月別アーカイブ: 2009年9月

Netwalker PC-Z1 買いました

NetWalker は Linux 搭載ミニ PC です。
ARM 系 CPU に Ubuntu がそのまま入っています。
本体は小さいながらキーボードを搭載し、約 400g と軽量でバッテリーも長持ちします。

逆に欠点も多く、価格が高めであること、限られたフラッシュ容量や Bluetooth が無いなど
スペックも低め、なかなか言うことをきかないキーボードなど、思ったより使う人を選びます。

はじめて触ったのは2日前。
ホームポジションにぎりぎり指が乗るだけのキーピッチがあるのに、あまりにも思うように
タイプできなくて店頭で 30分くらい奮闘。力を入れて意識して打てば
何とか文字抜け無しに打てるといったところ。
一時は諦めたけど、ずっと気になっていて結局買ってしまいました。

●外観

実測で 401g ありました。見た目は電子辞書。
Netbook と比べても PC らしからぬ印象なのは、通風口がまったく無いせいかもしれません。
ファンレスは当然として側面も裏面もスリット無しです。

●電源

スマートフォンやかつての Handhed PC のように、電源切断 = サスペンド (スリープ) 推奨
と書かれています。シャットダウンとの違いは同梱のパンフレットにも説明があります。
3秒起動なのはサスペンドからの復帰のこと。スリープを使えば Windows PC でも同じ
ですが、サスペンドを常用できるくらい省電力だということなのでしょう。

シャットダウン状態からの起動はそれなりに時間がかかります。
バッテリー動作で実測 1分45秒 かかりました。
この数値は Windows7 + Atom Z540 + 高速 SSD の Netbook のおよそ 2倍です。
OS の起動自体はそれほど速くありません。

初起動後は若干遅めで、アプリ起動だけでなくメニューやホットキーの動作なども
ワンテンポ遅れる印象がありました。最初だけだったようで、しばらく使って落ち着いたら
それなりのレスポンス速度で動いています。

●画面

高密度できれいに見えます。
最初から太めで大きなフォントが使われているため見やすい画面です。

5インチ で 1024×600 なので この の計算式に当てはめると 約 237.4 ppi 。
LOOX U に負けるけど VAIO type P よりは高密度です。
KOHJINSHA PM は 4.8 インチなのでさらに細かく 247.3 ppi 。

● Ubuntu

本当にそのまま Ubuntu です。起動画面も desktop も見慣れたものです。
あくまで個人的な話ですが、vim も入っているしキーバインドも普段通りなので、買って
何のソフト導入もカスタマイズもせずにすぐ使用できたのは初めてかもしれません。

●ポインティングデバイス

キーボードの右上、ヒンジとの間に OPTICALPOINT が埋め込まれています。
きちんと設定して使ったら結構反応も良く使いやすそうです。

店頭でたまにカーソルが動かない端末がありましたがその原因も判明しました。
オプティカルポイントには「カーソルモード」と「ホイールモード」の2種類があって、
ホイールモードだとカーソルが動かずスクロール動作になる仕組みです。
「☆」マークまたは Fn +[9] で切り替わります。
おそらく店頭の端末もホイールモードに切り替わっていたため。
カーソルが出っぱなしだと固まったように見えるので少々分かりにくいところです。

PC-NJ70A で苦労させれた光センサー液晶パッドよりはレスポンスも良好です。

そういえば画面がタッチパネルであることをすっかり忘れていました。

●クイックスタートボタン

キーボードとヒンジの間、電源ボタンの隣に描かれているアイコンはタッチ式のボタンに
なっています。デフォルトで起動の遅いアプリが登録されているので、間違って触れてしまうと
ちょっとしたダメージが。
設定で無効にすることが出来なかったので「デスクトップの表示」にしておきました。

●通信

内蔵している通信手段は無線 LAN のみ。
Bluetooth が入ってないのは寂しいですが、おかげでまだ Bluetooth キーボードやマウスに
逃げることなく使っています。

