月別アーカイブ: 2007年8月

Direct3D9 フレームバッファの保存

昔のものですが必要になったのでメモ。D3D9 です。
レンダリングした結果を保存するには
・BackBuffer を Lock して読み込んで保存
ですが、そのままでは RenderTarget は Lock できないので、
同じフォーマットかつ Lock 可能なサーフェースを作ってコピー。

IDirect3DSurface9*	iBackBuffer= NULL;
iDevice->GetBackBuffer( 0, 0, &iBackBuffer );

// copy先作成
D3DFORMAT	sformat= D3DFMT_A8R8G8B8;
//D3DFORMAT	sformat= D3DFMT_A16B16G16R16F;
IDirect3DSurface9*	iSurface= NULL;
iDevice->CreateRenderTarget(
		width,
		height,
		sformat,
		D3DMULTISAMPLE_NONE, 0,
		TRUE,	// lockable
		&iSurface
	);

// copy
iDevice->StretchRect( iBackBuffer, NULL, iSurface, NULL, D3DTEXF_NONE );

// 読み込み
D3DLOCKED_RECT	rect;
iSurface->LockRect( &rect, NULL, D3DLOCK_READONLY );

void*	ptr= rect.pBits;

  // ... 読み込み

iSurface->UnlockRect();

iSurface->Release();
iBackBuffer->Release();

16F は扱いづらいので、変換が必要なときは 32F にコンバート。

Direct3D 10 ウィンドウのリサイズ (ResizeBuffers)

Direct3D 10 では Window のリサイズが比較的簡単にできます。
もちろん何もしない状態でも、DirectX9 と同じようにサイズの異なる
FrontBuffer に対して BackBuffer を拡縮 Copy します。
よってそのままでもウィンドウのリサイズが可能です。
Direct3D 10 の場合、さらに BackBuffer のサイズも容易に追従
させることができます。

サイズの変更は IDXGISwapChain の ResizeBuffer() です。
SwapChain が作成した Buffer のリサイズは行いますが、Buffer を
参照しているオブジェクトがあると同時には解決できません。
それらのオブジェクトはあらかじめ Release() しておく必要があります。

通常は BackBuffer から ID3D10RenderTargetView を作りますので、
RenderTargetView は先に開放しておきます。

また OMSetRenderTarget() で同時に DepthStencilView を登録する
場合、RenderTargetView とサイズが異なると受け付けてくれません。
結局 DepthStencilView も作り直す必要があります。

まずは Release()

ID3D10RenderTargetView*	iRTV= NULL;
iDevice->OMSetRenderTarget( 1, &iRTV, NULL );	// NULL, NULL の設定
iRenderTargetView->Release();
iDepthStencilView->Release();

次にリサイズ。サイズに 0, 0 を渡すと、Window の ClientRect
にあわせてくれます。(ここでは WindowMode のみ対象にしています)

iSwapChain->ResizeBuffers( 2,
	0, 0,	// ClientRect を参照する
	SwapChainDesc.BufferDesc.Format,	// Format は DESC から
	0 );

必要なバッファを作り直します。この手順は最初の初期化時と全く
同じなので、共通化しておいたほうが良いです。
BackBuffer と DepthStencil の作成

// back buffer
ID3D10Texture2D*	iBackBuffer= NULL;
iSwapChain->GetBuffer( 0, __uuidof( ID3D10Texture2D ),
		reinterpret_cast( &iBackBuffer ) );
iDevice->CreateRenderTargetView(
			iBackBuffer, NULL, &iRenderTargetView );
iBackBuffer->Release();

// depth stencil buffer
ID3D10Texture2D*	iTexture= NULL;
D3D10_TEXTURE2D_DESC	tex2ddesc= {
	width, height, 1, 1,	// width, height, mip, array
	DXGI_FORMAT_D24_UNORM_S8_UINT,	// format
	{	1,	0,	},	// sample
	D3D10_USAGE_DEFAULT,
	D3D10_BIND_DEPTH_STENCIL,
	0,	// cpu flags
	0	// misc flags
};
iDevice->CreateTexture2D( &tex2ddesc, NULL, &iTexture );

D3D10_DEPTH_STENCIL_VIEW_DESC	vdesc= {
	DXGI_FORMAT_D24_UNORM_S8_UINT,
	D3D10_DSV_DIMENSION_TEXTURE2D
};
iDevice->CreateDepthStencilView(
		iTexture, &vdesc, &iDepthStencilView );
iTexture->Release();

g_iDevice->OMSetRenderTargets( 1,
	&g_iRenderTargetView, g_iDepthStencilView );

