでした。
SDK 付属のドキュメント(マニュアル) Windows DirectX Graphics Documentation
に至っては August 2009 のまま。

ドキュメントに Direct3D 9, 10, 11 と 3バージョン併記されている状態はいつまで
続くのでしょうか。10,11 が FueatureLevel によって Direct3D 9 仕様を取り込んだ
ため、従来であれば刷新されていてもおかしくはない状態です。
Windows7 の普及次第かもしれません。
今後 Direct3D 11 対応のツールやドライバが増えてくれることを願うばかりです。

関連エントリ
DirectX SDK August 2009 の解説と Direct3D 11 RTM

EeePC T91MT と Multi Touch

Eee PC T91MT 触ってきました。
マルチタッチは同時に 2点まででした。

ASUS Eee PC T91MT

本体にスタイラスも内蔵しており、LOOX U/G90 同様に感圧式(抵抗膜?)だと思われます。
ただし LOOX U が 5点以上識別できたのに対して T91MT は 2点まででした。

その代わり液晶部を折りたたんでタブレットスタイルにすることができるし、パネルの
反応も良好でした。

HP のマルチタッチ機種と同じように、マルチタッチを使ったいくつかのアプリケーションが
搭載されており、フォトビューアなどがあります。こちら標準の Windows7 Gesture API
を使っているらしく、フリックによる切り替えや拡縮できるものの反応はワンテンポ
遅れる感じがします。操作には少々慣れが必要だと感じました。

Gesture API は簡単ですが、操作してからイベントが発生し、それから対象によって
挙動を選択しなければならないため自由度が下がります。
やはり Touch API を使った方が良いのかもしれません。

個人的には 8.9インチの小型液晶タイプが復活したことと、901 と違いキーボードの
変形がほとんど無く、均等幅だった点がポイント高いです。
web の写真はどれも英語キーボードだったので現物を見るまで確認できませんでした。

昔に比べると GMA500 のドライバも改良されていて Aero がスムーズに動くようになって
います。デフォルトは Aero の”透明感あり”で若干重かったですが許容範囲でしょう。
個人設定の画面から設定で透明感を off にすると速くなります。

ようやく Multi touch 対応 PC が増えてきました。
もう少し 3D に強い機種もあると良いのですが。

関連エントリ
LOOX U G90 と Multi Touch
Windows7 Multitouch API (3)
Windows7 とマルチタッチ / HP TouchSmart PC IQ800