UQ WiMAX の USB アダプタは、Windows でも x64 未対応だったりと期待できないので
必要な時はモバイルルータ URoad-5000 に頼るつもりです。

●キーボード

タッチタイピングによる入力は相変わらず敷居が高いです。
キーを打った後に定位置に吸い込むような感触が無く、むしろ球面を押し込むような反発
とぐらつきがあります。
キーを押したあとの指の位置が安定しないので、隣のキーを押してしまったりホーム
ポジションが徐々にずれたりします。指を離したときもわかりにくい。
まだあまり速く打てないけどだいぶ慣れてきました。

●用途

現状お勧めしづらいし、キーボードも配列以前のところでかなり使いづらい印象です。
それでもぎりぎり打てるサイズなので敢えて使いこなしてみたくなります。
正直割と気に入っています。
ネット接続よりも今のところは無謀にも文字入力用の端末として考えています。

CPU は Cortex-A8 だし、もし AMD Z430 の OpenGL ES 2.0 が使えるなら
また違う使い方が出来るでしょう。

関連エントリ
タッチタイプの境界
NetWalker PC-Z1
OpenGL ES 2.0
WiMAX ルータ URoad-5000 (4) 充電の仕方

RADEON HD 5870 と DirectX 11

Direct3D 11 対応 GPU RADEON HD 5870/5850 が発表されました。
Windows7 発売に間に合うし、Direct3D 11 SDK も直前に RTM しています。
足並みが揃った良いタイミングです。
あとは安定して入手できるかどうか、ドライバが間に合うかどうかでしょう。

AMD、業界初DirectX 11対応GPU「Radeon HD 5800」シリーズ ~上位モデルは1,600SP搭載の2.7TFLOPS

最近は GPU の世代が代わり 機能が増えても一時的なパフォーマンスの低下は見られなく
なりました。GeForce 6800 や 8800 の時もそうでしたがむしろ倍のスコアを出しています。
速度を求める場合も機能が目的でも、安心して手を出せるのは嬉しいところです。

Direct3D 10 → Direct3D 11 の更新は API 的なデザインの変更は少ないものの、
Direct3D 8 → Direct3D 9 と同じように増えた機能はかなりあります。

・汎用性の向上 Compute Shader
・グラフィックス機能の進化 Tessellation, BC6H/BC7
・管理機能の強化 Dynamic Shader Linkage
・スレッド対応 Deferred Context

一見地味な Dynamic Shader Linkage や Deferred Context も、開発者にとっては
大変嬉しい機能です。
Dynamic Shader Linkage は描画発行時にシェーダー内の飛び先を決定することが出来ます。
いわば関数ポインタのようなもので、シェーダーの種類を増やさずに機能の切り替えを
容易にしてくれます。
Deferred Context は他のスレッドが発行した描画命令を Display List としてバッファリングし、
コンテキストに矛盾が生じないようにします。

シェーダーの機能切り替えも効率よいスレッドの活用も、これまではアプリケーション側で工夫して
実現する必要がありました。
つまり DirectX 11 では従来 CPU 側で行ってきたいくつかの分野もアクセラレーションの
対象となっているといえます。GPGPU に限らず GPU の役割は徐々に広がっているようです。

今後 CPU/GPU もお互いに相手の機能を取り込むだけではなく、より連携しやすいような歩み寄りも
必要ではないでしょうか。例えば CPU にも積極的に GPU 連携のための命令が追加されるとか。
SSE5 の half 型変換命令はその一つの好例かもしれません。

DirectX/GPU 年表 も更新しました。

関連エントリ
DirectX SDK August 2009 の解説と Direct3D 11 RTM
Direct3D11/DirectX11 (18) GPU を使ったアウトラインフォントの描画の(6)
Direct3D11/DirectX11 (13) TessFactor とシェーダーリンクの補足など
Direct3D11/DirectX11 (12) テセレータのレンダーステート他

