Android Wear の利用には連携を行う Android 端末が別途必要です。
通信や設定管理など多くの部分を連携する Android 端末に依存しています。
しかしながら Android Wear のハードウエアは単独で動作する Android 端末と
違いはなく、OS も最新の Android 4.4W (API Level20) 。
専用アプリケーションのインストールも可能となっています。
LiveView 系 SmartWatch がホスト端末のリモートモニタとして機能していたのに対し、
Android Wear の場合は主従が逆です。
通信や操作上の都合など、足りないものを補うために連携した端末を利用している形です。
スマートウオッチには大きく分けて、単独で使用できるものと
自分ではアプリが動かないクライアントタイプの 2種類あります。
1. クライアントタイプ (ホスト端末が必要)
・通知だけ受けるタイプ
・アプリケーションはホスト側で動き、入出力だけ行うもの(SONY LiveView)
2. 単独で動作するタイプ
・機能固定 (スポーツなど特定用途向け)
・独立したコンピュータとして機能するもの
Android Wear は独立したコンピュータとして機能しますが、
連携した Android 端末が近くになければ活用できない仕組みになっています。
通知などのネット接続はもちろん、Android Wear の有効な入力手段は音声なので
ボイスコマンドやテキスト入力にもインターネットが必要になります。
逆に歩数計 (Fit) のように、ネット接続がなくても特に困らないアプリもあります。
● SmartQ Z Watch との比較
↑左が LG G Watch LG-W100, 右が SmartQ Z Watch
見た目はほぼ同じ大きさで、数値上は G Watch の方が少し小さいようです。
実際に手にすると G Watch の方が表面積が大きくだいぶ薄く感じます。
スペック LG G Watch LG-W100 SmartQ ZWatch
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SoC Snapdragon 400 MSM8226 JZ4775
CPU Cortex-A7 XBurst
ISA ARMv7A MIPS32-R2
Clock 1.2GHz 1.0GHz
Core 4 core 1 core
FPU VFPv4+NEON FPU
3D GPU Adreno 305 --
OpenGL ES 3.0 --
OS Android 4.4W Android 4.4 (GApps無し)
RAM 512MB 512MB DDR
ROM 4GB 4GB
Display 280x280 (1.65inch) 240x240 (1.54inch)
Bluetooth 4.0 4.0
Wi-Fi -- b/g/n
Size 46.5x37.9x9.95 49.9x38.5x12.2
Weight 63g 42.5g
Battery 400mAh 300mAh
Application Wear専用 Android汎用
Sensor Acc,Gyro,Compass,Mic Acc,Mic
Button -- Power,Back
Connector 充電(USB) 3.5 Headphone(USB/充電兼)
・Android Wear LG G Watch の GPU
・SmartQ Z Watch Specifications
2014/07/11修正: G Watch は 4core のうち 1core しか使われてないものと考えられます(詳細はこちら)
◎時計として
Z Watch は腕の傾きで画面を表示させるオプションがありますが、
何かと誤動作が多く不安定です。
傾き以外のスリープ解除はボタン操作なので、
腕時計としては時刻を確認しづらいのが難点。
LG G Watch は常に画面を表示させておくことが可能です。
一定時間経つと背景が暗転して輝度が落ちますが時刻表示は残ります。
時計として活用するには十分でしょう。
バッテリーの持ちが心配なら完全に画面 OFF にすることもできます。
この場合も画面に触れるだけですぐ点灯するので面倒はありません。
Z Watch 同様に腕の傾きでも復帰します。
腕につけていると知らないうちに画面が光ってる場合あり。
待機状態への移行 (画面全体を手で覆う操作) は、輝度センサーではなく
画面の広範囲のタッチで判定しているようです。
3本指のタッチでも認識します。
◎ストレージ
Z Watch は USB 接続 (MTP) で直接データを送ることが可能。
音楽データを転送すればプレイヤーとして利用できます。
G Watch の内部ストレージには直接アクセスすることができません。
端末情報にストレージや空き容量の項目が無いのでもともと想定していないようです。
adb 接続では普通にアクセス可能で、/sdcard/Music や DCIM もありました。
3GB 近く空いていることを確認。
◎アプリケーション
Z Watch は通常の Android をスマートウオッチ向けにカスタマイズしてあります。
非常に小さい Android Tablet のようなもの。
普通のアプリも動きますが、画面が小さいため使い物になるかどうかはアプリ次第です。
特に操作面で難があります。
G Watch は Android 端末側でインストールすると自動的に同期が行われます。
専用の管理画面はないので、正しくインストールされているのかどうか
少々不安になることがあります。
デバッグ実行できるので adb を使った直接 install も可能。
一見そのままアプリが動く Z Watch の方が便利そうに見えますが、
使ってみると操作上の問題が非常に大きいことがわかります。
小さい画面にレイアウトを合わせるだけではだめで、細かい操作や文字入力が苦手です。
Android Wear はこれらの問題を解決することに重点が置かれているようです。
極力操作しなくて済むよう徹底されており、文字入力は音声を用い
アプリの導入管理や設定も連携した Android 端末側で行います。
本体の操作は画面のスライドなど非常に簡単なアクションのみ。
その代わり専用に作られたアプリケーションが必要です。
当初は数が少なくても、使えるものだけ揃っていることになります。
快適さや実用度は大きく上回っていると言えます。
●トラブル等
Android 4.3 以降の条件は結構敷居が高く、日本だと半年前に発売された
スマートフォンでも使えない可能性があります。(半年前)
手持ちのスマートフォン端末にも無かったので Nexus 7 とペアリングしました。
最初アプリケーションの導入ができず、G Watch に反映されない問題ではまりました。
Android Wear アプリの再インストールや、LG G Watch の初期化(リセット)
が有効でした。
試してから気がついたのですが、メニューにある「端末をリセット」は
再起動ではなく端末の初期化(消去)のことでした。
●最後に
4 core CPU に 3D GPU 搭載と、予想以上に性能が良かったので今後登場するアプリや
さまざまな活用方法に期待できます。
Chromecast よりも総合スペックは高いです。
普段腕時計している人にとっては、時計として使える点も重要でしょう。
2014/07/11訂正: 実測結果より、cpu0 しか使われておらず実質 single core 700MHz 相当でした(詳細はこちら)
関連エントリ
・Android Wear LG G Watch の GPU
・Android SmartWatch ZWatch で 3Dゲーム (ChiRaKS)
・Android SmartWatch スマートウオッチのスペック比較表
・Android SmartWatch SmartQ ZWatch (3) 腕に関数電卓
・Android SmartWatch SmartQ ZWatch (2)
・Android 4.1 SmartWatch SmartQ Z Watch
・Android LiveView MN800 プラグインの作り方
・LiveView MN800 Android のマイクロディスプレイ