忘れてはならないのが Viewport の設定です。
またここでは書いていませんが、ProjectionMatrix も再計算が必要です。

// viewport
D3D10_VIEWPORT	viewport= {
	0, 0, width, height, 0.0f, 1.0f
};
iDevice->RSSetViewports( 1, &viewport );

WM_SIZE でサイズが変わったことを検知したら、これらの処理を
呼び出します。アイコン化最小化などもきちんと区別しておかないと、
サイズ (0, 0) に対してリサイズが発生してしまうので注意。

またリサイズによって VRAM が足りなくなり、速度が極端に低下する
可能性も考えられます。場合によっては、極端な速度低下を検出したら
元のサイズに戻す処理も入れた方が良いのかもしれません。

D3D関連 DDSテクスチャの取り扱い

昔に比べたら扱えるツールもかなり増えました。
DDS 形式のデータの取り扱いも、もうさほど困ることがないとは
思いますが、一応手に入りやすい DDS 関連ツールのまとめを
作ってみました。

DDSテクスチャの表示&作成ツールの解説

ただ、Maya とか CGツール系も DDS 自体には対応したものの、扱える
フォーマットがそれぞれ微妙に食い違っていたり制限があったりします。
この辺はなかなか厄介です。

さらに今後 Direct3D10 向けの画像データをどう扱うのかが、
問題になってきそうです。

例えばこの blog でも過去に書いてますが、テクスチャ画素の RGB の
並びが Direct3D 10 では逆順になりました。
ベクトル系データの x y z w にあわせて統一するためです。
従来 A R G B だった色の並びが A B G R になります。

Direct3D もうひとつのユニファイド

ちなみにメモリ上ではリトルエンディアンなので、従来 B G R A と
並んでいたものが R G B A になります。
ある意味自然な配列になりました。
DXGI_FORMAT での表記も R G B A 順となっています。

D3D10 専用フォーマットが登場したとしても、ツール側での対応はまた
しばらく時間がかかりそうですね。

Nucleus blog サーバー移行メモ (2)

サーバー移行時のメモ、前日のエントリの続きです。
blog サーバー移行メモ
チャンネル北国tv から Nucleus へ blog データの変換を行いました。
同じシステムを使っている他の地域系blogでも、おそらく変換可能だと
思います。

先日の NP_ImpExp の改造で、データ自体は問題なくインポート
できるようになりました。

●参照リンクの解決

次に少々気になるのは、自分自身の blog へのリンク、つまり過去記事を
参照している部分です。当然ですが、そのままだと移転前のページに
飛んでしまいます。

元の blog では、記事固有ページの URL は特に法則性のない名前に
なっていました。たぶん記事の管理番号か何かがそのままページ名に
なっているのだと思われます。
なので、export された MT形式のデータだけみてもどの URL がどの
データに対応していたのかわかりません。

問題はもう1つあります。Nucleus は個別の記事を itemid で区別して
おり、記事固有ページもこの item 番号が割り振られます。ところが
どの番号が割り振られるのかは、実際にデータをインポートしてみるまで
わかりません。
実験で何度も削除やインポートを繰り返しましたが、itemid は
インポートするたびに別に値になってしまいます。

問題点まとめ
・MT形式のデータでは、自分自身への参照リンクがわからない。
 参照している元の URL と、記事の対応付けが必要。

・Nucleus で個別記事を識別する番号は Import してみるまでわから
 ない。事前のツールで対応付けを静的に解決するのは難しい。
 (読み込んだ後の plug-in ならできる?)

そこで、記事個別に対する参照リンクをあきらめて、日付ごとの
アーカイブへのリンクに置き換えることにしました。
もともと1日に1記事程度のペースだったし、これなら事前に URL
も求まるし、何度も Import/Export を繰り返しても大丈夫です。

Nucleus の場合、日付によるアーカイブの URL は

http://wlog.flatlib.jp/archive/1/2007-8-12

こんな感じになります。

最初はリンク先の置き換えを手で修正してみましたが・・8月分だけで
断念。そこで、

 1. 自分の blog への参照リンク URL 抽出
 2. その URL へアクセスしてページデータダウンロード
 3. ページデータ内から日付情報の切り出し
 4. 切り出した日付から、新 blog 用のアーカイブページの URL を求めて置換