キーピッチ一覧

昨日の表に仕様もいくつか追加してみました。

                 key pitch CPU                  RAM
KOHJINSHA PM       12.0mm  Atom Z510   1.1GHz 512MB  345g   7H  59800円
WILLCOM D4         12.2mm  Atom Z520   1.3GHz   1GB  460g 1.5H
HTC Shift          13.0mm  x86 A110    800MHz   1GB  800g   2H
Jornada680         13.2mm  SH3         133MHz  16MB  510g      138000円
Jornada720         13.2mm  StrongARM   206MHz  32MB  510g  10H  94800円
Libretto 20        13.5mm  DX4 75MHz    75MHz  20MB  840g   3H 178000円
NetWalker PC-Z1    14.0mm  Cortex-A8   800MHz 512MB  409g  10H  44800円
Loox U50X/V        14.0mm  x86 A110    800MHz   1GB  599g 3.8H 
Sigmarion II       14.1mm  MIPS VR4131 200MHz  32MB  500g  10H  
Sigmarion III      14.1mm  ARM PXA255  400MHz  64MB  455g  10H  
KOHJINSHA SK       14.2mm  Atom Z530   1.3GHz   1GB  720g 3.1H
Libretto 70        14.5mm  MMX Pentium 120MHz  32MB  850g   3H
Libretto 100       14.5mm  MMX Pentium 166MHz  64MB  950g   2H  
Loox U/C40         14.8mm  Atom Z530   1.6GHz   1GB  565g 4.2H
Libretto SS1000    15.0mm  MMX Pentium 166MHz  96MB  820g   3H
Libretto ff1100    15.0mm  MMX Pentium 266MHz 128MB  980g   3H
EeePC 901-X        15.5mm  Atom N270   1.6GHz   2GB 1100g 8.3H  59800円
VAIO type P 90     16.5mm  Atom Z540  1.86GHz   2GB  588g   4H
MobileGear MC/R530 16.5mm  MIPS VR4121 168MHz  32MB  770g  10H 110000円
MobileGear MC/R700 16.5mm  MIPS VR4121 131MHz  32MB 1100g   8H 155000円

RAM は搭載可能最大値、バッテリーは小または標準時。

関連エントリ
タッチタイプの境界

タッチタイプの境界

店頭で NetWalker PC-Z1 と KOHJINSHA PM (PM1WX16SA) を触ってきました。
タッチタイピング前提でどこまでキーを打てるか興味あったからです。

SHARP NetWalker
KOHJINSHA PM series

NetWalker はホームポジションに指を載せることが可能で、サイズの割にそこそこ
打てそうな印象でしたが予想以上に苦戦しました。なかなかタイピングのこつがつかめず
最初はキーの取りこぼしが多くてさんざんな結果に。
見かねた店員が 「両手でもって親指で打てばいいですよ」 とかアドバイスしてくれたほど。

キートップが不安定で、指先の感触だけでは入力出来たかどうか判断しづらいのが原因のようです。
文字を確実に打つには、指先の感触に頼らないで完全に底打ちするくらい押し込まなければ
なりません。

店頭の不安定な飾り台ではだめで、安定したテーブルの上に置いて指先に力を入れて強く
つぶし込む気持ちで打てば割と打てるようになりました。
ただこれだけ力を込めてタイプするなら、今まで敬遠しがちだった他のどのキーボードでも
使いこなす自信が付きそうです。

PM (mbook) はキーの感触が良く、NetWalker よりも軽く確実に打つことが出来ます。
問題はキーピッチの方で、ホームポジションにぎりぎり指を乗せられるか若干はみ出る感じです。
キー配列は PM の方が好みなのですが、やっぱり指が窮屈なのか速く打とうとすると
うまく文字を探せないことがありました。

キーピッチだけがすべてではないと思いますが、過去に使ったことがある端末および同系統の
機種を調べてみました。”*” は実際に所有して長時間使ったことがあるものです。

mbook M1/PM            12.0mm
Jornada680             13.2mm
Jornada720             13.2mm *
Libretto 20            13.5mm
NetWalker              14.0mm
Loox U50               14.0mm *
Sigmarion              14.1mm
Libretto 70            14.5mm
Libretto 100           14.5mm *
Loox U                 14.8mm
EeePC 901-X            15.5mm *
VAIO type P            16.5mm *
Mobile Gear II MC/R530 16.5mm *
Mobile Gear II MC/R700 16.5mm *
Let's Note R4          17.0mm *
PC Keyboard            19.0mm *

個人的に気に入っており、タッチタイプで打ちやすかったのが MC/R530 と Jornada 720。
当時はあまり意識しなかったけど Libretto 100 も普通に使っていた気がします。
今のところ 13mm 前後が境界線です。NetWalker のキーボードを確認するため、
長時間練習したことを考えれば 12mm も慣れたら何とかなるんでしょうか。

以下はキーピッチを調べる上で参考にしたページです。

PC watch Libretto 新機種
TOSHIBA Libretto 100 の発売について
製品マニュアル HP Jornada 720 ハンドヘルド PC
VAIO type P スペック
NECインフロンティア Mobile Gear Age
Wikipedia モバイルギア
Eee PC 1000H-X速攻レビュー
Panasonic レッツノートラインナップ比較表
工人舎「PM」~ワイシャツのポケットに入る超小型Windows PC
LOOX U カタログモデル仕様
Atom搭載「LOOX U」の進化ぶりを写真でじっくり解説する

Mobile GPU

HYPERでんちの GPU 年表更新しました。
ほとんどが Mobile デバイスの追加です。
2009年になって一気に Shader 対応端末が普及したことがわかります。
この流れを推し進めているは OpenGL ES 2.0 。
OpenGL ES 2.0 は Direct3D 10 以降のように Shader パイプラインしか定義しておらず
GL ES 2.0 対応であればシェーダーベースの GPU であることがわかります。
デバイスの機能的にもシェーダーに進むそれなりの理由があるのでしょう。

例えば一部 GPU はすでにユニファイドシェーダーを採用しています。
ShaderModel 4.0 にかなり近いか、最初から 4.0 に対応し得る設計です。
シェーダーユニットの再利用は実行効率的にも優れており、ユニットの個数で
スケーラビリティを保ちやすいなどのメリットが考えられます。
また CPU の補助として GPGPU 的な使い方も視野に入れているようです。

他にも先行しているデスクトップ向け 3D ゲームの移植しやすさや同等のテクニックが
使えること、デスクトップ向け GPU の設計を流用できる、バス帯域の制約から演算の
比重を高めるなど、考えられる理由があります。

表を見ているとかつてのデスクトップ向け 3D アクセラレータが多数登場し、
各社多種のビデオカードがしのぎを削っていた頃を思い出します。
ほぼ 2強で占められたハイエンドと違い、様々な GPU が使われているようです。

電力も面積も限られているモバイル向け GPU にとってバス帯域は大きな問題です。
タイルベースで深度判定のみ先行し、最小限のフラグメントのみレンダリングする
PowerVR と同じように、AMD もチップ内の少量かつ高速な RAM を用いたタイルベース
レンダリングを行っているようです。この辺の工夫も非常に興味深いところです。

WindowsVista/7 のウィンドウが GPU 描画になったのと同じように、Mobile デバイス
でも 3D アクセラレータを用いた表現が重要となっています。
一般のアプリケーションも当たり前のように GPU を使っているなんて
3D アクセラレータが乗っていなかったり、乗っていてもドライバが無くて使えなかった
昔からは考えられないことです。

とはいえ今時の CPU は速いので、MI-Zaurus + CPU だけでレンダリングしていた頃を
考えれば CPU でも十分描画できるのかもしれません。

GPU 年表
Direct3D Mobile DeviceCaps 一覧
Zaurus GA 3D Engine