こんなスクリプトを書いて一気に置換してみました。

●画像リンクの置換

参照リンクと同じように、埋め込まれている画像の参照も変換する必要が
あります。これは参照リンクに比べたら非常に簡単なので、スクリプトで
単純にパスを置き換えました。

注意点はサーバー側で自動生成されたサムネイルを見ている可能性がある
ことです。変換時に再び生成しなおすか、または移転元から引っ張ってくる
方法もあるかと思います。

この blog ではもともと画像は少ないし容量も小さいので、今回はないも
せずに縮小前の画像へのリンクに置き換えてしまいました。

●チャンネル北国tv から Nucleus への移行手順のまとめ

・MT形式で Export
・自分への参照リンク URL の置換
・画像参照パスの置換

・Nucleus を設置して設定
・Import 前に先に NP_TrackBack Plug-in を入れておく必要あり
修正版のプラグイン NP_ImpExp を install
・NP_ImpExp で読み込み

・移行する画像データは別手段で用意しておき media/1 にアップロード

つい、いつものくせで投稿前にタイトルの文字数を数えてしまいました。
チャンネル北国tv のシステムでは、タイトル文字数が unicode 換算で
32文字までと制限があったからです。

もし逆に Nucleus から チャンネル北国tv 変換する場合は、この
タイトル文字数の対策が必要になるでしょう。

blog サーバー移行メモ

blog データの引越しを行いました。
そのときの作業メモです。

●MT形式での出力

移転前の blog で対応している入出力フォーマットは MT形式と呼ばれるもの
でした。MT形式のインポートとエクスポートはほとんどの blog でサポート
しており、事実上標準となっているようです。

中身は階層を持たないプレーンテキストで、ツールやスクリプトでも比較容易に
扱うことができます。
各記事の内容や日付などの情報、コメントやトラックバックの情報も含まれています。

●MT形式での入力

Nucleus はプラグインを使うことで MT 形式の読み込みができます。
下記の NP_ImpExp を使用しました。
NP_ImpExp

ただ移転前の blog のデータをそのまま読み込むと、かなり行が詰まった画面と
なりうまく再現されていません。サイトやもとのデータに起因する問題だとは
思いますが、空行が失われてしまうようです。

WordPress ではきれいに読み込めていたので、少々原因を調べました。
NP_ImpExp の

 plugins/sharedlibs/cles/MTFileParser.php

の最後、parseTextSection() を下記のように修正しました。(+の削除)

$lines = preg_split("/(\r?\n)+/", $comment);
	↓
$lines = preg_split("/(\r?\n)/", $comment);

これで空行もそのまま読み込めるようになりました。

●TrackBack

インポート時のログを見るといくつかエラーがでていました。トラックバック
のデータでした。Nucleus は標準で TrackBack に対応していないので、
インポート前に下記の Plugin が必要です。

NP_TrackBack

これできちんと読み込めるようになります。
何度もインポートと全データ削除を繰り返していると、TrackBack のデータ
だけが重複して何個も残ってしまうことがありました。
消すときは、item データ削除前に TrackBack のデータも全部消しておいた方が
よさそうです。

●カテゴリの違い

次の問題はカテゴリの分類です。NP_InpExp では読み込む前に、元の blog と
同じカテゴリをあらかじめ追加しておく必要があります。
それでもきちんと読み込めているものもあれば、分類情報が失われてしまう
ものもありました。

NP_ImpExp は標準で PRIMARY CATEGORY を優先し、なければ CATEGORY を
参照しています。元の blog のデータは CATEGORY に情報が入っていたので、
読み込み時に無理やり CATEGORY を参照するように書き換えました。

NP_ImpExp.php importEntry() の先頭に下記の行を追加。

$entry['PRIMARY CATEGORY'] = $entry['CATEGORY'];

●コメントとトラックバックの時刻

読み込んだデータのコメントとトラックバックだけ、日付がリセット(0=1970年)
されてしまう問題が発生しました。
いろいろ調べたところ、DB に渡す日付が ‘/’ スラッシュ区切りになっていた
のが原因でした。これを ‘-‘ ハイフン区切りにしたところ、日付も正しく
読み込まれるようになりました。

NP_ImpExp.php importPing() と importComment() の2箇所あります。
下記のように変更しました。

$timestamp = date("Y/m/d H:i:s", $timestamp);
	↓
$timestamp = date("Y-m-d H:i:s", $timestamp);

このとき試していたのは SQLite 版だったので、もしかしたら MySQL では
スラッシュでも問題ないのかもしれません。マニュアル上はハイフンの方が
正しい形式のようです。